Gaming
結成からわずか半年でOGの新生『Dota 2』チームは【ESL One Stockholm 2022】を制して初のメジャータイトルを手に入れた。
一度も一緒にプレイした経験がなかった5人(Ammar “ATF” Al-AssafとBozhidar “bzm” BogdanovはCreepwaveで一緒にプレイした経験がある)が『Dota 2』シーンで最も権威あるチームに集い、時間をかけずにまとまったことは、それぞれのプレイヤーとしてのスキルとコーチングスタッフの手腕の証左だが、今回の優勝はそのさらなる証左になるだろう。
しかし、この優勝は問題なしに達成できたわけではなかった。
新生OGの主要メンバー2人、キャプテンのMikhail “Misha” AgatovとコーチEvgenii “Chuvash” Makarovがトーナメントに参加できなかったため、OG創設者のひとりでレジェンドのJohan “N0tail” Sundsteinが臨時コーチとして、そしてもうひとりのOGレジェンド、Sébastien “Ceb” Debsがプレイヤーとして参加することが急遽決定したのだ。
ギリギリの決定だったにもかかわらず、N0tailはアリーナへの復帰を楽しんだようだ。本人は「とても楽しい経験になった。チームとの距離を縮めたいと思っていたので、より上手く経験をチームに伝えることができたと思う。ようやくユニバースがひとつになった感覚を得ているよ」とコメントした。
ベテランの戦列復帰もロースターにとって大きな刺激になったようだ。Tommy “Taiga” Leは次のように振り返っている。
「Cebが一緒にプレイしてくれたことでチームのメンタルに大きな変化が起きました。彼が上手く言葉をかけてくれたおかげでチームの集中が保てましたし、トーナメントに参加している理由と自分たちがある意味格下の存在だということを再確認できました」
01
好調で迎えたトーナメント
Dota Pro Circuit WEU Division Iシーズンを6-1で終えていたOGは、ポジティブなムードで【ESL One Stockholm 2022】に乗り込んでいた。そのため、彼らはグループステージを2位で終え、プレイオフに向けて好位置につけることに成功した。
しかし、プレイオフ初戦でTeam SoloMidに2-0で敗れてその勢いが止まってしまう。ローワーブラケットに落ちたOGは突如としてひとつもミスが許されない状況に追い込まれてしまった。しかし、Cebにとってこれはひとつの貴重な経験に過ぎなかった。
「Team SoloMidの方が優れた戦術を用意していた。僕たちの弱点を巧みに突いてきた初めてのチームだった。彼らのおかげで僕たちは自分たちの弱点と自分たちのプレイスタイルの穴をより明確に理解できた。良い学習機会になったね」
この手痛いレッスンによってプレイオフの残りに向けて気合いを入れ直したOGは、優勝までわずか2ゲームしか落とさなかった。そのひとつが記録されたのがFnatic戦で、OGが【ESL One Stockholm 2022】で経験した中で最も長く、最も難しいマッチとなった。1時間を超えたそのマッチは、Cebも含むOGのメンバー全員の限界が試される厳しい戦いとなった。
最終的にこの対戦で勝利を掴められた理由について訊ねられたCebは次のように回答した。
「チームのエナジーと勝利への意欲を励みにしていくことが重要だと思う。アップダウンは必ずあるけれど、チームメイトとチームの雰囲気で自分を励ますことができる。どんな対戦になっていても、少なくとも必ずひとりは好調でエナジーに溢れているチームメイトがいるはずだ」
02
サクセスストーリー
1-1からゲーム3を取ってFnaticを退けたあと、OGのトーナメント優勝までの道のりに障害物はほとんどなくなり、彼らはグランドファイナルのゲーム1までひとつも落とさなかった。そのグランドファイナルでOGを再び止めたのが、彼らをローワーブラケットに落とした張本人Team SoloMidだった。
ATFはグランドファイナル後、次のようにコメントを発表した。
「どうしてもTeam SoloMidには勝ちたかったので、彼らを3-1で倒してのメジャー制覇はひときわクールでエキサイティングに思えましたね。プレイ中は周囲の騒音を気にしないようにしました。僕たちの目標は勝利だけでしたし、そのために100%集中する必要がありました」
この勝利で新生OGはメジャー初制覇を記録した。N0tailは以前からこのような結果が必ず得られることを確信していたとしつつ、次のように続けた。
「とはいえ、初挑戦で優勝できるとは思っていなかった。メジャーを迎えるまで、タイトル獲得はまだ無理だろうと思っていたし、チームは僕が考える “仲間” にもなれていなかった。でも、このメジャーを終えて彼らはお互いをより近くに感じているし、チームワークのパワーも実感できている」
現在、チームは次のトーナメントに向けて休暇中だが、N0tailは今年もOGがThe International出場権を得ることに自信を見せている。「僕たちは優勝を狙っていく。このチームを止められるかどうかは他のチーム次第だよ」
▶︎世界中から発信される記事を毎週更新中!『新着』記事はこちら>>