とりあえず、まずは以下の文言を脳内で銀河万丈の声で再生していただこう。
「蒐集の果てに辿り着いた物理的限界の境地!
物欲の赴くままに生きた報いを、今こそ蒐集品の輪廻循環という形で果たす!
各界のコレクターが集ってその余剰蒐集品を格安で放出する新世紀型趣味的スワップミート、それがバリュードリモアである!」
これは今回レポートさせて頂く『バリュードリモア』のフライヤーにかかれたコピーであり、コンセプトそのものを表している。そして早めに言っておくが、『バリュードリモア』の主催者は他でもない筆者である。
何故こういったイベントを主催することになったかと言えば、コレクションを理想的な形で手放したかった、というのが大きい。その手放すコレクションが世間一般的に価値のある物であれば、処分方法も多岐に渡るし、それ相応の見返りを得られるだろう。
しかしそのコレクションがあまりにもニッチな世界の物だった場合、世間的にはそれは"ガラクタ"として扱われてしまう。
こちらがカネとアシを使って世界中からかき集めたアレやコレが、買取先では価値を理解されず、二足三文で買い叩かれるか、最悪の場合買取不可として戻されてしまうのは、物に愛を注いできたコレクターとしては耐えられない。
ならば、そのニッチなコレクションの売り買いの場を自前で設けよう、と始まったのが『バリュードリモア』なのである。
ちなみにこの有名女優(ドリュー・バリモア)の名前をアナグラムにした『バリュードリモア』というタイトルは、筆者が連載を持っていたDVD付きゲーム雑誌『ファミ通WaveDVD』(現在廃刊)の映像ディレクター、秋山ヨースケ君が発案者。「なんか突然名前だけ思いついちゃったんスよ」とのことで、いつか"買い物企画"などで同誌で使えないかと温めていたのだが、雑誌はあえなく2011年に廃刊。しかし秀逸な名前なので、フリマイベント名として頂戴した次第だ。
『バリュードリモア』の開催は今回が2回目で、2017年7月8日、9日の2日間開催。前回は2014年秋の開催だったので3年ぶりの開催となってしまったのだが、その分今回は強力なコレクター達が集結。いずれも"洋ゲー"と呼ばれる海外製ゲームを中心に、そこから派生する様々なカルチャーに精通しており、商品ラインアップもフリマの枠を超えたマニアックな物が勢揃いした。
とにかく『バリュードリモア』は、そこに並んだ商品を見てもらえばその空気感がわかるはず。今回は写真多めでお送りしていくことにしよう。
今回の出品者で最大の売り上げを記録したのが、"洋ゲー冒険家"のマスク・ド・UH氏。季節的にTシャツを探していた来場者が多く、そのレア物揃いのラインアップは常に熱い注目を浴びていた。
ゲームハード&ソフトも海外製のレア物が勢揃い。フリーマーケット形式とは言え、これだけのレア物が揃う事もなかなかないだろう。
二人目の出店者は、『バリュードリモア』の名づけ親でもある秋山ヨースケ氏。普段から完全に物欲にヤラれているライフスタイルなので、そのコレクション量、そして今回の持ち込み量は出店者の中で随一。特にトイ系に特化したコレクションとなっている。
そして最後にご紹介するのが、筆者が持ち込んだアイテム。他の二人の出店者がすごい物量だったので今回は少なめにして並べたが、なかなかマニアックなアイテムが目利きのお客さん達に売れていった。
と、ごく一部ではあるが、今回の『バリュードリモア』に並んだ商品を紹介させて頂いた。ここで紹介した殆どの商品は売れており、売った側としても物の価値を理解している人のもとに嫁いだので、そこは非常に良い循環が行えたと思っている。今後もニッチなジャンルのアイテムを、コレクターからコレクターへとダイレクトに繋げるために『バリュードリモア』を開催予定なので、ご期待いただきたい!