Max Verstappen seen during the 24h Nürburgring in Nürburg, Germany on May 15, 2026.
© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool
モータースポーツ

2026年ニュルブルクリンク24時間レース:フェルスタッペンの快走を支えたチームワーク

メルセデスAMGのモータースポーツ部門トップを務めるクリストフ・ザーゲミュラー氏が、ニュル24時間でのチーム・フェルスタッペンの強力なパフォーマンスのカギとなったチームワークについて語った。
Written by Tom Hopkins
読み終わるまで:6分Published on
耐久レースは、マシンに乗り込む4人のドライバーだけで完結するものではない。ニュルブルクリンク24時間レースでは、メルセデスAMGモータースポーツチーム・フェルスタッペン、そしてウィンワード・レーシングのチームスタッフが一丸となってレースウィークエンドを戦った。
メルセデスAMGモータースポーツ責任者を務めるクリストフ・ザーゲミュラー氏が、耐久レースイベントに携わるチームスタッフたちと、レースウィークに向けたそれぞれの役割について説明してくれた。

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「私たちにとって、ニュルブルクリンク24時間はただのレースではありません」とザーゲミュラー氏は切り出す。
「戦略的な準備から、イベントウィークやレースそのもののオペレーションまで、メルセデスAMGモータースポーツの全部門が携わっています」
メルセデス陣営の各チームの全体的なコーディネートは、ステファン・ウェンドルが率いるメルセデスのカスタマー・レーシングチームが主導し、アファルターバッハ・レーシングGmbHが主要な技術インフラと現地サポートを提供して支援している。
耐久レースではドライバーたちやマシン以外にも多くの人が関わっている

耐久レースではドライバーたちやマシン以外にも多くの人が関わっている

© Philip Platzer/Red Bull Content Pool

01

耐久レースにおけるチームワークの重要性

メルセデス陣営の各チームは密接に連携している。ザーゲミュラー氏が統括するチームは常に情報を交換し、戦略の課題における認識を一致させ、必要に応じて常時サポートを提供する。このようなサポート体制は、メルセデスAMGモータースポーツの枠を超えている。
「このようなハイレベルなモータースポーツでは、あらゆる部門が高いプレッシャーの中で密接に連携し、互いを信頼し、認識を完全に一致させることで成功が得られます。結局、全員が勝利という同じ目標に向かって努力しているのです」
チーム・フェルスタッペンは2026年ニュル24時間での優勝を惜しくも逃したが、そのパフォーマンスは非常に鮮烈だった。マックス・フェルスタッペンは際立った存在感を示し、ドライバー交代時に発生したテクニカルトラブルで順位を大幅に落とす残り3時間まで首位をキープした。
最高水準のチームワークと連携を確保すべく、メルセデス陣営の各チームには耐久イベントを成功に導くための明確な役割が定められている。ウィンワード・レーシングはメルセデスAMGチーム・フェルスタッペン・レーシングとメルセデスAMGチーム・ラベノールの2チームのレースオペレーションを担う。
多くのチームスタッフが耐久レースを支えている

多くのチームスタッフが耐久レースを支えている

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

Quotation
明確な責任分担と連絡体制が不可欠です
クリストフ・ザーゲミュラー(メルセデスAMGモータースポーツ責任者)
各マシンには、それぞれにチームプリンシパル、チームマネージャー、エンジニア、メカニックを含む専属クルー体制が敷かれている。各イベントの必要に応じて、理学療法士などのスタッフが帯同する場合もある。24時間耐久レースはモータースポーツの中で最も複雑なカテゴリーのひとつで、ザーゲミュラー氏も説明している通り、明確な責任分担と連絡体制が不可欠だ。
メルセデスAMGモータースポーツのチーム構成も、その理念に則ったものだ。ザーゲミュラー氏は、「メルセデスAMGモータースポーツはフラットな組織を重視しています」と語り、これにより全員がシームレスに連携を取ることができていると続ける。
耐久レースのプランニングと実行にどれほどの労力が費やされ、どれほど多くの人員が携わっているのかを理解することは、ファンにとって重要だ。ドライバーがサーキットにやってきて、マシンに乗り込むだけではレースは成立しない。多様なチームや企業にまたがる数百人規模の人員が関与する、動き続けるひとつの機械なのだ。
02

メルセデスAMGモータースポーツ責任者の役割

ザーゲミュラー氏も、レースウィークエンド中は極めて多忙な時間を過ごしている。フェルスタッペンをはじめとするドライバーたちがサーキットを周回する間も、ザーゲミュラー氏は各チームに寄り添い続ける。
「モータースポーツでは、メディアやスポンサー、ゲスト、オフィシャルなど、無数の人たちが関わっています」とザーゲミュラー氏は語り、さらに続ける。
Quotation
モータースポーツは単なる競争を超えた存在になっています
クリストフ・ザーゲミュラー
「モータースポーツは単なる競技を超えた存在です。ブランドプレゼンス、カスタマーリレーションシップ、パートナーとの連携、モータースポーツ活動の戦略的開発も同等に重要なのです」
サーキット外で行われる活動すべてが重要だ。これらによって、チーム・フェルスタッペンは参戦できている。メディアへの情報発信がチームの参戦をファンに伝える役割を担う一方、パートナー企業との連携はチームの好成績に必要な資金を獲得するスポンサーシップ契約に繋がる。
レースでフェルスタッペンが乗り込むメルセデスを彩っていた多数のスポンサーロゴに気付いたファンも多いはずだが、これらはザーゲミュラー氏をはじめとする舞台裏のスタッフ全員の努力の賜物なのだ。
03

フェルスタッペンが耐久レースシーンにもたらした影響

ザーゲミュラー氏とメルセデス陣営の各チームは、似たような形で業務を進めている。
「私たちは非常に明確なパフォーマンス至上のマインドセット極めてプロフェッショナルな仕事の進め方を共有しています。私が特に高く評価しているのは、目標の共有、細部へのこだわり、そしてこのコラボレーションを定義付ける相互信頼関係です」とザーゲミュラー氏は語る。
ザーゲミュラー氏は、チーム・フェルスタッペンによるサーキット内外での情熱とグループとしての質の高さがなければ今回のプロジェクトは実現しなかったと考えており、「今回のプロジェクトは明らかにフェルスタッペン・レーシングが主導していました」と語る。
ザーゲミュラー氏は「チーム・フェルスタッペンが今回のプロジェクトを主導した」と語る

ザーゲミュラー氏は「チーム・フェルスタッペンが今回のプロジェクトを主導した」と語る

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フェルスタッペンがメルセデスのマシンに好感触を持ったことで、フェルスタッペン・レーシングが2025年末に結成され、2026年にはメルセデスと複数年契約を結んだ。フェルスタッペンは耐久レースでマシンに乗り込むたびに耐久レースのベテランたちにも強い印象を残している。
フェルスタッペンのチームメイトを務めるジュール・グーノンは、PlanetF1に対して次のように語っている。
「マックスは違う惑星からやって来て、僕たちが長年取り組んできた耐久レースの世界にすっかり溶け込んでいます」
チーム・フェルスタッペンのドライバー4人は、ニュル24時間で最高のパフォーマンスを発揮すべく一丸となり、21時間経過時点でレースをリードしていたが、テクニカルトラブルによって終焉を迎えた。
今回のプロジェクトに携わったチームメンバー全員にとって、ニュル24時間は極めて高いレベルが長時間要求される戦いとなった。ザーゲミュラー氏率いるメルセデスAMGモータースポーツは、メルセデス、チーム・フェルスタッペン、そしてウィンワード・レーシングが参戦するどのようなレースでも成功する機会を得るべく努力を重ねている。
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