Two riders in action at Red Bull TimeLaps.
© Patrik Lundin / Red Bull Content Pool
サイクリング

専門家が教えるFTP向上のヒント

サイクリングフィットネスを飛躍的に向上させるためのヒントを、サイクリング専門スポーツ生理学者に聞いた。
Written by Joseph Caron Dawe
読み終わるまで:4分Published on
サイクリングアスリートは、自分のフィットネスがすでに良好でも、そのさらに上を求める。
その理由は、スポーティブやクリテリウムのイベントが間近に控えているからかもしれないし、単純に次の週末により強く、より長く走りたいからかもしれない。

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理由が何であれ、自分のFTP(Functional Threshold Power)を向上させるという目標は、トレーニングの優れたモチベーションになると同時に、自分のコンディションを示す真のバロメーターになる。
簡単に言えば、FTPとはサイクリストが1時間を通して維持できるパワーをワットに置き換えて表示する計測値だ。
今回は、プロサイクリングコーチで、パフォーマンス分析の専門家でもあるフィリップ・ディーグナーにアドバイスを仰ぎながら、FTP値を向上させ、フィットネスを本当の意味で飛躍させる5つの方法を紹介しよう。

1. 一貫性を保ち、トレーニングルーティンを確立する

自分のトレーニングプランをやり抜こう

自分のトレーニングプランをやり抜こう

© Miles Holden/Red Bull Content Pool

フィリップは「持続的な向上のカギは、トレーニングを長期間続けることです」と切り出す。
ここで重要になってくるのが、「トレーニングに費やせる時間が比較的短いなら、日常生活にフィットしたルーティンを組む」だ。日常生活とどう組み合わせるのかを考えながら、現実的なルーティンを用意しよう。
ルーティンを確立したあとはそれを継続すべきだが、「言うは易く行うは難し」なので頑張ろう。
Quotation
3〜4週間の高負荷トレーニングと、トレーニングの量と負荷を大幅に減らした1週間のリカバリーを組み合わせるのが基本です
フィリップ・ディーグナー

2. ハードで賢いトレーニングを行う

インドアサイクリングで有酸素フィットネスを向上させる

インドアサイクリングで有酸素フィットネスを向上させる

© Getty Images / Red Bull Content Pool

ハードなトレーニングを「常に」ではなく「適切に」行うことで結果を得よう。
フィリップは「重点的なハードなワークアウトは強い刺激を生み出し、フィットネス面、特にFTP値における向上に結実します」と語り、次のように続ける。
自己FTP値の近辺、あるいはそれを適度に超えるレベルでのインターバルトレーニングを1週間に2〜3回行っても構わないが、この数値と頻度は身体に効果が得られ、努力がパフォーマンス向上に繋がる限界値なので注意したい。これ以上ハードに行っても時間の無駄になる。
Quotation
限界値を大幅に超えたインターバルセッションはフィットネス面の向上は得られず、疲労が増すだけです。オーバートレーニングに陥る恐れもあります
フィリップ・ディーグナー
上記のペースでインターバルトレーニングを行うなら、他の日は適度なエンデュランスペース − フィリップ曰く “自己FTP値の70%以下” − でトレーニングを行うべきだ。

3. 休息はトレーニングと等しく重要

トレーニングプログラムの成功には休息が不可欠だが、これには実に多くの根拠がある。
自己FTP値の向上を目的としてトレーニングに取り組む場合、休息時間の設定はプロセスの中心的役割を果たす。
「身体は、2〜3日おきにしっかりと休ませる必要があります」とフィリップは語る。
「ハードなトレーニングでは特にそうですね。身体を休ませることで次のタフなワークアウトへ向かう準備ができます。また、休息することで長期のトレーニングプランを維持できるようになります」

4. ロングライドに取り組む

ロングライドを適当なタイミングで組み込むのは、FTP値を決定づける有酸素系フィットネスの向上に適している。3時間以上のロングライドは、回復力の高い身体とより効率的なエナジーシステムを実現する。
Quotation
月1回のロングライドだけでも、FTP値の向上を促す効果があります
フィリップ・ディーグナー

5. 様々なトレーニングセッションを取り入れる

自分に合うルーティンを見出したあとは、同じワークアウトを繰り返したくなるが、これはNGだ。フィリップは「同じトレーニングセッションを繰り返してしまうと、ごく限られた動作にだけ熟達してしまいます」と説明する。
インターバルの負荷を変化させ、より効果的なトレーニングを心がけよう

インターバルの負荷を変化させ、より効果的なトレーニングを心がけよう

© Ydwer van der Heide / Red Bull Content Pool

これは結果的にフィットネスの頭打ちを招く。フィリップはその原因を「有酸素システムは、異なる刺激を受け、それに対応しようとすることで成長するからです」としている。
Quotation
様々なトレーニングを取り入れることで、月単位、年単位の向上が可能になります
フィリップ・ディーグナー
誰もが陥りがちなこの間違いを避けるための最善の方法は、ワークアウトの負荷時間にバラエティを持たせることだ。
最長20〜30分のインターバルトレーニングに、短時間の高負荷トレーニングや自己FTP値110〜115%程度のHIT(高強度トレーニング:High Intensity Training)を組み合わせれば、フィットネスの向上が明確に実感できるはずだ。