Junior balancing on his fingers, his crewmates are cheering.
© Christian Poschner/Circle Industry
ダンス
ダンスバトル変則フォーマット 7選
全てのダンスバトルが伝統的なバトルフォーマットを採用しているわけではなく、イベントによってはユニークなものが採用されている。ダンスバトルにスパイスを加える変則フォーマットをいくつか紹介しよう!
Written by Emmanuel Adelekun
読み終わるまで:6分Updated on
ブレイキンダンスバトルの多くは、ラウンド数か時間が決まっている、ジャッジ投票制1on1 / クルーバトルだが、このフォーマットにルールを追加したり、独自のフォーマットを考案したりして、フレッシュなダンスバトルを生み出そうとしているイベントやプロモーターもいる。
今回はそのような変則ダンスバトルフォーマットを紹介しよう。
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1:ボニー&クライド / Bonnie & Clyde

ボニー&クライド」は、B-GirlとB-Boyの混合チームの2on2バトルだ。
通常、このフォーマットは、B-GirlはB-Girl、B-BoyはB-Boyとバトルするが、ルールで決められているわけではないので、B-BoyとB-Girlがバトルするのもありだ。名前の通り、各チームがボニー(女性)とクライド(男性)で構成されていればOKだ。
Red Bull BC One 2018でバトルするKateとAmi
Red Bull BC One 2018でバトルするKateとAmi© Dean Treml/Red Bull Content Pool
02

2:セブン・トゥ・スモーク / Seven to Smoke

元々「セブン・トゥ・スモーク」は、ロッテルダム010 B-BoyzGot Skillsの練習セッション用に考案されたフォーマットだった。
しかし、オランダのダンスイベントThe Notorious IBEをオーガナイズしているオランダ人プロモーターTyroneがルールを加え、2002年のThe Notorious IBEで世界初の公式セブン・トゥ・スモークを開催して以来、イベントでも使用されるようになった。
まず、予選通過、または招待で集まったダンサー8人が1列に並び、次に、列の先頭2人が、1ラウンドずつダンスして、ジャッジが勝者を選ぶ。勝利したダンサーは1ポイントを獲得し、そのまま残って、列の次のダンサーと同じく1ラウンドずつバトルする。
負けたダンサーは列の最後尾に残り、次の順番が回ってくるまで待つ。これを繰り返していく。
セブン・トゥ・スモークで優勝を決める方法は3通りある:
  1. 時間制限。25分で終了し、その時点で最多ポイントを獲得していたダンサーが優勝となる。同ポイントのダンサーが2人いる場合は、優勝決定戦が行われる。また、滅多にないが、同ポイントのダンサーが3人以上の場合は、数分の時間制限を設けるか、伝統的な1on1の総当たり戦を行う。
  2. ひとりで7人抜き。これは、究極の勝ち方と言える。負けることなく連続で7人に勝利した時点でセブン・トゥ・スモークは終了となり、そのダンサーが優勝する。
  3. 7ポイント先取。時間も連勝も関係なく、途中で負けても構わないので、誰よりも先に7ポイントを獲得したダンサーが優勝となる。
実際のセブン・トゥ・スモークを下の映像でチェックしてみよう。
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3:トップロックバトル / Top Rock Battle

トップロックバトルトップロック限定フォーマットで、トップロック(ブレイキンの立ち技)だけがジャッジの対象になる。フットワークやパワームーブ、トリックなど、トップロック以外は全て禁じられており、ジャッジの票を失うことになる。
トップロックからフロアへゴーダウンしてすぐにトップロックへ戻るムーブは認められている。
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4:フットワークバトル / Footwork Battle

フットワークバトルフットワーク限定フォーマットで、フットワークだけがジャッジの対象になる。
こちらもフットワーク以外は全て禁じられており、フリーズやパワームーブをメイクすれば、ジャッジの票を失うことになる。
フットワークを披露するRoxrite
フットワークを披露するRoxrite© Little Shao/Red Bull Content Pool
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5:トリックバトル / Trick Battle

トリックバトルは、誰よりもダイナミックでハイレベルなトリックトリックコンボをメイクしたダンサーが優勝するというフォーマットだ。
ジャッジが用意される時もあれば、オーディエンスがジャッジになり、オーディエンスを最も沸かせたダンサーが勝者に選ばれる時もある。
また、シンプルな1on1の時もあれば、複数のダンサーがベストトリックをひとりずつ披露したあと、ジャッジやオーディエンスによって勝者が決められる時もある。
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6:パワームーブバトル / Power Move Battle

パワームーブバトルは、最もハイレベルなパワームーブパワームーブコンボをメイクしたダンサーが勝利するフォーマットだ。
Battle ProでパワームーブをメイクするLil G
Battle ProでパワームーブをメイクするLil G© Nicolas Jacquemin / Red Bull Content Pool
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7:チェックメイトバトル / Checkmate Battle

チェックメイトバトルは、ブレイキンシーンの中で最も戦略的なバトルフォーマットと言えるだろう。
オーストリアのイベントCircle Industryのプロモーターが考案したこのバトルフォーマットは、基本的には5人チーム制ノックアウトバトルだ。
チェックメイトという名前からも分かる通り、このフォーマットはチェスにインスパイアされており、各クルーの中で、キングをひとりとクイーンひとりを決める。残り3人はポーンとなる。
1on1のバトルのたびに、ジャッジが勝者を決め、敗者はそのバトルから排除される。つまり、バトルに負けたクルーはメンバーがひとり少なくなる。最後のひとりになるまで1on1バトルが続けられる。
実際のバトルを映像でチェック!
さて、チェックメイトバトルは、ただのノックアウトバトルではない。キングとクイーンはそれぞれ特別な力を持っている。
まず、キングは、対戦相手から好きなメンバーを選んでコールアウト(指名)できる。コールアウトされたメンバーは必ずそのキングとバトルしなければならない。つまり、キングは、特定の相手をバトルから排除できるチャンスを有しているのだ。
一方、クイーンは自分のラウンドに勝利できれば、すでに排除されているメンバーひとり復活させることができる。しかし、クイーンがバトルに勝っても、その対戦相手の排除はできない。自分のチームの排除されたメンバーを復活させるだけだ。
尚、このフォーマットには15分の時間制限が設けられており、15分が経過した時点で勝敗がついていない場合は、残っているメンバーが多いチームが勝者となる。
チェックメイトバトルで勝利したBC One All Stars
チェックメイトバトルで勝利したBC One All Stars© Christian Poschner/Circle Industry
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Red Bull BC One© Jason Halayko / Red Bull Content Pool
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