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『Forza Horizon 6』レビュー:すべてがハイクオリティなレーシングゲーム
J-Popが流れる中、エンジンが唸りを上げ、ネオンライトが夜空を照らす… 日本が舞台の『Forza Horizon』シリーズ最新作の特徴と感想をチェック!
ラリーカーが強烈なスピードで急峻なスロープを駆け下り、ヘアピンへ突っ込む。スーパーカーが咆哮を上げながら時速400kmで高速をブッ飛ばす。そしてレイドトラックが勝利を目指して花畑を疾走する。
『Forza Horizon』シリーズが復活し、オープンワールドのゲームプレイをファンが長年待ち望んでいたロケーションに持ち込んだ。最新作『Forza Horizon 6』の舞台は日本だ。本レビューでは、このレーシングゲームを特別にしている要因を解説していく。
01
ゲームプレイ:すべてがハイクオリティ
往年の『Forza Horizon』シリーズファンは、Playground Gamesが手がけるオープンワールドレーシングゲームの特徴を理解している。その特徴とは、バラエティ豊かなゲームプレイだ。
最新作『Forza Horizon 6』はこのような特徴をファンの間で特に人気が高いロケーション、日本に持ち込んだ。“日出ずる国” の圧縮版と言えるバーチャルジャパンは、この国の観光に含まれるべきほとんどすべてで構成されており、東京、富士山、美しい寺社、竹林などが描かれている。
ゲームプレイにおいては、『Forza Horizon 6』はそのルーツを忠実に守っており、中核となるゲームプレイやゲーム内目標はこれまでと大きな変化がない。そのため、シリーズのファンは親しみを感じるだろう。しかしながら、シリーズ第6作に相当する本作にエキサイティングな新機能が存在しないわけではない。
『Forza Horizon 6』では “やれないことがない” に等しい。エアロバティック機と派手なレースを楽しみたい? 答えは “イエス” だ。実写版『ONE PIECE』のような壮大なサウンドトラックを聞きながらバトルをしたい? ネタバレはやめておくが、アニメファンが歓喜することは約束できる。では、スキーリゾートのゲレンデでレースをするのはどうだろう?
筆者が伝えたいのは、『Forza Horizon 6』のイベントの多様さはとにかく素晴らしいということだ。シングルプレイヤー用に用意されている約100のフェスティバルイベントのひとつひとつが最高だ。しかもまだマルチプレイヤーとオープンワールドも丸々残っている。
02
日本探検
開発チームが『Forza Horizon 6』で実現したビジュアルとゲームプレイの多様さと風景の美しさは比類ないレベルに達している。特筆すべきは10地域に分かれているゲーム内世界で、『Forza Horizon 5』のメキシコまたは『Forza Horizon 4』の英国とは一線を画している。
マップ西側の霧に包まれた《島ノ山地域》の美しさに息を呑み、内陸部の《南野地域》の美しい花畑に見惚れ、東部の《伊東地域》の絵に描いたような寺社を探索する… 筆者が伝えたいのは、『Forza Horizon 6』はシリーズ史上最も多様かつ美しいマップを備えており、約700本の道路(およびその間の区域)を1本ずつ巡っていくドライブは単純に最高ということだ。
高い自由度より上手く構成されたゲーミングエクスペリエンスを好むなら、今作で新たに用意された《デイトリップ》が良い選択肢になる。このモードでは、ゲーム内世界をガイドに先導されて巡りながら、日本と日本文化について学ぶことができる。ここでは「ビデオゲームは悪」というイメージはまったく通用しない。
繰り返しになるが、『Forza Horizon 6』の “バーチャルジャパン” は眼福だ。特筆すべきは季節の移ろいで、ゲーム内世界を完全に変えてくれる。プレビュー版の春でも楽しめた桜は、正規版では初夏の訪れとともに消えていく。秋や冬ももちろん楽しみにしてもらって問題ない。
03
アーケードレーシング
『Forza Horizon 6』も過去の『Forza Horizon』シリーズと同じくクラシックなアーケードレーシングゲームだが、本作ではしっかりとした手応えを感じることができる。難易度を「標準」(9段階で選択可能)に設定すると、AI操作のライバルマシンはスタート直後から激しく攻めてくる。難易度をこの辺りに設定していれば、フラストレーションを感じることなく手応えのあるレースを楽しめるはずだ。
しかし、さらに重要な点は、地形がハンドリングに与える影響だ。ぬかるみ、水たまり、アスファルト、砂地はそれぞれ異なるグリップが設定されており、ドライビングフィールに直接影響してくる。狭隘なカーブが続く峠は今作で初めて収録された地形で、ドリフトファンを中心に多くのプレイヤーが魅力的に感じるはずだ。
本作ではAIが大幅に向上している。悪名高い “ラバーバンド”(プレイヤーがリードを築けばAIが差を詰めてきて、プレイヤーが遅れればAIも減速する機能)が大幅に削除されており、シングルプレイヤーのレースの緊張感が大幅に向上している。
ドラッグレースファンならリアルなローンチコントロールが特徴の《ドラッグミート》やマルチプレイヤーモードが充実している《タイムアタックサーキット》を楽しめるだろう。さらに本格的なレースが楽しみたいプレイヤーなら、《スペックレース》がパーフェクトな選択肢になる。このモードでは、全プレイヤーが同じマシンをドライブするため、純粋なドライビングスキルが勝敗を分ける。
『Forza Horizon 6』はあらゆるタイプのプレイヤーに適切なチャレンジを用意しており、それらすべてをひとつの素晴らしいパッケージにまとめている。
04
やれることは無限
レースやイベントにはそこまで興味がないプレイヤーにも、バーチャルジャパンは十分すぎる数のアクティビティを用意しており、ドラッグレースやタイムトライアル、『Need for Speed』シリーズを彷彿とさせるドリフトセクション、ジャンプセクション、スピードトラップが楽しめる。
また、マップを探索していくと、フルカスタムされたアフターマーケットマシンにも出会える。これらは比較的安価で、すぐにドライブすることができる。
さらには全マップに合計200種類の地域マスコットが隠されており、枝豆やおにぎり、おだんご、カレーライスなどの姿をしているそれらのマスコットは典型的な『Forza Horizon』シリーズのお遊び要素だ。しかし、マスコット1体ごとに5,000クレジット獲得できるので、すべて見つければレースに参加しなくても “億万長者” になることができる。さらにはボーナスボードも200個用意されている。
そして今作には《PRスタント》、《スピードトラップ》、《スピードゾーン》、《ドリフトゾーン》が復活しており、『Forza Horizon』シリーズのベテランファンならすぐに気付くはずだ。
しかし、真のハイライトは《Horizon Rush》だろう。特別なロケーションで楽しめるタイムトライアルで、《ショーケース》を彷彿とさせる。たとえば、宇宙基地で開催されるレースがあれば、Codemastersの『DiRT 2』や『DiRT 3』を思わせるタイトなドリフトレースもある。ここでもバラエティの豊かさと面白さが際立っている。
05
車種・家・私有地
『Forza Horizon 6』は収録車種も素晴らしい。リリース時には550台以上が収録されており、日本の自動車開発の哲学が体現されているレーシングカー、トヨタGR GT 2025プロトタイプも含まれている。また、日本車が大量に含まれており、日産GT-R、マツダMX-5、スバルWRX、トヨタスープラ(1995年式)を含む名車がズラリと並んでいる。
もちろん、他にもヨーロッパのスーパーカーや米国のマッスルカー、さらには『Forza Horizon 5』に収録されていたメルセデスAMG Oneのような『Forza Horizon』シリーズの名車たちも収録されている。そして、珍車・旧車も申し分ない。クレイジーなマシンのドライブは『Forza Horizon』シリーズのゲーミングエクスペリエンスの一部だ。
本作ではエンジンサウンドもいちから見直された。新しい音響モデリングテクノロジ−によってゲーム内世界のサウンドスケープが再現されており、その結果、マシンの各種サウンドはこれまで以上にリアルになっている。ここに最高のサウンドトラックを組み合わせれば、他に類を見ない素晴らしいサウンド環境が整うことになる。
『Forza Horizon 6』はチューニングも楽しい。ボディキット、Forza Aero、ウィンドウのアレンジが新たに可能になった。カスタマイズの幅はさらに広がっているが、アンダーネオンのような凝ったカスタマイズはまだ行うことができない。
そして本作では、初めて自分の家を購入できるようになった。オープンワールド内には8軒用意されており、どのガレージも好みにカスタマイズできるので、タイヤを積み上げた横にネオンライトのヤシの木やプラスティック製の恐竜を飾るのも問題ない。装飾の選択肢は非常に多いが、分類されているので分かりやすい。
そして今作には自分の好みに合わせて道路やジャンプ、ループや建物を配置できる広大な土地 “私有地” も用意されており、モダンと伝統の融合が楽しめる。私有地はプレイヤー同士のシェアとダウンロードに対応している。
06
まとめ:ドライブの楽しさを追求した良作
『Forza Horizon 6』を50〜100時間プレイしてきた筆者は、この作品についていつまでも書くことができる。スキーリフトのボーナスボード… 基地の標識… 最高時速420kmのヘネシー・ヴェノムGTでもまったく相手にならなかった高速道路でのレースなど、ハイライトは枚挙に暇がない。しかし、『Forza Horizon 6』の魅力を理解するためには実際にプレイする必要がある。
『Forza Horizon 6』はファンの期待に応えつつ、そのさらに先も提供してくれる作品だ。そして、日本はシリーズ最高のロケーションだ。非常に美しく、多様なドライビングエクスペリエンスが得られ、その文化も見事に再現されている。新機能とガレージのカスタマイズオプションも、シリーズを通じてこれまで上手く機能してきたゲームプレイのフレームワークに問題なく収まっている。
シリーズの過去作を楽しんできた人はまず落胆しないだろう。一方で、斬新な機能やプレイは存在しない。しかしながら、そのような部分は『Forza Horizon』の特徴ではない。このシリーズはドライブがすべてであり、本作はそこを史上最高レベルに仕上げている。
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