北米版「プレイステーションクラシック」を入手してみた!
© Porno Suzuki
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収録ゲームがこんなに違う! 北米版「プレイステーションクラシック」を入手してみた!

国内版とは収録ゲームが異なる、北米版『プレイステーションクラシック』のプレイレビュー!
Written by ポルノ鈴木
読み終わるまで:6分公開日:
「ミニファミコン」こと『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』が切り開いた、復刻版ミニゲーム機市場は、あっという間に業界のスタンダードとなった。
任天堂はその後『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』を、SNKはモニター内蔵型の『NEOGEO mini』をリリースし、セガも『メガドライブ ミニ(仮称)』の発売を発表。
この"ミニ"なビッグウェーブに乗り遅れてなるかと、ソニーも昨年末に『プレイステーション クラシック』(以下、PSクラシック)を初代プレステと同じ「イチ、ニ、サン」の12月3日に発売した。
日本版PSクラシックのパッケージ。

日本版PSクラシックのパッケージ。

© Sony Interactive Entertainment Inc. All rights reserved.

なお、筆者はこれまで当サイト上でミニファミコン、ミニスーファミ共に北米仕様モデルを紹介してきた(下記、関連ストーリーを参照)。
もちろん今回も筆者の知り合いである、LA在住のゲームGUY、ハイミーさんに北米版PSクラシックの入手を事前に要請。
任天堂モノは発売直後に市場から消え、その後ハイプレミア化が著しかったので、今回のPSクラシックはスムーズに入手できるか気を揉んでいたのだが、発売直前になってハイミーさんからこんなメッセージが届いた。
「北米版PSクラシック、内蔵ソフトの半分近くがPAL版がベースだぞ」と。
北米版PSクラシックのパッケージは日本版とは異なるデザイン。

北米版PSクラシックのパッケージは日本版とは異なるデザイン。

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これはどういうことかというと、初代PSが現役当時はアナログモニターへの接続が前提だったのだが、アナログ時代には3種の放送方式というものがあった。日本やアメリカはNTSC、ヨーロッパ、中東の大半がPAL、フランスやロシアなどがSECAMという方式を採用していた。
今回の話にSECAMは関係無く、ハイミーさんが言う問題は、NTSCとPALの規格の違いについてだった。
NTSCは秒間約30コマの映像を525本の走査線に分割して放送。PALは秒間25コマの映像を625本の走査線に分割して放送していたのだが、このNTSCとPALのコマ数の差が問題だというのだ。
NTSC方式の地域の人たちにとっては、30コマで遊んだゲームが25コマバージョンになってしまうという危惧。
格闘ゲームを本格的にやり込んだ人なら、数フレームによるコマンドの入力差で勝ち負けが決まってしまうというのを実感したことがあるだろうが、ハイミーさんを始めとするディープゲームGUY達にとって、動きがスムーズに感じられなくなるこの5コマの差というのは、許せないことのようだった。
しかし筆者にとって、その描画レートの話はさして大きな問題ではなかった。
この手の復刻ゲーム機でそこまでシビアにゲームを遊ぶかと言ったら、そうではないからだ。
それよりも、北米版PSクラシックは"日本版と収録タイトルが大きく違う"ことのほうが問題だった。
ミニファミコンやミニスーファミの時もそうだったが、日本版と海外版では収録タイトルがかなり異なる。この手のプラグインプレイ方式のゲーム機は後からゲームソフトを追加することはできないので、最初にどんなソフトがバンドルされているかが、購買欲に直結しているともいえるだろう。
そして北米版PSクラシックには、筆者が当時夢中になったゲームがバッチリと収録されていたのだ。
なお、北米版のみに収録されているタイトルは以下の8本だ。

◆北米版PSクラシックのみに収録されているタイトル

『COOL BOARDERS 2』(クールボーダーズ2 Killing Session)

『DESTRUCTION DERBY』(デストラクション・ダービー)

『GRAND THEFT AUTO』(グランド・セフト・オート)

『ODDWORLD:ABE'S ODDYSEE』(エイブ・ア・ゴーゴー)

『RAYMAN』(レイマン)

『SYPHON FILTER』(サイフォンフィルター)

『TOM CLANCY'S RAINBOW SIX』(レインボーシックス)

『TWISTED METAL』(ツイステッドメタル)

そして日本版のみに収録されたタイトルはこの8本。

◆日本版PSクラシックのみに収録されているタイトル

『アークザラッド』

『アークザラッドII』

『ARMORED CORE』

『GRADIUS外伝』

『XI [sai]』

『サガ フロンティア』

『Gダライアス』

『パラサイト・イヴ』

わかりやすく日本版はRPGとシューティングが多めで、北米版は血の気が多めのラインアップ。なかでも初代『GRAND THEFT AUTO』(以下、『GTA』)が目立つ存在だ。ちなみに北米版にのみ収録されているゲームは、どれも過去に日本でも発売されたタイトルでもある。
収録タイトルの兼ね合いで日本版はCEROレーティング"D(17歳以上)"、北米版もESRBレーティングで"MATURE(17歳以上)"となっており、ゲームハードなのに年齢制限があるのも、この手のゲーム内蔵マシンならではの現象だろう。
17歳以上推奨のゲームハードというのも面白い。

17歳以上推奨のゲームハードというのも面白い。

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パッケージ裏には収録タイトルを網羅。

パッケージ裏には収録タイトルを網羅。

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内箱は日本版と共通。

内箱は日本版と共通。

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本体とコントローラも日本版と同デザイン。

本体とコントローラも日本版と同デザイン。

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パッケージデザインが違う以外は、本体などは日本版と北米版で大きな違いは無いが、北米版の型番がSCPH-1000Rなのに対し、日本版の型番はSCPH-1000RJとなる。
北米版は海外各地の輸出モデルと共通なのか、メニュー画面で各国語を選択できるが、その中にはなんと日本語も含まれている。ゲーム内のメッセージは英語のままだが、メニュー画面は日本語化することが可能だ。
メニュー画面は日本語にも対応。

メニュー画面は日本語にも対応。

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後にビデオゲーム史に残る一大シリーズへと発展する、『GTA』の一作目を遊べるのは貴重な機会だ。日本版もシスコンエンタテインメントから発売されたが、いろいろアレンジされていたので、オリジナル版を体験してほしい。
北米版PSクラシックには『GTA』の1作目が収録されている。

北米版PSクラシックには『GTA』の1作目が収録されている。

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また、『デストラクション・ダービー』や『ツイステッドメタル』といった、クルマをブツけ合う系ゲームが多いのも北米版の特徴。『ツイステッドメタル』は画面分割での対戦プレイも可能だ。
『デストラクション・ダービー』。

『デストラクション・ダービー』。

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『ツイステッドメタル』。

『ツイステッドメタル』。

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日本でお馴染みのゲームも、字幕やボイスが英語になるとまた違う味わいになる。画面は『メタルギアソリッド』。

日本でお馴染みのゲームも、字幕やボイスが英語になるとまた違う味わいになる。画面は『メタルギアソリッド』。

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個人的にいちばん面白いと思ったゲームは、『ODDWORLD:ABE'S ODDYSEE』(エイブ・ア・ゴーゴー)。当時ゲームバンク(現:ソフトバンク)が日本版を発売し、秋元康にテーマソングを作らせるなど(作・編曲は後藤次利!)、ド派手な宣伝をしていたため逆に敬遠していたのだが、遊んでみたら傑作だった。
『エイブ・ア・ゴーゴー』。

『エイブ・ア・ゴーゴー』。

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ちなみに今回、北米版PSクラシックの輸入に際し、現地で売っている面白そうなゲームグッズを色々取り寄せたのだが、こんなPS時代のパッケージを模したコースターも買ってみた。
PSクラシックと揃えたスケールかと思ったが、並べてみたら全然違ったし、そもそもPSクラシック未収録タイトルばかりなのであまりリンクしていない商品だったのだが、並べてみたときの空気感は、ご覧の様に悪くない。
PSのゲームパッケージを模したコースターセット。この4タイトルがセットというのが、個人的にツボ。

PSのゲームパッケージを模したコースターセット。この4タイトルがセットというのが、個人的にツボ。

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スケール感は合っていないが、20年前のあの空気感が蘇る組み合わせだ。

スケール感は合っていないが、20年前のあの空気感が蘇る組み合わせだ。

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