トレッドミル50km世界記録更新からわずか11ヶ月後、フロリアン・ノイシュヴァンダーがさらなる挑戦に成功した。このドイツ人ウルトラランナーは、トレッドミル100kmをわずか6時間26分14秒で完走し、非公式ながらそれまでの世界記録を約13分も上回った。
2021年1月30日午前9時、ドイツ・キームガウのローカルジム内でノイシュヴァンダーは非公式世界記録挑戦をスタートさせた。この挑戦にはZwift(ズイフト)が使用されたため、ノイシュヴァンダーは多くのファンとランナーに支えられながら走ることになった。
Zwiftの活用
ノイシュヴァンダーのファンは、彼の挑戦を自宅からライブストリーミングで楽しむことができた。また、Zwiftにログインすればランニングやバイクライドで彼と並走したり、応援メッセージやスタンプを送ったりできたため、多くのアスリートもこの貴重なチャンスに飛びついた。
たとえば、ドイツ人プロトライアスリートのパトリック・ランゲがバイクで数km並走すれば、同じくドイツ出身のプロトライアスリートのセバスチャン・キーンレと陸上選手のコンスタンツェ・クロスタハルフェがビデオメッセージでノイシュヴァンダーを励ました。
「誰とも交流することなくたったひとりでトレッドミルを100kmも走るのはさすがに無理だと思う。不可能だ。キツくなってくるタイミングでプッシュしてくれる人がいないからね」とノイシュヴァンダーは語っていたが、今回の挑戦はその真逆で、5,000人超がノイシュヴァンダーの挑戦を視聴したり、一緒に走ったりした。
ノイシュヴァンダーは「デジタルサポートはとても重要だった。今回のような超ロングランでは一番大事だ」と続けた。
デジタルサポートはとても重要だった。今回のような超ロングランでは一番大事だ
100kmを振り返る
ノイシュヴァンダーは6時間26分14秒でトレッドミル100kmを完走した。これはそれまでの世界記録保持者マリオ・メンドーサを約13分も上回る記録だった。米国人アスリートのメンドーサは2020年6月にトレッドミル100kmを6時間39分26秒で完走していた。ノイシュヴァンダーは、最初の50kmは楽だったと振り返った。
「60km過ぎから興味深くなっていった。未知の領域だったからね。トレッドミルでこんな距離を走ったことはなかった。今回のようなペースではまず走らない」
トイレ休憩が許されなかったものの、本人は70kmまでは「とても良かった」と続けた。しかし、そこから先が苦しかったようだ。「70kmから85kmが一番厳しかった。メンタルが特に削られた。かなり苦しかった」
今回の挑戦で際立っていたのは、最速ペース3分20秒を記録したラスト1kmだ。ノイシュヴァンダーは「ラスト1kmはコミュニティのおかげだよ。最高だったね!」と振り返った。
世界記録はいつだって嬉しいものだ。たとえ非公式でもね
普通のペース
ノイシュヴァンダーの記録は、3分52秒/kmという驚異的な平均ペースによってもたらされた。「挑戦全体を振り返れば、もちろん異常なペースに思える」とノイシュヴァンダーは語ったが、実は、このペースは本人にとっては至って普通のペースだ。「難しかったのは、このペースを超長距離キープすることだった。コミュニティが僕を限界までプッシュしてくれた。感謝しているよ」
通常のギネス世界記録挑戦では、公式の記録係員が現地で挑戦を視認・記録したあと、世界記録が承認されるのだが、今回の挑戦は厳しい外出制限下で行われたため、記録係員が立ち会えなかった。結果、今回の挑戦は “非公式” 記録として残ることになるが、ノイシュヴァンダーは文句はないとし、次のように続けた。「世界記録はいつだって嬉しいものだ。非公式でもね」
Wings for Life World Run
今回の挑戦はドイツの屋外ランニング100km最速記録にわずか2分及ばなかったが、本人はパフォーマンスに満足している。「今回の記録は素晴らしいと思う。ドイツ屋外ランニング100km最速記録は今年の秋に更新を狙いたいね。その頃にはまた屋外でレースができるようになっていることを祈っているよ」と語ったノイシュヴァンダーは、1994年にカジミエシェ・バクが記録した6時間24分29秒を上回ろうとしている。
ノイシュヴァンダーの当面の目標は、2021年5月9日に開催されるWings for Life World Runだ。世界中の参加者と同じように今年はノイシュヴァンダーもWings for Life World Runアプリ経由での参加になる。ノイシュヴァンダーをはじめとする世界中のトップアスリートやランナーと一緒に走り、脊髄損傷の治療法発見に貢献したい場合は、Wings for Life World Runのウェブサイトから詳細情報や参加登録方法を確認できる。
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