T-Sia behind the decks watching the action on the dancefloor at the Red Bull BC One Camp Zurich in 2018.
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ダンス

ブレイク自慢のポップソング 5選

B-Boy&B-Girlたちが思わず反応してしまうファンキーなブレイクやインストパートを備えているポップソングを集めてみた!
Written by Emmanuel Adelekun
読み終わるまで:5分Published on
メインストリームのメディアに “ブレイクダンス” と誤って紹介される機会が少なくないブレイキンは、ヒップホップと共に産声を上げたダンススタイルだ。
しかし、このシーンのDJたちは、B-BoyとB-Girlを踊らせるためにヒップホップ以外のジャンルも積極的にディグしている。
ミュージカル『Jesus Christ Superstar』の収録曲「Overture」のギターブレイクからBabe Ruth「The Mexican」のような典型的なラテンバイブスまで、DJがブレイキンジャムでドロップするトラックは予想がつかない。
そこで今回は、B-BoyとB-Girlが思わず反応してしまうビート / テンポ / ドラム / ホーン / ヒットを備えている意外なポップソングを5曲ピックアップしてみることにした。
すべてメジャーヒットなので、次のRed Bull Dance Your Styleで耳にするかもしれない!

1:ジャスティン・ティンバーレイク「Damn Girl (feat. will.i.am)」

ジャスティン・ティンバーレイクが2006年にリリースしたアルバム『FutureSex/LoveSounds』に収録されている、Black Eyed Peasのwill.i.amをフィーチャーした「Damn Girl」は、ブレイキンに最適なステディなドラムソロから始まるファンキー&スムーズなトラックだ。
“Damn girl, damn girl…” と繰り返すジャスティンのヴォーカルにブレイキンなドラムが添えられている。
また、B-Boy出身で、今も時折ダンスしているwill.i.amのラップブレイクもあり、2分33秒〜3分10秒にかけてブレイキンなドラムソロと彼のラップが楽しめる。
ジャスティン・ティンバーレイクは定期的にダンスフロア向けのトラックをリリースしているので、ブレイカーたちが好んでダンスするタイプのリズムを落とし込んだこのトラックを作ったのも驚きではない。

2:クリスティーナ・アギレラ「Ain't No Other Man」

グラミー賞シンガー、クリスティーナ・アギレラ「Ain't No Other Man」は2006年のアルバム『Back To Basics』のファーストシングルだった。
「Ain't No Other Man」はアップテンポ・ソウルフル・ジャジーなトラックで、トラックを通してフィーチャーされているホーンが強烈なアクセントとなっている。ホーンはいつの時代もフロアのブレイカーたちにエナジーを与えてくれる。
このトラックはリリース時にブレイキンシーンで大評判だったが、2分50秒〜3分4秒にかけてこのトラックをブレイキン向けにしているドラムブレイクが用意されている。楽器のアレンジが秀逸なためDJがイントロからアウトロまでプレイできる素晴らしいトラックだ。

3:ブルーノ・マーズ「Perm」

ブルーノ・マーズによる3作目のアルバム『24K Magic』の3曲目に収録されている「Perm」はドラムとギターを中心に据えた超ファンキー&ハイテンションなトラックで、ブレイキンよりはロッキングのイベントでプレイされそうなバイブスを備えている。
しかし、多くのクラシックブレイクと同じで、中盤の2分18秒〜2分25秒にかけてブルーノが少しエナジーを落とすセクションがあり、ブレイキンにパーフェクトなクールなドラムブレイクが楽しめる。
ブルーノは3分10秒あたりまでこのクールなブレイクを引っ張りつつ、そこからまたエナジーを高めてオリジナルの超ファンキーなトラックへ戻っていく。

4:Amerie「1 Thing」

R&BシンガーであるAmerieが2005年に発表したアルバム『Touch』のリードシングル「1 Thing」はビッグヒットとなると同時に、ブレイキンシーンでも高い人気を獲得した。
生ドラム、ボンゴ、コンガを組み合わせたパーカッションサウンドはこのトラックにリズミカルなエナジーを提供しており、トラックを通じて繰り返される最高にクールなバックトラックに貢献している。
「1 Thing」の最初の10秒は、DJがループさせるのに最適だ。また、2分14秒〜2分24秒のブレイクは、ドラムとAmerieのヴォーカルがスピードアップとリピートを繰り返しており、リズミックで音楽的なエナジーが短くもワイルドに炸裂する。
ブレイカーは知らないかもしれないが、「1 Thing」はニューオーリンズファンクを代表するバンドThe Meters「Oh Calcutta!」をサンプリングした8秒のサンプルをベースにしている。1分42秒あたりで元ネタが聴ける。

5:デスティニーズ・チャイルド「Lose My Breath」

デスティニーズ・チャイルドの4枚目のアルバム『Destiny Fulfilled』からのファーストシングルだった「Lose My Breath」は、ハイエナジーなトラックらしいマーチングバンドを思わせる軍隊調の性急なパーカッションサウンドで幕を開ける。
このマーチングバンドが打ち鳴らすドラムビートが、このトラックをブレイキンにパーフェクトなトラックにしている。
ブレイカーたちをフロアへ向かわせる可能性が高いパートは、2分35秒〜2分53秒のブレイクだ。テンポは少しスローダウンするが、マーチングドラムはブレイカーの身体を動かし続けるようなエナジーをキープしている。