ジムでの注意点:初心者が犯しがちな9つのトレーニングミス
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フィットネス

ジムでの注意点:初心者が犯しがちな9つのトレーニングミス

パーソナルトレーナーがジムでの悪癖を正す方法を解説!
Written by Joe Ellison
読み終わるまで:7分Updated on
ジムに通い慣れた人でさえも、効果がほとんど得られず、最悪の場合怪我に繋がるような間違ったアプローチでワークアウトをしていることがある。
オスカー受賞俳優やパラリンピック選手を指導した経験を持つパーソナルトレーナー、スコット・レイドラーがジムでの間違ったトレーニング方法やその矯正方法をピンポイントで解説する。
休息とエクササイズの正しい比率を心がけよう

休息とエクササイズの正しい比率を心がけよう

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1. 貧弱 / 経験不足に見られたくないという理由でチャレンジしない

「時々見かけるのは、トレーニングの幅を広げるのを避けて、トレッドミルや固定トレーニング器具など、無難で分かりやすいエクササイズ器具に執着している人たちです。ジムに通い始めたばかり頃は、多くの人が頑張る自分の姿を間抜け、または貧弱に思われることを嫌がります。これは無難に終わらせたいというメンタリティで、誰の得にもなりません」
「誰もが最初は初心者で、素晴らしい体型を手に入れている人たちも最初は自分と変わらない体型だったということを忘れないでほしいですね。ですので、身体が準備できていると語りかけているなら、ウエイトルームへ向かってトライすべきです」
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2. 適度に負荷をかけた有酸素運動(ランニング)が脂肪燃焼に最適だと思い込んでいる

「一般的に、ほとんどの人がランニング(適度な負荷の有酸素運動)が脂肪を燃焼させるための最適な方法だと思い込んでいます。残念ながら、これは間違いです。最終的にはある程度効果がありますが、ベターなアプローチは、一定したペースの低負荷有酸素運動、または高負荷のインターバルトレーニングを活用することです。一定したペースの低負荷有酸素運動は、脂肪からより多くのカロリーを燃やせますし、高負荷インターバルトレーニングではより高い代謝が得られます」
「一定したペースの低負荷有酸素運動には、心拍数が105から120BPMのロングセッションを試してみましょう。また、インターバルトレーニングを行う場合はタバタ式が最適な出発点です。タバタ式とは、20秒のワークアウトと10秒間の休憩を8セット繰り返すインターバルトレーニングです。これは自重トレーニング、レジスタンスエクササイズ、もしくは純粋な有酸素運動に適用できます」
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3. 正しい姿勢を意識できていない

「1日を通して自分の姿勢を意識することは、身体の機能性を維持するためのカギで、車の運転やデスクワークが仕事の人には特に重要です。ですので、トレーニングの姿勢にも注意が必要で、正しくない姿勢は深刻な問題を招きかねません。ベンチプレスで背中を反らせたり、バイセップカールで勢いをつけていたり、デッドリフトで背中が曲がっていたり、スクワットの負荷が重すぎて膝が震えたりしている場合はトラブルを生じやすくなります」
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4. トレーニングを正しくピリオダイズしていない

「休息とエクササイズをピリオダイズ(期間・時間に分けること)することは、フィットネスの向上において極めて重要な要素です。オリンピック選手は4年もしくは8年のサイクルでトレーニングしていますが、それを踏まえれば1週間のワークアウトプランを立てるのは難しいことではないはずです。一般的に言えば、トレーニングの手順は6~8週間ごとに変更するか、パフォーマンスの低下に気づいた時点で変更することをおすすめします」
「ワークアウトやトレーニングにおける、休息とエクササイズの比率は熟考して決めるべきです。リカバリーするために、ハードなトレーニング期間の合間に休息時間を組み込む必要があります。リカバリーの時間を設定せず、毎週立て続けに高負荷のトレーニングを続けると、疲労の蓄積やパフォーマンス低下に繋がってしまいます」
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5. ワークアウトの内容を記録していない

「健康とフィットネスの向上において最も欠かせない要素のひとつが、ワークアウト内容の記録です。これも多くの人々が怠っています。ウエイトリフティングを例にとってみましょう。リフト量を着実に増やすためには、ウエイト追加の推移をきちんと記録しておくことが不可欠です。これらを記録しなければ、適切なウエイト量を知ることができませんし、過去にどれだけのウエイトを持ち上げたのか、また各ワークアウトの合間にどれだけの休息を取ればよいのかも分かりません。現在はパフォーマンスの記録に利用できるアプリが沢山ありますし、もちろん、シンプルに紙に書いて記録しても良いでしょう。私の場合は、両者の間を取ってiPhoneのメモ機能を利用しています」
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6. 自分と違った目的を持つ人のプログラムをなぞっている

「トレーニングで成果を得ることは、非常に個人的な探求です。自分の理想の体型を得るためには、自分の体格や運動経験、ライフスタイルに適したトレーニングが必要です。かつて毎日一緒にトレーニングしている2人がいました。ひとりは長年トレーニングを続けている根っからのアスリートタイプで、もうひとりは体格が小さく、エクササイズ経験がなかったのですが、彼は自分より体格の大きい友人と同じ重さのウエイトを持ち上げようとしていました。フォームのまずさや重いウエイトの危険性はともかく、体格が異なれば、それぞれが得る結果は異なってきます」
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7. 見栄を張って低負荷のエクササイズを避けている

私は筋肉量を増やしたい時はウエイトを軽くし、脂肪を減らしたい時はウエイトを重くしています
「多くの人はこれを最初に聞くとショックを受けるのですが、私は筋肉量を増やしたい時はウエイトを軽くし、脂肪を減らしたい時はウエイトを重くしています。最も進んだトレーニング方式は、非常に軽いウエイトをリフトし、短い休息時間を挟むことで飛躍的な向上を得るとしていますが、多くの人々がエゴのせいで軽いウエイトでのリフトを避けているのを見かけます。自分自身の肉体のポテンシャルを本当に解放したいのなら、小さな見栄を張っている余裕はないはずです」
「一方、女性の間では、ウエイトリフティングは筋肉がつきすぎてしまうのではという議論が良く起きています。ですが、これは考慮に値しない議論です。当然ながら女性も男性と同じように筋力向上が可能ですが、筋力の向上には長い期間が必要ですし、長年の入念な努力が必要です。筋力は一晩で向上するものではなく、筋肉がつきすぎてしまうのではという危惧が日々の筋力トレーニングによって得られる健康とフィットネスの向上を避ける理由になるべきではありません」
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8. 十分なウォーミングアップを怠っている

「これは私自身の反省でもあります。私は過去何年間も正しいウォーミングアップやクールダウン、ストレッチ、基礎的な柔軟運動などを怠ってきたせいで、あまりにもパフォーマンスピークが低くなってしまい、これを矯正するために通常の10倍もの時間をかけざるを得なくなってしまっていました。最初から正しいウォーミングアップとクールダウンができていれば、かなりの時間と労力が節約できていたはずです。かつての私と同じような習慣にはまっている人々は今も多く見かけます。少なくとも、ワークアウトの前はウォーミングアップをし、定期的にストレッチを行い、週に一度は全体の柔軟運動をするようにしましょう」
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9. 間違った食生活でトレーニングに臨んでいる

「普段の食生活を維持したい、またはさらに悪い食生活を楽しみたいという理由だけで新しいエクササイズに取り組んでいる人を多く見かけます。彼らは、その分だけ余分にカロリーを燃焼させれば良いのだと思い込んでいるのです。残念ながら、これは悪循環を招いてしまいます。第一に、運動をすればカロリー吸収率は増えますし、その新しいエクササイズを途中でやめてしまえば、通常は体重が増えてしまいます。第二に、悪い栄養状態と少ない休息の組み合わせは疲労とオーバートレーニングの原因になるので、結果的にジムで過ごす時間が短くなり、トレーニングによる成長が停止してしまいます」
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