SATORU
© Suguru Saito
ミュージック

SATORUインタビュー『小手先の言葉だったらだれでも言える』

Red Bullがキュレートするマイクリレー《RASEN》EP14 参加ラッパーたちのプロファイル ④
Written by Keita Takahashi
読み終わるまで:4分Published on
今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
ビートがドリルだったので、暴力的なリリックと間を活かしたflowでアプローチしようとすぐに思いました。
小手先の言葉だったらだれでも言えるんすよ。要は歌詞の内容。
俺が言うから言葉が生きるんですよ。俺がやるから間に緊張感が生まれるんですよ。タッタカタッタカ、ラップするだけなら誰でも出来るんですよ。
“やりすぎちゃった、おまえの前歯どこ?/オレの左手にぶっ刺さってるよ”とか、自分でもウケるし気に入ってます。
RASEN EP14

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ラップをはじめたきっかけを教えてください。
ヒップホップはもともと好きで、地元にMAKAってMCがいて、彼の初ライブに食らって。で、ライブが終わったあとに“オレもラップやりたいんで教えてください”って言ったのがきっかけでしたね。
最初に録ったのは,地元の暴力的な組織から抜けたあと。それまではずっとフリースタイルだったんですけど、そのときにはじめて曲を録った。
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あと、そのあと入った少年院で“なんでもっと自由にラップやんなかったのかな”って思うことがあったんですけど、そのとき考えたことがスタイルのベースになってると思ってて。いま振り返ったら、それまでの自分にはオリジナリティーがなかった。
で、少年院だともう規則にガチガチに縛られてるわけじゃないですか。“ここを出たら枠にとらわれないでやってやろう”ってずっと思って現在に至るという感じです。
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これまで発表した楽曲で、自身の代表曲を挙げるなら?
んー、なんだろう。すぐ飽きるんですよね,常に進化してるから。自分が好きじゃない曲を評価されてもあんまパッとしなくて。だけどリスナーからしたら“MAKA”とかなのかな。この曲で自分のことを知ったひとは多いかもしれない。
“MAKA”を出したのが2年前ぐらいなんですけど、その頃の日本のヒップホップシーンってナヨナヨしたものばっかだったじゃないっすか。自分はそう思ってて、だからこそあの曲はそういったシーンのなかでインパクトを感じてもらえたんじゃないかなと。
自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
リリックにはこだわりがあります。そのうえでフロウに磨きをかけていく。
自分は日本のヒップホップの枠に囚われるような考えはなくて、あくまで世界的なヒップホップの基準で通用するかしないかが大事だと思ってて。そうなるとフロウは当たり前のように重要で、海外の人間が聴いても響くフロウをつねに意識しています。
RASEN EP14

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影響を受けた人物は?
AK-69さんですかね。はじめて聴いたのは中1とかだったっすけど、当時の子供だった自分にもソウルみたいなものが伝わってきた。中2のときに東日本大震災があって。計画停電とかあってなんもできないときにAKさんの曲をケータイで聴いてパワーもらってたんで。いろんなところで影響を受けたと思いますね。
RASEN EP14

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今後の予定と将来の展望について教えてください。
直近だと自分が所属しているレーベルSELF MADEのコンピレーション作品が年末か年始あたりには出る予定なので聴いてもらいたいですね。
将来的には日本から離れて海外でも活動してみたいと思ってます。結局いまの時代、どこにいても活動はできるわけだし。いつか自分のルーツであるブラジルにまた行きたいなとは思ってるっすね。
RASEN EP14

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あとは、自分としてはまだ他人に影響を与えるほどのパワーって持ってないと思ってて。いつかはそういう……だれかの力になったり、寄り添えるような曲を出せるアーティストになりたいです。
そのために海外での活動も糧になるだろうし、しっかり金も稼がなきゃいけない。とりあえず年間10億とか欲しいね。世界的なヒットを打てば、全然なんて事ない数字でしょ。
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