Ryoyu Kobayashi of Japan seen in Akureyri, Iceland on April, 23, 2024
© Dominik Angerer/Red Bull Content Pool
スキージャンプ

小林陵侑:スキージャンプ世界最長記録が生まれるまで

291mを飛んで世界記録を更新した日本が世界に誇るスキージャンパーのビッグプロジェクトの舞台裏に迫る。
Written by Agata Strausa
読み終わるまで:3分Published on
2024年4月、小林陵侑291mを飛んでスキージャンプ世界最長飛距離を非公式ながら更新した。
小林陵侑の世界最長スキージャンプ:トリビア
  • 専用ジャンプ台を使用した
  • 最大の敵は風と天候だった
  • 2日間ジャンプを続けた
  • 2世紀を超えるスキージャンプ史において、これまでの新記録はすべて数メートル範囲の更新だった
  • つまり37.5mはスキージャンプ史上最大更新幅
  • テイクオフ時の速度は時速107km
  • 滞空時間は8秒
小林にとって、この大偉業には個人的かつ重要な意味があった。すでにレジェンドスキージャンパーのひとりに数えられているこの日本人アスリートは、子どもの頃から自分のスポーツを新しいレベルへ引き上げることを夢見ていたのだ。
「このジャンプは長年の夢でした。昔から誰よりも遠くへ飛びたいと思っていました。この先も限界をプッシュしていきたいです」と小林はコメントしている。
小林の偉業を喜ぶチーム

小林の偉業を喜ぶチーム

© Jón Ragnar Jónsson/Red Bull Content Pool

スキージャンプ世界記録更新には多くの問題が立ちはだかった。最初の問題は、世界最長距離を飛べるジャンプ台が世界のどこにも存在しないことで、小林のチームは自分たちで造成する必要があった。
スキージャンプの専門家の助けを借りながら、チームは世界記録を更新するスキージャンプの仕組みを学び、そのための正しいスロープ、角度、長さを見極めていった。そしていくつもの計算とモデリングのあと、小林のチームはそれが設置できるパーフェクトなロケーションを探し始め、最終的にアイスランド・アークレイリを見つけ出した。
アークレイリ入りした小林のチームは2ヶ月をかけて12万㎥以上の雪を動かして山の斜面にスキージャンプ台を造成。そのジャンプ台は標高1,115mからスタートし、最大斜角36度・標高差360mを下っていく。
多大な努力が注ぎ込まれた

多大な努力が注ぎ込まれた

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

小林は4月23日からジャンプを始め、256m、259m、282mと連続で世界記録を更新していった。しかし、彼はもっと大きな結果を狙っていた。そのため、4月24日291mを飛んだ瞬間は非常にエモーショナルだった。
小林の世界記録挑戦のコーチを担ったヤンネ・ヴァータイネンは次のようにコメントした。「クレイジーな2日間でした。色々な考えが頭を巡っていますが、とにかく今回このような結果が出たことは素晴らしく最高です。最初のジャンプではどうなるかまったく分かりませんでしたが、終わるまでに本当に様々な感情を味わいました」
小林陵侑のジャンプ

小林陵侑のジャンプ

© Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

01

スキージャンプ世界最長記録

2024年4月、小林陵侑は291mを飛び、それまでのスキージャンプ世界最長記録を37.5mも上回った。
このときまではスキージャンプ世界最長記録はオーストリア人レジェンドスキージャンパーのシュテファン・クラフトが2017年にノルウェー・ヴィケルスンで開催された公式大会で飛んだ253.5mが世界記録だった。小林はクラフトとは異なり、オフシーズンに自作した専用スキージャンプ台で記録を更新した。
02

世界最大スキージャンプ台

世界記録更新のために小林陵侑のチームが造成したスキージャンプ台は通常の大会で使用されるものよりも大きかったが、アイスランド北部に位置するアークレイリに配置できることが判明し、特大サイズのスキージャンプ台が造成・配置された。
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