フォーミュラレーシング
SUPER FORMULA完全ガイド:F1比較編
レーシングドライバーの岩佐歩夢、レッドブル、Motorsport.comがタッグを組んで届けるSUPER FORMULA完全ガイド。ルール、マシン、戦略、ドライバーの見どころを基礎から分かりやすく解説。
日本最高峰のフォーミュラカーレース『SUPER FORMULA(スーパーフォーミュラ)』は、世界最高峰レースのF1とは何が違うのか? 2025年のスーパーフォーミュラ年間チャンピオン岩佐歩夢の解説も交えながら、F1とスーパーフォーミュラの違いについて紐解いていく。
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記事の内容まとめ
Q&A
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F1とスーパーフォーミュラって同じじゃないの?
F1とスーパーフォーミュラは、共に『フォーミュラカー』と呼ばれる、タイヤむき出しの屋根なし1人乗りレーシングカーを使って行われるレースであることは同じですが、全く別の選手権です。
フォーミュラカーレースは世界各国で開催されていますが、スーパーフォーミュラは日本最高峰、そしてアジア最高峰に位置するレースシリーズであり、世界でも有数の競技レベルを誇ります。
一方、フォーミュラカーレースの頂点に位置するのが『FIAフォーミュラ1世界選手権』。一般的に「F1」と呼ばれているのは、この世界最高峰のレースシリーズのことです。そしてフォーミュラカーレースの頂点、自動車レースの頂点に位置する『フォーミュラ1世界選手権』こそが、巷でも耳にする“F1”の正体です。
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F1とスーパーフォーミュラのレースは何が違う?
スーパーフォーミュラは国内5つのサーキットを舞台に、2026年は全7大会・12レースが開催されます。
一方、世界選手権であるF1は、世界各国のサーキットを転戦します。2026年はオーストラリアで開幕し、中国、日本へと続くスケジュールで、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、中東など、世界各地で年間20レース以上が開催されます。
レースの基本的な流れは共通しており、練習走行から始まり、スタート位置を決める予選を経て、決勝レースへと進みます。一方、決勝レースの長さには違いがあります。スーパーフォーミュラは約180kmを1時間前後で争うのに対し、F1は約300kmを1時間半〜2時間ほどかけて走行します。
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F1とスーパーフォーミュラのマシン、それぞれの特徴
見た目は似ていますが、両者は根本的に大きく異なります。その最大の要素は車両開発の有無です。
スーパーフォーミュラは、全車同じ車体と同等性能のエンジン(トヨタ製、ホンダ製の2種類あり)を使っているため、各車両自体の性能差は基本的にはありません。しかしF1は、車体もパワーユニット(エンジン)もチームやメーカーが独自に製造・改良を行うため、各チームのマシン性能に差があります。
スーパーフォーミュラは「マシンの性能をチームとドライバーが最大限に引き出し、レースでいかに速く走らせるか」の戦いである一方、F1では「いかに速いマシンを生み出せるか」も競争の要素のひとつです。
車両開発のあるF1は、かかるお金の規模感も段違い。スーパーフォーミュラでもチームの年間予算は億単位になると言われていますが、F1の場合は数百億円の世界。それでも近年は年間予算額に上限を設けて、コストが抑えられている方だと言うから驚かされます。
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F1マシンとスーパーフォーミュラマシンの速さはどのくらい違う?
F1マシンは総合的な性能では世界最速のレーシングカーと言って差し支えありませんが、実はスーパーフォーミュラのマシンも、フォーミュラ界では「F1の次に速い」と評されるほど高性能です。
F1とスーパーフォーミュラのレースが両方開催されている鈴鹿サーキットでのラップタイムを比較すると、F1が1分27〜28秒、スーパーフォーミュラが1分36〜37秒と、10秒近い差があります。ただ、F1以外でスーパーフォーミュラよりも速いラップタイムを刻めるレース車両は、現時点では存在しないと言っていいでしょう。
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スーパーフォーミュラのドライバーがF1に参戦することもある?
F1に参戦していたドライバーがスーパーフォーミュラにやってくるケースはそれほど多くありませんが、将来的なF1参戦まであと一歩に迫っている海外の若手ドライバーが、競争レベルの高い場所で腕を磨き、自らの才能を証明するためにスーパーフォーミュラに参戦し、その結果実際にF1デビューを果たした例は少なくありません。
ちなみに、2026年のスーパーフォーミュラ参戦ドライバーの中で唯一F1のレースに出走した経験があるのが、小林可夢偉です。小林は、2012年の日本GPでは日本人最高位タイの3位に入っています。
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F1ドライバーがスーパーフォーミュラに来れば、やっぱり速い?
もちろん、F1ドライバーになる実力のある者がスーパーフォーミュラに来れば、何らかの形で才能の片鱗は見せつけることでしょう。しかしながら、スーパーフォーミュラで必ず活躍できる保証はありません。
それはまず、スーパーフォーミュラがドライバーの腕だけで優劣が決まる個人競技のレースではないからです。確かに使っているマシンは全車同じですが、そのマシンを調整することでいかに極限まで性能を引き出せるかは、チームの力にもかかっています。
また、日本で初めてレースをするドライバーであれば、慣れない日本の環境、サーキット、レースの戦い方などに順応しなければいけません。しかもライバルの中には、日本のレースで長年戦い、サーキットを熟知している猛者も大勢います。F1での経験があるからといって、確実に結果を出せるほど甘い世界ではないのです。
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F1ファンがスーパーフォーミュラを見ても楽しめる?
F1とスーパーフォーミュラは、マシンの形だけではなく、レースの楽しみ方としても似ている部分があります。どちらも1人のドライバーが1〜2時間のレースを戦い切る形式で、「ドライバーvsドライバー」のアツいバトルといった側面が色濃いです。
F1はドキュメンタリー番組等によってドライバーやチームスタッフの個性がフィーチャーされており、その影響で多くのファンを集めていますが、スーパーフォーミュラも“世界最⾼峰のHUMAN MOTORSPORTS”というスローガンを掲げて選手やチームにスポットを当てようとしています。
スーパーフォーミュラは全車共通のマシンを使っているからこそ、レースでドライバーとチームがいかにクオリティの高い仕事をするかが勝敗を分けます。
スーパーフォーミュラでは『SFgo』アプリで各ドライバーの車載カメラ映像が観られるほか、レース中の無線交信も聞くことができ、ドライバーのキャラクターや心情までうかがい知ることができます。F1もスーパーフォーミュラも、応援したいドライバーを見つけることが、レースを楽しむ上で重要なポイントと言えるでしょう。
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監修/協力
岩佐歩夢: 世界を舞台に活躍するレーシングドライバー。2020年にフランスF4選手権を制し、翌2021年にレッドブル・ジュニアチームに加入。FIA F3、FIA F2を経て、2024年からスーパーフォーミュラに参戦。2025年にはシリーズチャンピオンに輝いた。F1のリザーブドライバーとしても経験を積み、さらなる高みを目指して挑戦を続けている。
Motorsport.com 日本版: 世界規模で展開するモータースポーツ専門メディアの日本版(2016年配信開始)。F1をはじめ、MotoGP、スーパーGT、スーパーフォーミュラ、WECなど、国内外のさまざまなレースカテゴリーを網羅。世界各地のジャーナリストによる現地取材や独自の分析を通じて、最新ニュースからレース解説、ドライバーインタビューまで、モータースポーツの魅力を幅広く発信している。