Ryoyu Kobayashi of Japan seen in Akureyri, Iceland on April, 24, 2024.
© Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool
スキージャンプ

スキージャンプとは?:トップジャンパーが教える特徴と必要条件

ワールドカップ優勝経験を持つドイツ人スキージャンパーのアンドレアス・ウェリンガーがスキージャンプ競技の特徴や成功に必要な条件などについて教えてくれた。
Written by Henner Thies
読み終わるまで:4分Published on
ワールドカップ優勝経験を持つアンドレアス・ウェリンガーは、スキージャンパーに求められる条件を誰よりもよく知っている。この現在29歳のドイツ人スキージャンパーは、2023-24シーズンのFISスキージャンプワールドカップ総合3位を記録している他、オリンピックメダル3個、世界選手権メダル8個、ワールドカップ8勝を手にしてきた。
今回はウェリンガーにスキージャンプの基本を教えてもらった。
インスブルックでジャンプするウェリンガー

インスブルックでジャンプするウェリンガー

© Juergen Feichter/EXPA/Red Bull Content Pool

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スキージャンプのイメージ

世の中の多くの人が、スキージャンプを正気の沙汰ではないと思っているようです。あそこまで大きなジャンプ台から飛び出して時速約100kmで飛行するというのは、確かにクレイジーかもしれませんが、これがスキージャンプがユニークで特別な理由なのです。
02

スキージャンプの感覚

スキージャンプは最高のフィーリングが得られるスポーツです。本当に空を飛んでいるようなフィーリングが得られることが、このスポーツの大きな魅力のひとつとなっています。
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8分

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スキージャンプを始める時期

理想を言えば、スキージャンプは小さな頃から始めるべきです。なぜなら、このスポーツはゆっくりと着実に成長を重ねていく必要があるからです。
スキージャンパーたちはいきなりラージヒルを飛ぶわけではなく、飛び込み台レベルからスタートします。1mから始まり、3m、5m、10mへと高さを上げていき、最終的にスキージャンプと同レベルの高さを飛ぶようになります。
10歳よりも上の年齢から始めると苦労すると思います。なぜなら、テクニックとメンタルの両面を急いで鍛えて周りに追いつく必要が出てくるからです。
04

スキージャンプの必要条件

《勇気と冷静さ》
スキージャンパーには勇気とより遠くまで飛びたいという強い気持ちが必要です。同時に、自分を限界までプッシュしつつも、絶対に限界以上までいかない冷静さも必要です。なぜなら、スキージャンプではひとつのミスが大怪我に繋がる可能性があるからです。
スキージャンプでは細身ながら強靭な肉体が求められる

スキージャンプでは細身ながら強靭な肉体が求められる

© Jürgen Feichter/Red Bull Content Pool

ジャンプ中にかかるフォースが大きいため、安定感と筋力に優れている必要があります
アンドレアス・ウェリンガー
《筋力・安定・バランス》
スキージャンプでは軽量であるほど良いとされていますので、筋肉に包まれた大柄なスキージャンパーはいません。ですが、安定感と筋力に優れている必要があります。なぜなら、ジャンプ中の私たちにかかるフォースがとても大きいからです。優秀なバランス感覚も求められます。
スキージャンパーたちはそれぞれ自分だけのスタイルを備えており、自分の強みを活かすためのワークアウトに取り組んでいます。
《自分専用のカスタムギア》
スキージャンパーたちのスーツ、ブーツ、スキーは、空力性能を最高まで高めるためにすべてが調和している必要があります。そのため、こららは細部までの微調整が繰り返されています。
05

タイミングとパワーが重要

ジャンプ台が大きくなるほどジャンパーたちに与えられる助走距離が短くなり、得られるスピードが低くなります。つまり、飛距離を出すためには、自分の脚でパワーを生み出しつつ、最高のタイミングで踏み切る必要が出てくるのです。
ほんの少しでもタイミングを誤ってしまえば、踏み切りに失敗して飛距離を伸ばせなくなります。
強靭な脚力とコンマでタイミングを合わせられる能力が長距離飛行には不可欠

強靭な脚力とコンマでタイミングを合わせられる能力が長距離飛行には不可欠

© Limex Images/Red Bull Content Pool

強靭な脚力は着地でも必要

強靭な脚力は着地でも必要

© Limex Images/Red Bull Content Pool

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成功の秘訣

スキージャンプではある程度の “緩み” が求められます。すべてを自分の思い通りにすることは不可能です。身体の動きを調和させることがとにかく重要です。緊張していて、自分のジャンプにすべてを無理矢理詰め込もうとすれば、失敗に終わります。
最も効率の良いジャンプは、スキージャンパーが落ち着いていて、もはや何もしていないように見えるジャンプです。しかし、これこそがスキージャンプでマスターするのが一番難しい部分です。なぜなら、このスポーツに緊張は付きものだからです。
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スキージャンパーのトレーニング方法

ジャンプ台での技術面のトレーニングを除くと、スキージャンパーたちはジムで多くの時間を過ごしています。身に付けたテクニックを正しく行うためにはスピードと筋力が必要になるからです。また、筋肉の協調性と安定感を高めるトレーニングも数多くこなしています。
オーストリアの新星ダニエル・チョフェニヒ

オーストリアの新星ダニエル・チョフェニヒ

© Jürgen Feichter/Red Bull Content Pool

スキージャンプではすべてを自分の思い通りにすることは不可能です。身体の動きを調和させることがとにかく重要です
アンドレアス・ウェリンガー
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バランスがカギ

あとはやはり生活の中でバランスを見出すことが大切です。私の場合は、自然の中へ飛び出して、サーフィンを楽しむようにしています。
サーフィンをすると、完全にスイッチを切り替えて、メンタルが疲労する普段の生活から離れることができます。サーフィンで温暖な土地へ向かうことも助かっています。ドイツの冬は長くて寒いですからね。
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Andreas Wellinger

Andreas Wellinger is a ski jumper from Germany who’s developed a happy knack of winning big medals at major tournaments.

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