—今回のマイクリレーを振り返ってみていかがでしたか?
会ったことないひとたちとサイファーっていう経験もなかなかないんで単純に楽しみでしたね。自分としてはいつも通り曲を作ってるのと近い感じで書けたと思います。地元のノリだったり、自分が思ってることをパフォーマンスできればいいなと思ってたんで、それはできたかなと。〈事務所の推しとかクソ食らっとけ〉ってラインは自分としてはめずらしくストレートに書いた部分でした。特定のだれかに言ってるわけではないっすけど、田舎出身で仲間とずっとやってきたラッパーとして素直に出てきた言葉っす。
—ラップをはじめたきっかけを教えてください。
14歳ごろくらいっすかね。自分は福島出身なんですけど、東日本大震災のあとにテレビで復興に関するドキュメンタリーがあって、そこにラッパーが出ててカッコいいなって思ったのがヒップホップに興味を持ったきっかけだったかもしれない。そこからモノマネみたいな感じでラップしてみたりして、その後、高校2年くらいのときにはじめて地元のクルーのみんなと制作をはじめたんかな。最初はただカッコいい言葉を並べるくらいのもんで、いま聴いたら恥ずかしい感じだったと思います。そこから仙台の先輩とかと会っていろいろ影響受けていったって感じですね。
—これまで発表した楽曲で自身の代表曲を挙げるなら?
いちばん聴かれてるって意味では“BoroBoro”っすかね。自分としては完成した瞬間に高揚感みたいなものを感じる曲が満足いった曲って感じなんですけど、“BoroBoro”に関してはそこまでそういった感覚もなかったんですよね。でも、それがいろんなひとが聴いてる曲になってるんで不思議っちゃあ不思議なんですけど。
—自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
声だったり言葉だと思います。自分らの地元の言葉って汚いんですよ、響き的に。濁点とかも多いし。そういう地元の言葉をそのまま、しかもおなじ田舎出身のひとにも共感できるような歌詞を歌うってことが現状の自分のスタイルなんだと思います。2023年くらいからクルーでの活動が止まって、ひとりでやっていくってなったときあたりからこうなっていったんじゃないかな。声に関してはもともと高い声の発声に憧れてて。っていうかいまも憧れててタバコのタールとかも落としたんすけど、全然無理っすね(笑)。でも、最近は声に関して特徴的って言われることも多いんでやっと好きになってきたって感じです。
—影響を受けた人物は?
世代的にも近いラッパーでいったらWatsonくんっすかね。Watsonくんのほうが1個上なんですけど。ストイックでありのままを歌えるラッパーだし、ひとを惹きつける魅力があるなって思います。
—今後の予定と将来の展望について教えてください。
来年の上旬にはまとまった形で作品が出せるように動いてます。それまでにシングルをいくつかMVも込みで出していこうかなって予定ですね。
長期的な展望でいうと、いつかしっかりとしたスタジオを構えて裏方的な動きもしていきたいと思ってます。若いアーティストにも自分がわかる範囲内ですけど手助けができたらいいなと思ってるので。
👉YELLASOMAインタビュー『地元の言葉で、やっと好きになってきた自分の声で』