ゲーム
PS3からおよそ7年、Sony がついに4という数字に言及した。
先日ニューヨークで行われた特別イベントにおいて、ついに PlayStation 4 がお目見えとなったのだ。
…一部分だけ。
というのも、Sony は 2 時間のイベントの中で、実際のハードウェアを紹介することはなかったからだ。また、本体の値段も明らかにされておらず、正確な発売日も謎に包まれたままである。
では、この超強力な謎マシンについて何が明らかにされたのだろう…?本稿でその概要をしっかりチェックしてほしい。
ハードウェアの詳細チェック
PlayStation 4 のスペックは 8 コアの X86 系 AMD Jaguar CPU、1.84 テラフロップの AMD Radeon グラフィックス エンジン プロセッサと 8 GB RAM と、現在の最先端 PC にかなり近い。端的にまとめると、"超絶速い" ということだ。
また PS4 は "大容量ハードドライブ" を搭載することがデザイナーの Mark Cerny 氏によって明かされている。同氏は発表イベントにおいて最初に壇上にあがり、PS4 の内側について語った人物である。「PS4 はパワフルで扱いやすいシステムです」と Cerny 氏は言う。「それから、ゲームが遂げている進化をサポートしていくための充実した機能セットも有しています」
PS4 では、パワーボタンを押すと停止 / 再開状態が即座に切り替わる。ダウンロードやアップロードはセカンダリ チップが処理するため、電源オフ状態であってもゲームをダウンロードしておけるのだ。また、ダウンロード中にゲームを遊ぶことも可能だ、と Cerny 氏は語っている。
重ね重ね残念だったのは、先にも述べたとおり実際のハードウェアを目にすることができなかったことだが、今年の E3 でデビューを飾ってくれる可能性は高いだろう。本体は黒い、というのが我々の予想だ。(無難すぎる予想しか出来ない現象…)
デュアルショックの大改造
Sony は美しいコントローラーについては、車輪の再発明を行なったりはしなかった。だが、単純に同じというわけではなくいくつか新しいしかけも用意されている。コントローラーの中心部には小さなタッチパッドが追加され、ヘッドセット接続用に 3.5 mm ヘッドフォンジャックも用意された。また上部にはプレイヤーを識別する LED が付いている(新アカウント システムにより、1 台で複数のプレイヤーが同時ログイン可能になっている)。
シェア = 心くばり
今回から、従来の "Start" ボタンと "Select" ボタンにかわり、"Share" ボタンが導入されている。このボタンを押すと、遊んでいるゲームのビデオ クリップを Ustream や Facebook にアップロードしたり、プレイの様子をフレンドに生中継したりできる。また、Sony は、ゲームに行き詰まった時に物理的に離れたところにいるフレンドに操作権を渡して代わりにクリアしてもらう機能の存在もほのめかしている。
この他 PS4 には遊んでいるゲームを分析する機能も搭載され、iTunes や Amazon で見られるような、ゲームやメディアのお勧めが表示されるようになるという。さらに PlayStation プロフィールも、PC や携帯電話、タブレットなどからログオンすることもできるようになる。
カメラをつけよう
PS4 では、以前までは別売りの付属品だった PlayStation Eye が標準で付属する。もっとも、横長の形でカメラを 2 個搭載しているから、カメラというよりもバイザーといったほうが正確かもしれない。Eye は 3D 空間認識やモーション コントロール、顔認識ソフトウェアなどに使用される。4 個のマイクも内蔵するので、音声コマンドもより精度の高いものになるだろう。端的に言えば、新しい Eye は Xbox Kinect 2.0 的な存在なのだ。
ストリーム、ストリーム!
さて、PS4 の特徴の中でも最も期待を寄せられている要素が "クラウド ゲーミング" だろう。これは PlayStation Network に接続したプレイヤーが、遠隔地にあるサーバーを通じてゲームをストリーミングで楽しむというものだ。遊べるゲームにも制限はない。動画のストリーム配信サービスの Netflix や Hulu Plus のゲーム版と言えば分かりやすいかもしれない(ゲーム小売店の叫び声が聞こえてきそうだ…)。
ストリーミングといえば、Sony は PS4 から携帯機である PS Vita にストリーミングして Vita をサブディスプレイのように使ってゲームを遊ぶことも可能だと発表している。これは PS4 システムにおける Vita の存在が、任天堂の Wii U GamePad のようなものになり得るということでもある。
期待のタイトルたち
さて、ここからは PS4 向けに発表されたゲームのまとめを見ていこう(発売日等は未定)。
'Killzone: Shadow Fall'
PS4 の発表では、人気 FPS シリーズの四作目となる「Killzone: Shadow Fall」も発表された。一見すると前作である「Killzone 3」と比較して圧倒的に美しくなったとは思わないかもしれないが、広大な未来都市空間のシーンはまさに息を呑む鮮明さと詳細度で描き出されていた。
'DriveClub'
「DriveClub」は "ソーシャルなつながり" のあるレース ゲームと評される。本作はチーム制のレース ゲームで、フレンド同士での競い合いも可能であるという。予告編ムービーでは圧倒的なグラフィックスと実在ブランドの車両、そしてリアルなサウンドが確認できる。
'Destiny'
「Destiny」は、「Halo」シリーズの開発元として知られる Bungie が PS4 向けに発表したタイトルだ。2007 年にマイクロソフトから独立し、「Call of Duty」のパブリッシャーとして知られる Activision とのパートナー関係を 2010 年に築いて以来、ずっと水面下で進行していたプロジェクトでもある。「Destiny」の舞台は壊滅的状況の地球(どの程度の未来という設定かは不明)に残された最後の都市で、プレイヤーはその都市を守る Guardian の一人として装備を手に取ることになる。Guardian は太陽系に生存する全人類を守るため、火星の赤き大地から金星に広がるジャングルまで、さまざまな舞台で戦いを繰り広げる。
'inFAMOUS: Second Son'
PS4 版「inFAMOUS: Second Son」では、主人公はおなじみの Cole McGrath から Delsin Rowe へ -- イベントで公開された 2 分間の予告編ムービーでは新主人公が疾風のごとき活躍を見せてくれる。詳細は自らの目で動画を確かめてみて欲しい。
'Deep Down'
「ドラゴンズドグマ」の流れをくむ作品にも見える本ビデオ。Capcom が暗い洞窟でのドラゴンとの死闘を描いた美麗ムービーだ。
'Watch Dogs'
初公開となったのは去年ロサンゼルスで行われた E3 だったが、今回開発元である Ubisoft が、この期待のオープン ワールド型 SF ゲームが PlayStation 4 向けに発売されることを発表している。
'Knack'
Sony の人気シリーズ「ラチェットアンドクランク」を彷彿とさせるカートゥーン調のアート スタイルが特徴の「Knack」は、謎に満ちた古代のレリックの力を借りて巨大戦闘マシンに変身できる小さなヒーローの物語だ。
発売日は?
Sony は今のところ "2013 年のホリデー シーズン" 以上に具体的な発売日の情報を発表していない。11 月の発売になる可能性は極めて高そうではあるが。