Tade Dust
© Suguru Saito
ミュージック

Tade Dustインタビュー『ラッパーとして生きていきたいと思った』

Red Bullがキュレートするマイクリレー《RASEN》EP14 参加ラッパーたちのプロファイル ①
Written by Tetsuro Wada
読み終わるまで:4分公開日:
今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
一番手でいい感じにかっ飛ばしてできたと思います。自分自身、釈迦坊主さんのファンだったので、うれしい気持ちと、しっかりカマさないとという部分で緊張もありました。ビートがドリルだったのにもビックリだったし、バッチリでしたね。
リリックの内容はオレのことを知らないひとも多いと思うから、まずは自己紹介という感じで。いちばん気に入ってるのは“My cells don't obey me/また誰かのせいに/現実から目を背けたやつからすりゃセンシティブ”って部分です。
RASEN EP14

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ラップをはじめたきっかけを教えてください。
高校の隣のクラスにいまもいっしょにやってるTAXONってビートメイカーがいて。オレはそのころはラップを知らなくて、TAXONとかほかの友達は『フリースタイルダンジョン』で盛り上がってたから、それがきっかけで番組を観はじめたんです。そこから唾奇さんとかを聴くようになったのかな。高校は千葉の成田だったんですけど、TAXONが“前に成田にサイファーがあったみたいなんだけど、いまはないから新成田サイファーを作ろう”って言ってきて、京成成田駅の裏でサイファーをはじめたんですよね。
で、次の年に隣町の八千代でやってるサイファーに行ったらBonberoがいて。当時からアイツはヤバかったんすけど、そこから親交ができていっしょに曲を作るようになったのが最初。
Tade Dust

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最初は遊びの延長だったんですけど、高校3年のタイミングでいっしょにやってたヤツに“おまえ、いつまでラップやるの? 受験あるじゃん”って言われて、その当時は自分としてもラップがすごく楽しくなってた時期だったから、この1年でちゃんと形にしてラッパーとして生きていきたいと思ったんです。そいつを見返したい気持ちもあったんでしょうね。それでBonberoの家によく行って曲を作って。だんだん結果もついてきて、それで夜猫族のXakimicheleに声をかけてもらったって流れっすね。
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自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
グルーヴ感ですかね。最近になってようやく歌詞を書くときに意識することが増えてきて。それまではノリだけで書いてたんですよね。それじゃ自分のスタイルもうまく表現できなくって。でもBonberoやnomaさんが“Tadeはグルーヴがあるし、まだセンスでやってるからグルーヴ王だよ”って言ってくれたことがあって(笑)。いまは韻を落とすところを考えて言葉を書いてみたり、世のなかの状況をラップでリアルに伝えることを意識してます。それでこそラッパーだと思うし、nomaさんが“ラッパーは言えないことを言わないといけない”って言ってて、ほんとその通りだなと思ってて。
RASEN EP14

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これまで発表した楽曲で、自身の代表曲を挙げるなら?
11月にリリースしたEP『Smartweed 2』の1曲目“Step By Step”ですね。UKの音楽にハマったのはAJ Traceyがきっかけで、Bonberoと“SEKIRO”って曲のMVを撮ったときに、撮影クルーに最近のUKの音楽に詳しいひとがいてAitchとかを教えてもらって。そこからハマっていきましたね。
おかげでUSのラップは今年はほとんど聴いてない。UKのラップを知って韻の踏み方だったり、ラップへの考え方が変わったと思うので出会えてよかったっすね。
RASEN EP14

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影響を受けた人物は?
Central Ceeっていうラッパーが自分の現在のロールモデルです。リリックはもちろん、ファッションやタトゥー、成り上がり方も間違いないしカッコいいなと。
Tade Dust

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今後の予定と将来の展望について教えてください。
現在は夜猫族でアルバムを制作中で、それが来年の春くらいにはリリースできるかなと思います。
いまは世界の裏側にいるひとでもSNSを通してなにをやっているかがわかる時代じゃないですか。だからこそ日本だけの活動じゃ狭すぎると思ってて。将来は海外での活動も視野に入れてます。UKのアーティストともどんどんリンクしたいし、海外のプロデューサーとも最近はよく連絡を取ってることもあり、ワールドワイドなリリースもしたいと思ってます。
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