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WRC 2022シーズン:ラリー・ジャパン展望
ワールドチャンピオンのカッレ・ロバンペラを擁するToyota Gazoo Racingはホームレースを制して最高のシーズンフィナーレを迎えられるだろうか?
Hyundai Motorsportのエースドライバー、ティエリー・ヌービルはメガネを軽く押し上げると投げかけられた質問について少し考える。彼には答えがある。そして笑顔も。「トヨタを彼らのホームレースで倒せるか? それができれば最高ですね」
世界ラリー選手権ことWRCはシーズンの終わりを迎えつつある。残すはあとひとつ、待望のラリー・ジャパンだ。
2022シーズンはトヨタのシーズン、そしてGR Yaris Rally1を駆るカッレ・ロバンペラのシーズンだった。いくつもの記録を更新してきた22歳のフィンランド人は初タイトルを獲得すると同時にトヨタにマニュファクチャラータイトル連覇をプレゼントしたことで、他のドライバーたちから狙われる存在になった。
「他のチームは僕たちを追ってくるでしょう」と皮肉めいた笑顔でロバンペラが語る。「ラリー・ジャパン優勝を狙ってくるはずです。ですが、僕たちも優勝したいと思っています。僕たちはタイトルのプレッシャーからは解放されているので、リラックスして本気でプッシュできます」
彼の言う通りだ。ラリー・ジャパンは直球勝負になる。全員が同じ立場から挑む直球勝負に。
ラリー・ジャパンの歴史
直近のラリー・ジャパンは2010シーズンだが、このときは今週末の豊田からは遙か離れた場所で開催された。前回は日本の北端、北海道でグラベルラリーとして開催されたのだ。
そして2022シーズンのラリー・ジャパンは愛知県・岐阜県でのオールターマックラリーになる。
「トリッキーなイベントになると思います」ロバンペラが話を続ける。「(WRCラウンドになる前)3年前にここでラリーした経験がありますし、一部のステージを見たこともあります。ワイドでスムーズな路面がある一方、狭隘でダーティーな森林セクションもあります。ラリー前のレッキは難しくなるでしょうね。走り慣れていませんので、かなりの量のペースノートを新たに用意しなければなりません」
では、楽しみにしているのだろうか?
「もちろんですよ! ラリー・ジャパンをようやく走れるので嬉しいです」
“ようやく” ? 日本は2019シーズンのラウンド候補に含まれていたが、最後の最後で外れていた。また、2020シーズンと2021シーズンも開催が予定されていたが、いずれもパンデミックの影響で中止となっていた。そして迎えた2022シーズン、今度は本当に開催される。
前回優勝はオジェ
ホームアドバンテージに加え、トヨタには前回のラリー・ジャパンの優勝ドライバー、セバスチャン・オジェを抱えているというメリットもある。ワールドチャンピオン8回、ラリー・ジャパン優勝1回を誇るレジェンドは日本へ戻って来られたことに興奮を覚えている。
「ここ2年は日本を訪れることができず本当に残念でした。ですので、正直に言えば、今回はかなり大きな興奮を覚えています。私は日本が大好きですし、開催地や日本人、そしてファンの思い出はどれも素晴らしいです。日本でのラリーは2010シーズンしか経験がないですがそのときは優勝しました。勝率100%を維持したいですね」
勝田貴元は優勝候補に数えられるのだろうか? イエスと言って良いだろう。3年前にYaris WRCでセントラルラリー愛知を制している勝田は、他の誰よりも豊田周辺を走った経験を持っている。一部のステージの知識をすでに備えていることに情熱的で有名な日本のラリーファンの大きなサポートを加えれば、29歳の好青年が初優勝を記録するのは十分可能だ。
そうなればトヨタにとって最高のシーズンフィナーレになるだろう。
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