【FKT更新!】ミハエル・シュトラッサーが単独無支援の徒歩とバイクでオーストリア7峰を最速縦断!
数々の驚異的なエンデュランス記録を残してきたエクストリームアスリートがオーストリア7峰(計1,100km・獲得標高20,000m)を単独無支援でほとんど睡眠を取らずに縦断してFKTを達成した。
4日4時間40分 — これがオーストリア7峰における新たなFKT(ファステスト・ノウン・タイム:最速記録)だ。
オーストリア出身のエクストリームアスリート / エンデュランスアドベンチャーアスリートであるミハエル・シュトラッサーは、オーストリア9州それぞれの最高峰を完全単独の徒歩とサイクリングで縦断した。フォアアールベルク州にあるグローセ・ピズ・ブイン登頂からスタートした彼は、100時間40分後にウィーンのヘルマンスコーゲルに到達し、従来の記録を11時間更新した。
「サポート同伴の記録さえ破れるかどうか確信が持てませんでした。従来の記録保持者クリスチャン・ブルックナー氏には30名のチームが同伴していました」とシュトラッサーは切り出す。
「荷物整理はガソリンスタンドで行い、バイクはパニアバッグで重く、山越えでショートカットは一切使えませんでした。スピーディに登頂し、バイクでの移動時間を最小限に抑え、何よりも睡眠時間を限りなく減らしたおかげでなんとか達成できました」
最初の3夜でシュトラッサーは1日3時間しか眠らず、最後の夜は35分間のパワーナップだけだった。
シュトラッサーは「間違いなく、私のアスリート人生最大の功績です」と語るが、彼がカイロからケープタウンまでアフリカ大陸を縦断し、アラスカからパタゴニアまでの約23,000kmをサイクリングで走破した実績を備えていることを踏まえると、これは実に重みのある言葉だ。
FKT / アドベンチャーレース関連用語
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「無支援」が意味するもの
エンデュランススポーツでは、100%単独で行われるタイプのチャレンジを「無支援」と呼ぶ。FKTのルールは厳格で、家族や友人、ファンはスタートとフィニッシュでしか立ち会えない。その間は “自分だけ” で、すべてをひとりで行わなければならない。サポート車両もなければ、事前に用意された食事やスペアホイール、伴走しながら意思決定を行うクルーも存在しない。
シュトラッサーは必要な物資のすべてを携行していたため、彼のバイクは相当な重量になった。しかも、数千mものクライム区間をサイクリングするとなれば、たった1gでも重要な意味を持つ。シュトラッサーはエンデュランス / マウンテンスポーツで約20年の経験を重ね、様々なエクストリームチャレンジを達成してきたが、今回のプロジェクトはこの43歳のアスリートをコンフォートゾーンのはるか外側へ追いやった。
今回のチャレンジでは、食事や睡眠、さらにはガソリンスタンドで物資の整頓を行う時間でも計時が止めらなかった。また、シュトラッサーは登頂が終わるたびにバイクを置いてある場所へ戻り、それから次の山へ向かわなければならなかった。すべての時間が計時対象だった。
「サポート同伴記録を上回ることができたのは、スピーディに登頂し、バイクでの移動時間を最小限に抑え、何よりも睡眠時間を限りなく少なくしたおかげでした」とシュトラッサーは説明する。
データで見るシュトラッサーのオーストリア7峰縦断
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オーストリア7峰の縦断ルート
オーストリア7峰の縦断ルートは、オーストリア西部フォアアールベルク州からオーストリア東部ウィーンに向けて、オーストリア連邦州9州それぞれの最高峰を結んでいるが、グロースグロックナーとダッハシュタインは2つの連邦州にまたがっている。
そのため、今回のチャレンジではグローセ・ピズ・ブイン(3,312m)/ グロースヴェネディガー(3,657m)/ グロースグロックナー(3,798m)/ ホーアー・ダッハシュタイン(2,995m)/ シュネーベルク(2,076m)/ ゲシュリーベンシュタイン(884m) / ヘルマンスコーゲル(542m)の計7峰に登頂することになった。
シュトラッサーはそれぞれの登頂の間に約1,000kmをサイクリングし、獲得標高は約11,000mに達した。彼はさらに100kmを踏破し、徒歩での獲得標高は9,000mに達した。今回のチャレンジにおける移動距離の合計は約1,100km、獲得標高合計は20,000mとなった。シュトラッサーはこれを完全な単独無支援で、時間と戦いながら完遂したのだ。
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シュトラッサーの記録が持つ重要性
しかしながら、シュトラッサーにとって、オーストリア7峰縦断の最速記録をサポート同伴なしで更新することは、単なる記録更新以上の意味があった。ファンは彼の進捗をStravaでフォローし、4日・4時間40分に渡って信じられないような記録が積み上げられていく過程を目の当たりにした。
最小限の睡眠、夜間登頂、テクニカルな山の地形、激しい雷雨、そして数百km続く公道などが、エンデュランスの厳しい試練を突きつけた。シュトラッサーは2022年にサイクリング中に重傷を負う事故を経験していたため、この試練は尚更過酷になった。
今回のプロジェクトは、シュトラッサーにとって、自分の限界を試す個人的な試練であり、公道での長距離単独ライドでの自信を取り戻すための機会でもあった。
今回のチャレンジでのメンタル / フィジカルの要求度について、シュトラッサーは「ダッハシュタインでの夜間登頂では、過去20年間で私が積み重ねてきた経験値を総動員する必要がありました」と振り返る。
最終夜、たった35分の睡眠をとった彼はその直後に470kmのサイクリングを決行し、激しい雷雨の中を約4,000mもクライム。ウィーンに向けたこのラストプッシュだけでも、チャレンジ完遂のために求められた並外れたフィジカル / メンタル両面のレジリエンスが示されている。
そして、今回のシュトラッサーは無支援だったが、人目につかないどころか大きな注目を集めた。ライブGPSトラッキングを通じて彼の進捗をフォローする人が増え続け、ルートの沿道に駆けつけて彼に声援を送った。フィニッシュが目前に迫ると、本来ならFKT更新に挑む極めて孤独なアテンプトとなっていたはずが、完全に異なる状況となり、フィニッシュまでファンが一丸となってシュトラッサーを応援し、驚異的な記録達成の瞬間を共に祝った。
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