Ruaridh Cunningham racing during finals at Lenzerheide DH World Cup on July 9, 2016
© Bartek Woliński
MTB
MTB:ヘルメット購入ガイド
カテゴリーごとに異なるMTBヘルメットの機能と特徴を解説!
Written by Ric McLaughlin
読み終わるまで:5分Published on
MTB関連の他のアイテムと同様、市場には多様な種類のヘルメットが出回っており、それぞれが異なる機能・形状・スタイルを持っている。では、自分に最適なヘルメットとは? 究極を言えば、自分の好みと予算次第だが、今回は各種ヘルメットの特徴を解説して、ヘルメット選びをより簡単にしてみよう。
レイチェル・アサートンはDH用フルフェイスを使用© Yorick Carroux/Red Bull Content Pool
ヘルメットに求める機能は?
馬鹿げた質問に思えるかもしれないが、そんなことはない。まず、バイクに乗って山を高速で駆け下りる際、万が一に備えてしっかりと頭部を保護できる機能は絶対に必要だ。実際、各地のバイクパークではヘルメットの着用を義務付けている。市販されているあらゆるヘルメットは、厳しい耐衝撃テストをクリアしている。
大クラッシュをして、ヘルメットに大きな衝撃を加えたなら、買い換えるべきだ。ヘルメットは1回の衝撃に耐えられるように設計されており、繰り返しの衝撃には耐えられない。大事な頭部を守るために、ヘルメットの使い回しは絶対に避けたい。
また、ヘルメットは前後に風を通す通気性も必要だ。通気性を保たれていれば、装着感が快適に保たれ、汗のにおいもこもらない。現在市販されているMTB用ヘルメットの多くはバイザーも備えているが、これは眩しい太陽光からライダーの目を守り、フロントタイヤの跳ね上げる泥が目に入るのを防いでくれる。

クロスカントリー / トレイル用

Marco Fontana and Manuel Fumic perform at the Cross Country competition in Hafjell, Norway on September 14th.
マルコ・フォンタナ&マヌエル・フミッチ© Lukas Pilz/Red Bull Content Pool
あらゆるMTBヘルメットの中で、クロスカントリー / トレイル用は最軽量だ。多くの通風口を備えた優れたヘルメットとして評価されている。クロスカントリー / トレイル用ヘルメットは、快適な装着感と最大限の通気性が重視されている。
現実では、このヘルメットが我々の大半のニーズを満たしてくれるケースが多い。このヘルメットは、カテゴリーが細分化される前から存在していたMTB用ヘルメットがベースになっている。クロスカントリーに特化された製品は、軽量な素材やリムーバブル仕様のバイザーなど、ロードバイク用ヘルメットの影響がより強く反映されている。

エンデューロ用

マニュアル© Rob Parkin
現在リリースされているMTB用ヘルメットの中で、エンデューロ用ヘルメットは最も人気のあるスタイルだ。形状はクロスカントリー / トレイル用ヘルメットに近いが、後頭部やサイド部分の面積がより広くなっている。クロスカントリー / トレイル用ヘルメットよりやや重いが、保護機能は非常に優秀で、グラビティ系に特化した特徴が詰め込まれている。バイザーやゴーグルバンド用の溝は大型化されており、MIPSなどの最新の保護機能が採用されている製品もある。
MIPSとは?
MIPSは比較的新しいテクノロジーで、危険性の高い回転系の衝撃からライダーを守ってくれる。MIPSはMulti-directional Impact Protection System(多方向衝撃防護システム)の略で、特定のクラッシュによって引き起こされる回転系の衝撃を和らげるスリップ・プレーン・テクノロジー(編注:アウターシェルとインナーライナーとの間に低摩擦性の層を設け、斜めからの衝撃をヘルメットが受けた時には外層と内層とが滑り合うことで頭への衝撃を和らげる構造技術)を採用している。

エンデューロ用(フルフェイス)

Curtis Keene competes at the Enduro World Series in Wicklow, Republic of Ireland, on 15 May, 2016.
カーティス・キーン:2013年Crankworx Enduroにて© Matt Wragg/Red Bull Content Pool
フルフェイスのエンデューロ用ヘルメットは、過去の古いデザインをルーツに持つ新種で、フルフェイスの保護性能とハーフシェルデザインの快適性・軽量性を両立させるというアイディアがベースになっている。GiroのSwitchbladeなどの製品はエンデューロのステージ間で簡単に取り外せるリムーバブル仕様のチンガードを備えている。また、FoxのProFrameは大きな切れ込みを入れて通気性を高めている。

ダウンヒル用(フルフェイス)

ロイク・ブルーニのUCIワールドチャンピオンシップ仕様ヘルメット
ロイク・ブルーニのUCIワールドチャンピオンシップ仕様ヘルメット© Bartek Woliński
頭部を完全に保護してくれるのはフルフェイスタイプで、大半のダウンヒル系バイクパークでは、フルフェイスヘルメットの装着が義務付けられている。当然ながら、ダウンヒル用フルフェイスヘルメットは保護面積の広さが最大の特徴だが、各メーカーは快適性と着脱のしやすさの面でも大きな進歩を遂げている。
多くのビッグブランド製品がMIPSプロテクションを導入しているが、Specializedは、頭部に深刻な怪我を負ったライダーからヘルメットを安全に取り外すための空気注入システムも実用化している。

最適なヘルメットを選ぶには

Luca Shaw and Uncle Sam ready to win World Champs together.
“アンクル・サム” がデザインされたルカ・ショーのヘルメット© Nathan Hughes
MTB関連の他のアイテムを選ぶ時と同じで、ヘルメット選びでも自分がライディングする場所とカテゴリーを正確に見極めておく必要がある。たとえば、一般的なダウンヒルセクションが2本しかない全長25kmの周回コースでライディングするなら、ダウンヒル用フルフェイスヘルメットは選択肢から消えるはずだ。
大半のライダーは、必要に応じてゴーグルも装着できるエンデューロ用ハーフシェルヘルメットで十分だろう。リフトやアップリフトシャトルを備えたバイクパークがホームコースのライダーなら、フルフェイスヘルメットが有力候補になるだろう。

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