Red Bull Team ABT at the 53rd ADAC RAVENOL 24h Nürburgring in June 2025.
© Sebastian Kraft/Red Bull Content Pool
Motoring

ニュルブルクリンク24時間レースとは?:特徴・歴史・日程・トリビア

世界最大のモータースポーツイベントのひとつに数えられる “ニュル24耐” は他のイベントとどのように異なるのだろうか? “グリーン・ヘル” として恐れられるドイツの高難度サーキットのすべてをチェック!
Written by Phil Briel
読み終わるまで:11分Published on
20万人を超える観客、全長25kmを超えるサーキット、そして唯一無二のレース。ニュルブルクリンク24時間レースは世界で最も有名かつ高難度なモータースポーツイベントのひとつで、プロチームとアマチュアドライバーたちによる最高のバトルを心待ちにしている世界中のモータースポーツファンを毎年ドイツ・アイフェル地方に集めている。
今回は、この耐久レースの歴史やサーキット記録2026年の詳細情報などをまとめて紹介する。
ニュルブルクリンク24時間レースはRed Bull TVRed Bull MotorsportsのYouTubeチャンネルでライブ配信予定!

ニュルブルクリンク24時間レース概要:

  • 初開催:1970年
  • レーストラック全長:25.378km
  • 参戦台数:最大190台
  • 来場観客数:約28万人(2025年)
  • オープンレギュレーション
  • 2026年開催日程:5月14日〜17日
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ニュルブルクリンク24時間レースとは?

ニュルブルクリンク24時間レースは、ツーリングカーおよびGTカーのための耐久自動車レースで1970年に初開催を迎えた。現在、このレースはニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)とグランプリコースを組み合わせた全長25.378kmのコースを使用しており、この長さから世界最長の常設レーストラックとなっている。
2025年第53回ニュルブルクリンク24時間レースに参戦したアプト・スポーツラインのマシン

2025年第53回ニュルブルクリンク24時間レースに参戦したアプト・スポーツラインのマシン

© ABT Sportsline

そして、ニュルブルクリンク24時間レースにはトップタレントが集まるプロチームに加えて、野心に満ちたアマチュアドライバーたちも参戦している。このような構成は他では見られない独特のものだ。
このような魅力的な特徴から、このレースの観客数と参戦ドライバー数は毎年増えており、2026年に開催される第54回には、F1ワールドチャンピオンに4回輝いているマックス・フェルスタッペンが参戦を表明している。
ノルドシュライフェは特に夜が印象的

ノルドシュライフェは特に夜が印象的

© Sebastian Kraft/Red Bull Content Pool

また、ニュルブルクリンク24時間レースはただのモータースポーツイベントではなく、数日間開催されるフェスティバルでもある。
先ほども述べた通り、観客数は増加傾向にあり、2025年には約28万人が現地観戦を楽しんだ。会場周辺のキャンプサイトは開催週の月曜日からオープンし、レースをより良い環境で観戦するためのやぐらやテントが建てられる。夜間は、ライトを点灯して走行するマシン群とキャンプエリアでの喧騒が、ここでしか体験できないユニークな雰囲気を生み出す。
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“グリーン・ヘル”

ニュルブルクリンクのノルドシュライフェは、世界最高難度のレーストラックとして扱われている。コーナー数170超高低差290m、そして予測不可能な天候が特徴のドイツ・アイフェル地方に位置するこのサーキットでは、ドライバーたちが文字通りすべてを出し切らなければならない。
ニュルブルクリンク24時間レースはこのコースとグランプリコースと組み合わせた全長25.378km(時計回り)のロングコースで開催されている。
カラツィオラ・カルーセル

カラツィオラ・カルーセル

© ABT Sportsline

ノルドシュライフェ:データ

全長(ノルドシュライフェ)

20.832km

最大上り勾配

18%(カラツィオラ・カルーセル〜ホッヘ・アハト)

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ノルドシュライフェは1927年にオープンすると、その個性からすぐに世界で最も有名なレーストラックのひとつとなった。ニュルブルクリンク24時間レースは、このノルドシュライフェ(全長20.832km)とグランプリサーキットを組み合わせたコース(メルセデスアレナは含まれない)を採用している。
ノルドシュライフェとF1:元F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルとデビッド・クルサードがRB7とRB8でノルドシュライフェに挑んだ動画をチェック!
ニュルブルクリンク24時間レース最大のチャレンジのひとつが、アイフェル地方特有の不安定な天候だ。全長が25kmもあるため、あるコーナーが晴れていても、次のセクションでは霧や雨に見舞われる可能性がある。特に夜間は気温が急激に下がる可能性があり、濃霧もレース名物のひとつとなっている。そのため、ドライバーとチームには高い適応能力が求められる。
ニュルブルクリンクという名称は、ノルドシュライフェの敷地内にあるニュルブルク城跡(地名)とリンク(輪・環状)を合成した言葉だ。また、ノルドシュライフェの敷地内には、3つの自治体(クヴィデルバッハ、ヘルシュブロイヒ、ブラオドシャイト)も含まれている。
マックス・フェルスタッペンが2026年にドライブするメルセデス

マックス・フェルスタッペンが2026年にドライブするメルセデス

© Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

ニュルブルクリンク24時間レースは最大190台がスタートし、全台が同時に周回する。これを可能にしているのが、3グループに分かれたローリングスタートで、各グループはセーフティカーのあとについて1周したあとスタートしていく。
1台につきドライバー2〜4名を割り当てることが可能で、ドライバー1名の最長連続ドライブ時間は3時間に設定されている。毎年、約700名のドライバーが参戦している。
“グリーン・ヘル”

“グリーン・ヘル” の由来

元F1ワールドチャンピオンのサー・ジャッキー・スチュワートがノルドシュライフェを “グリーン・ヘル” と表現したことがきっかけ。

1968年

ノルドシュライフェで開催されたF1 1968シーズンのドイツGPが悪夢のようなレースとなったため、スチュワートは “グリーン・ヘル” と表現した。

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ニュルブルクリンク24時間レースは土曜日15時にスタートして日曜日15時に終了する。巨大なレーストラックのため、スタート台数が多くてもレースが開催できている。他のレーストラックでこの台数でのレース開催は不可能だ。
尚、ノルドシュライフェはレースイベントが開催されていない日は誰でも走行できる。ただし、事前認証を受けているクルマのみが走行可能で、走行料金は1周約30ユーロ(約5,490円)となっている。また、世界の多くの自動車メーカーがここでテスト走行を行っている
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ニュルブルクリンク24時間レース:2026年日程

ニュルブルクリンク24時間レースは毎年春に開催されており、54回目となる2026年は5月14日から17日まで開催される。
ニュルブルクリンク24時間レースはRed Bull TVRed Bull MotorsportsのYouTubeチャンネルライブ配信される。
フェルスタッペンは常に新たなチャレンジを追い求めている

フェルスタッペンは常に新たなチャレンジを追い求めている

© Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

レースは2026年5月16日土曜日15時にスタートする。内容は前年とは多少異なり、ADAC 24h Classicが3時間のGerman Historic Endurance Championship(DHLM)に置き換えられる。
ニュルブルクリンク24時間レース 2026 スケジュール

日付

曜日

ハイライト

5月14日

木曜日

予選1&2

5月15日

金曜日

上位予選(3セッション)/ DHLM

5月16日

土曜日

ウォームアップ / レース開始(15時)

5月17日

日曜日

レース終了(15時)

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ニュルブルクリンク24時間レースの歴史

ニュルブルクリンク24時間レースは1970年6月27日・28日に初開催され、BMW2002 TIを駆ったハンス=ヨアヒム・スタック / クレメンス・シケンタンツ組が123周(走行距離2,808km)で優勝した。当初はより本格的な1,000kmレースの安価で手頃な代替レースとして開催され、アマチュアドライバーたちを主な対象にしていた。
1973年はBMW3.0CLSをドライブしたニキ・ラウダ組が優勝。この頃はまだドライバーたちは夜間に8時間の休息を取ることが義務づけられていた。
1983年のニュルブルクリンク24時間レースはニュルブルクリンク改修のため開催されなかったが、翌年には再び数多くのマシンが参戦。1984年以降は、ノルドシュライフェとグランプリコースを組み合わせた現行コースで開催されるようになった。
1996年はサビーネ・レック女性ドライバー初の優勝を記録した歴史的な回となった。レックは翌年にタイトル防衛・連覇に成功した。そして、さらに1年後、今度はBMW 320d史上唯一のディーゼル車優勝を記録して、また新たな歴史が刻まれた。
ニュルブルクリンク24時間レースの常勝チーム、マンタイ・レーシング

ニュルブルクリンク24時間レースの常勝チーム、マンタイ・レーシング

© Manthey

2000年代中頃にGT3マシンが登場すると、ニュルブルクリンク24時間レースは大きく変容した。2003年以降は、ファクトリーチームまたはファクトリーにスポンサードされているチームしか優勝していない。
そのようなチームの中で強豪とされているのが、ポルシェのファクトリーチームであるマンタイ・レーシングで、2006年から2025年までに優勝7回を記録している(最新は2021年)。
ティモ・ベルンハルト、マルク・リープ、リヒャルト・リーツ、ミカエル・クリステンセンなどのトップドライバーたちがマンタイ・レーシングの “Grello” ポルシェ(911号車・ライムグリーンとイエローのカラーリングが特徴)のステアリングホイールを握ってきた。
優勝を喜ぶケルヴィン・ヴァン・デル・リンデ

優勝を喜ぶケルヴィン・ヴァン・デル・リンデ

© Sebastian Kraft/Red Bull Content Pool

2025年の総合優勝はローヴェ・レーシングとBMWで、ケルヴィン・ヴァン・デル・リンデ組がドライブを担った。ヴァン・デル・リンデは通算3勝目を挙げた。
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クラス / マニュファクチャラー

ニュルブルクリンク24時間レースには様々な国・マニュファクチャラーが参戦している。2025年は17メーカー140台が参戦し、参戦台数1位のポルシェは54台を送り込んだ。2位はBMWの32台、3位はアストンマーティンの9台だった。他にもトヨタアウディフォルクスワーゲンメルセデスAMGダチアスバルMINIクプラLynk&Coなどが参戦している。
2025年第53回ニュルブルクリンク24時間レースのスタートシーン

2025年第53回ニュルブルクリンク24時間レースのスタートシーン

© Sebastian Kraft/Red Bull Content Pool

ニュルブルクリンク24時間レースのもうひとつの大きな特徴が、フレキシブルなレギュレーションだ。1999年以降、安全基準を満たしている限り、ほとんどすべてのクルマが参戦可能となっている。そのため、クラスは当然異なるものの、ダッジ・バイパーとオペル・コルサが同時に走行したレースもあった。
クラスは20以上存在し、高性能のGT3クラス(SP3)から市販車に近いツーリングカークラス(VLN)まで設定されている。
参戦には国際運転免許レベルCを取得している必要があり、初参戦の場合は、過去3戦分のVLNのレース結果の提出と、ノルドシュライフェ・パーミット(許可証)の取得を義務づけられる。このようなルールが設けられているため、アマチュアでも安全にレースを楽しむことができる。
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ニュルブルクリンク24時間レース:記録・トリビア

歴代最多勝マニュファクチャラー

BMWはニュルブルクリンク24時間レースで最も多くの勝利を挙げているマニュファクチャラーで、1970年から2025年までに21勝を挙げている。2位はポルシェ(13勝)、3位はアウディ(7勝)となっている。

歴代最多勝ドライバー

ニュルブルクリンク24時間レース歴代最多勝ドライバーは3名おり、5勝ずつで並んでいる。
  • ティモ・ベルンハルト(2006年〜2009年・2011年)
  • ペドロ・ラミー(2001年・2002年・2004年・2005年・2010年)
  • マルセル・ティーマン(2003年・2006年〜2009年)
尚、上記全員がすでに現役を引退している。現役ドライバーで最も多くの勝利を記録しているのはケルヴィン・ヴァン・デル・リンデで、これまでに3勝(2017年・2022年・2025年)を挙げている。

歴代最多勝チーム

歴代最多勝チームはマンタイ・レーシングで、過去7勝を挙げている。2位はアウディスポーツ・チーム・フェニックス(6勝)で、3位はシュニッツァー・モータースポーツ(5勝)となっている。

最長走行距離

ニュルブルクリンク24時間レース最長走行距離は4,111.24kmで、2023年にフリカデリ・レーシングチームがフェラーリ296 GT3で達成した(162周)。2025年は、ローヴェ・レーシングが3,578.30km(141周)を記録して優勝した。
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