フィットネス
World Fitness Projectとは?:もうひとつのフィットネスレースイベント
ワールド・フィットネス・プロジェクトとは何なのだろうか? どのようなフォーマットで誰が参加しているのだろうか? HYROXと並んで世界的人気を獲得しているフィットネスレースの違いと特徴を紹介!
World Fitness Project(WFP)は、フィットネス系競技のあるべき姿に対してフレッシュなアプローチで取り組んでいる新しいフィットネス競技リーグだ。プロアスリートとアマチュアアスリートの両方が参加できるようにデザインされているWFPの各イベントには500人以上が参加しており、エリートパフォーマンスとコミュニティ感のバランスを取ることを目標としている。
WFPはツアーストップ方式を採用しており、シーズンを通じて好成績を残したアスリートたちにプロ契約を用意することでフィットネス系レース / イベントのプロ化を狙っている。
「アスリートから生まれた、アスリートのためのイベント」をスローガンとして掲げるWorld Fitness Projectは、トップアスリートとフィットネスコミュニティの距離を縮めようとしている。また、各イベントは参加者に最高の体験をしてもらうようにデザインされており、参加者はイベントが終了するまで丁重に扱われ、しっかりとしたサポートが受けられる。以下にWFPの概要やHYROXとの違いなどについて解説していこう。
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World Fitness Projectとは?
WFPは元Crossfit Gamesアスリートのウィル・ムーラドがイザベラ&ジャクソン・テリー夫妻とともに創設した。現在、WFPのスポーツディレクターを務めるムーラドは、WFPを "利益よりも参加者、簡便性よりも誠実さ、空虚な名声よりも真の成果を重視しているプラットフォーム" と表現している。
デビューシーズンのWFPは、エリートアスリート40名にプロアスリートとして参加してもらい、各ライブイベントで出場費を支払った。
プロ契約していないアスリートがライブイベントに出場するためにはオンライン予選をクリアする必要がある。
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WFPのカテゴリーは?
WFPの大きなイノベーションのひとつがイベント構造だ。プロ・ディビジョン(Pro Division)では、WFP契約アスリート男女20名ずつがシーズンを通じてポイントとランキングを競い合う。
その下位カテゴリーとしてチャレンジャー・ディビジョン(Challenger Division)が用意されている。このディビジョンのアスリートたちはオンライン予選を突破して、プロたちが出場するライブイベント出場権を得たあと、プロたちと競い合いながら翌シーズンのプロ契約を目指す。
また、他にもコンペティティブ・フィールド(Competitive Field)と呼ばれるコミュニティアスリートたちが参加できるカテゴリーが用意されており、このカテゴリーでは年齢、スキルレベル、チームに細分化される。
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WFPプロアスリート
WFPの基盤となっているのがワールドクラスのパフォーマンスと、ファンクショナルフィットネスシーンを代表するトップアスリートを含むプロアスリートたちだ。WFP 2025シーズンのプロ・ディビジョンには男子20名・女子20名がWFPプロアスリートとしてイベントに参加した。
プロアスリートたちに続くのがチャレンジャーアスリートたちだ。彼らは実力を証明して次のシーズンでのプロ契約を勝ち取りたい新進アスリートたちだ。プロアスリートたちとハングリーなチャレンジャーアスリートたちが同じフィールドで競い合うフォーマットは、シーズンを通じてハイレベルな対決やジャイアントキリング的ストーリーを生み出すことになる。
コペンハーゲンで2025シーズンがフィナーレを迎えたあと、2026シーズンのためのプロ契約が見直された(公式には “プロカードの再配布” と表現される:プロアスリートたちは “プロカードホルダー”と呼ばれている)。
ノア・オールセンを含むトップアスリートたちは複数の理由からイベントを棄権しなければならないときがあったことから、プロ・ディビジョン出場権を失った。しかしながら、このようなアスリートたちは来シーズンにプロ契約を再獲得できるチャンスがある。
WFPが発表した2026シーズンのプロアスリートたちは以下の通り:
男子プロカードホルダー:
- James Sprague(米国)
- Dallin Pepper(米国)
- Ricky Garard(オーストラリア)
- Justin Medeiros(米国)
- Guilherme Malheiros(ブラジル)
- Roman Khrennikov(米国)
- Gui Malheiros(ブラジル)
- Tudor Magda(米国)
- Chandler Smith(米国)
- Jonne Koski(フィンランド)
- Aniol Ekai(スペイン)
- Jack Farlow(カナダ)
- Colton Mertens(米国)
- Jelle Hoste(ベルギー)
- Patrick Vellner(カナダ)
- Travis Mayer(米国)
- Jeffrey Adler(カナダ)
- Ty Jenkins(米国)
- Björgvin Karl Guðmundsson(ノルウェー)
- Chris Ibarra(米国)
- Nate Akermann(米国)
女子プロカードホルダー:
- Laura Horváth(ハンガリー)
- Aimee Cringle(英国)
- Emma Lawson(カナダ)
- Lucy Campbell(英国)
- Arielle Loewen(米国)
- Emma Tall(スウェーデン)
- Brooke Wells(米国)
- Sydney Wells(米国)
- Olivia Kerstetter(米国)
- Anikha Greer(カナダ)
- Andrea Solberg(ノルウェー)
- Lydia Fish(米国)
- Sydney Michalyshen(カナダ)
- Emily Rolfe(カナダ)
- Dani Speegle(米国)
- Hannah Black(米国)
- Manon Angonese(ベルギー)
- Jennifer Muir(英国)
- Oda Lundekvam(ノルウェー)
- Ella Wilksinson(英国)
男子プロカード喪失アスリート:
- Austin Hatfield(米国)
- Noah Ohlsen(米国)
- Samuel Kwant (米国)
- Victor Hoffer(フランス)
- Nick Mathew(米国)
- Luka Đukić(セルビア)
- Colin Bosshard(スイス)
- Tola Morakinyo(米国)
- Tanner Balazs(米国)
- Fabian Beneito Selles(スペイン)
- Jayson Hopper(米国)
- Dani Camacho(スペイン)
- Jay Crouch(オーストラリア)
女子プロカード喪失アスリート:
- Alex Gazan(米国)
- Madeline Sturt(オーストラリア)
- Feeroozeh Saghafi(米国)
- Lexi Neely(米国)
- Vår Thurmann-Moe(ノルウェー)
- Linda Keesman(オランダ)
- Trista Smith(米国)
- Paige Semenza(米国)
- Emily Rethwill(米国)
- Bethany Flores (米国)
- Haley Adams(米国)
- Emma McQuaid(アイルランド)
- Alexis Raptis(米国)
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WFP 2026シーズン日程
WFPの2026シーズンは、オンライン予選・ツアーストップ(2ストップ)・ファイナルの3フェーズで構成されている。
- WFPツアーストップ1(Mexico City Pro):2026年5月1日〜3日 メキシコ・メキシコシティ
- WFPツアーストップ2(Grand Park Pro):2026年8月28日〜30日 米国インディアナ州ウェストフィールド
- WFPファイナル(World Fitness Final):2026年12月17日〜20日 デンマーク・コペンハーゲン
WFPがすでに公式発表している2026シーズンの両ツアーストップには、オープン参加のコンペティティブ・フィールドと男女合計50名が参加するプロ・ディビジョン、合計20チームが参加するエリートチーム・ディビジョンの3カテゴリーで構成される。
プロと各ツアーストップ用予選を通過したチャレンジャーの全員がプロ・ディビジョンに参加する。2026シーズンはツアーストップとファイナルの両方でチャレンジャー・ディビジョンが設定されていない。
ツアーストップとファイナルの前にはオンライン予選が開催される。Mexico City Pro用予選は2026年2月18日〜25日、Grand Park Pro用予選は同年7月1日〜8日、World Fitness Finals用予選は同年9月25日〜30日となっている。
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ポイントフォーマット
WFPはポイント制でシーズンチャンピオンを決めている。1イベントにおけるワークアウト1種類ごとに最大100ポイントまでが割り振られている。イベントの最終順位でイベントポイントの配分が決定する。
プロ・ディビジョン
- 1位:500ポイント
- 2位:485ポイント
- 3位:470ポイント
- 4位〜20位:320ポント
チャレンジャー・ディビジョン
- 1位:250ポイント
- 2位:245ポイント
- 3位:240ポイント
- 4位〜20位:155ポイント
ポイントはシーズンを通じて累積されていく。チャレンジャー・ディビジョンの最上位アスリートはファイナル出場権を獲得し、ファイナルで2026シーズンのプロカードを狙うことができる。ポイント・ワークアウト別ポイント・ルールについてはこちらに詳細が記されている。
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WFPのワークアウト
WFPのワークアウトは、多様なフィットネス能力(筋力・スタミナ・運動神経・パワー・メンタル)をテストするためにデザインされている。ワークアウトの種類はウェブサイトなどのWFPのプラットフォーム経由でイベントの約1ヶ月前に発表されるため、アスリートたちはフィジカルとメンタルの両方をイベント当日に向けて調整することができる。
2025シーズンのツーアストップ1(インディアナポリス)のワークアウト例を紹介しよう:
- ワークアウト1:ランニング600m / リングマッスルアップ6回 / スナッチ6回の合計タイム(制限時間24分)
- ワークアウト6:カロリーロー(男子40カロリー・女子30カロリー)/ ブロック越えバーピー30回 / ダンベルスラスター30回 / (両手でダンベルを持ち、頭上でホールドしながらの)ウォーキングランジ15mの合計タイム(制限時間8分)
ワークアウトのウエイトと基準はプロとチャレンジャーの間で異なる。ツアーストップとファイナルはどちらもアスリートのスキルと戦略が問われる。
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WFPの観戦方法
会場での現地観戦がベストだが、世界中のファンに向けてライブ配信も行われている。
WFPの各イベントはworldfitnessproject.comまたはWFPのYouTubeチャンネルで無料ライブ配信されている。ツアーストップは複数言語の実況に対応しており、スペイン語・フランス語・ポルトガル語・ドイツ語・イタリア語・ロシア語・アラビア語・韓国語で提供されている。どちらのチャンネルも見逃し配信に対応している。
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WFPとHYROXの違い
WFPとHYROXには共通点がいくつかあり、たとえば、どちらもアスリートも持久力と筋力が問われる。しかし、そのアプローチは大きく異なる。
WFPでは、リングマッスルアップ、スナッチ、オリンピックリフトをはじめとする高度なムーブとスキルが必要になるワークアウトを用意されているため、プロとチャレンジャーは経験が豊富なアスリートに適したものとなっている。アクセシビリティはHYROXよりやや低いと言えるだろう。
また、HYROXと同じようにWFPにもランニングが含まれているが、WFPではイベントごとに強度や距離が調整される。一方、HYROXではどのイベントでも1kmラン合計8本という共通フォーマットが採用される。
もうひとつの大きな違いは、WFPのリーグシステムだ。アスリートたちは1イベントの結果ではなく、1シーズンを通じてポイントを累積していく。
一方で、どちらもティア制を採用しており、エリートや新進、アマチュアに分けられている。WFPとHYROXをはじめとするフィットネスイベントは、このジャンルの世界的な人気の裏付けと言えるだろう。
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