硬くなった関節を柔らかい状態に戻す
© Christian Franco Foto
MTB

1日7分で効果あり! サイクリスト用ストレッチ

MTB(マウンテンバイク)ライダーもロードレーサーも必読! サイクリストの筋肉を常時トップコンディションに保てる5種類のストレッチを紹介する。
Written by Anna Glowinski
読み終わるまで:5分最終更新日:
カテゴリーやバイクの種類を問わず、時間と共に特定の筋肉に張りが出てきて、問題を抱えるようになる。そして、原因を見つけることができず、ただひたすら全身の至る部分に生じる痛みに悩まされてしまうこともある(たとえば、膝の痛みは腰の問題から来ている可能性がある)。
そこで、今回は、あらゆるタイプのバイクを愛するTVプレゼンター兼ジャーナリストのアナ・グローインスキーに協力してもらい、MTBやロードバイクで酷使される筋肉の状態を良好にキープするためのストレッチを紹介してもらうことにした。
アナ・グローインスキー:遅発性筋肉痛(DOMS:delayed onset muscle soreness)や坐骨神経痛、全体的な不快感など、わたしはこれまで数多くのトラブルを経験してきました。そのため、わたしは理学療法士やヨガインストラクター、マッサージ師、コーチ、パーソナルトレーナーなどに相談しながら、長い間、試行錯誤であらゆるルーティンに取り組んできました。ここに紹介するストレッチは、どんな人にも適応するはずです。どんなバイクに乗っていても、どんなライディングスケジュールをこなしていても、これらのストレッチに1日7分間取り組めば筋肉が良好に保たれるので、自分のサイクリングへの好影響が期待できるでしょう。
基本ルール:
  1. 暖かくした環境で行うこと
  2. 最低30秒は姿勢をキープすること
  3. 左右両側の筋肉を均等に伸ばすこと
01

ふくらはぎ

1日7分間のストレッチで良好な筋肉の状態をキープしよう

1日7分間のストレッチで良好な筋肉の状態をキープしよう

© Christian Franco Foto

ふくらはぎの筋肉痛に悩んでいるライダーはかなり多いはずです。バイクに乗っているとふくらはぎは硬くなりやすく、その痛みはすぐに知覚できます。片方の膝を曲げて、こちらの脚のふくらはぎを柔らかくしつつ、もう片方の脚を前に突き出し、かかとを床につけながらつま先を上に向けて伸ばしましょう。自重は膝を曲げた方の脚にかけます。
ふくらはぎの筋肉をもっと伸ばしたい場合は、お尻をぐっと下げてみましょう。これは効果絶大です。
02

大腿部(その1)

ライディング姿勢では脚の筋肉に負荷がかかる

ライディング姿勢では脚の筋肉に負荷がかかる

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ペダリングを繰り返せば、大腿部の筋肉を激しく動かすことになりますが、脚が完全に伸び切ることがなければ、膝を曲げ切ることもないので、この部分の筋肉は硬くなりやすいんです。大腿部のストレッチに関して注意してほしいのは、しっかりと正しいポジションを意識すること。中途半端は禁物です。
片方の脚を持ち上げて、そのまま足の甲のあたりを手でつかみましょう。お尻の筋肉を引き締め、おへそが上を向くようなイメージで背中を伸ばしますが、背中が反らないように注意しましょう。つかんだ脚がもう片方の脚と一直線になるようゆっくりと引き上げます。サイクリングですっかり硬くなった大腿部は、最初は完全に伸ばせないでしょう。最初はできなくても、毎日ストレッチを続ければ伸ばせるようになります。
03

大腿部(その2)

ストレッチは毎日の積み重ねが大事

ストレッチは毎日の積み重ねが大事

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先ほども言ったように、サイクリストの大腿部は酷使されますし、サイクリストが遭遇する筋肉トラブルの多くは大腿部が元凶です。1分間仰向けになるこのストレッチで、大腿部の筋肉をいたわってあげましょう。
両膝を曲げ、片方を胸に引き寄せ、腕を使って膝小僧を肋骨に押し付けてみましょう。大腿部の前側や後側、お尻から膝裏までをしっかりと伸ばすように意識してください。
膝を曲げた脚を動かしてお尻の筋肉を伸ばしたり、股関節周辺をストレッチしたりするのも良いですね。この部位全体はバイクに乗る時に衝撃を受ける場所ですので、適度に動かしてストレッチしておくべきでしょう。
04

腰まわりの筋肉・腹筋

無理なくしっかりと伸ばすことを意識しよう

無理なくしっかりと伸ばすことを意識しよう

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このストレッチは今回紹介する中で最も効果的です。どんなタイプのバイクに乗っていても、背中を前に向けてハンドルバーへ前かがみになる姿勢は共通しているので、背中を丸めて硬くなった背中を逆方向へ伸ばすことは理に適っていると言えます。
床へうつ伏せになり、肩のあたりから両手を床につきます。そのまま上半身を反らして、お尻から下は床に押し付けたままにしておきます。関節から空気が押し出されるので、少し身体がきしむ感じがします。深呼吸して無理なく背中を伸ばしてください。
05

股関節とお尻

硬くなった関節を柔らかい状態に戻す

硬くなった関節を柔らかい状態に戻す

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サイクリストは、脚を上下に動かす運動ばかりを続けて、股関節から大きく動かすことを忘れてしまいがちです。これは不均衡を引き起こしてしまいます。また、ライディングを通じて股関節が圧迫されるので、しっかりと開いて脚に向けて血流を良くしておく必要もあります。お尻の痛みに悩まされる一般ライダーも多いですね。わたしが今回紹介するお尻のストレッチはあらゆるサイクリストにとって有効なはずです。
まず、ごく自然な姿勢で椅子に座ってみてください。片方の脚を持ち上げ、もう片方の太ももの上に置きます。肘と前腕部を使って、上から膝を押し下げてみましょう。すると、まず大腿部の外側(いわゆる腸脛靱帯)が伸び、次にその内側も伸びていくのを感じられるはずです。強く押し下げるのは禁物です。無理なく伸ばしていきましょう。
◆Information
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