ランニング
ようこそ Red Bullへ! 青学駅伝と描く新たな挑戦
4月1日より青学駅伝とレッドブルがパートナーに。ともに挑むこれからと、このチームの魅力、そして、気になる2027年4連覇への抱負を原晋監督に訊ねるウェルカムインタビュー!
日本国内の長距離レースの中でも、知名度・過酷さともにトップレベルの箱根駅伝を3連覇中! 王座に君臨する青山学院大学陸上競技部 長距離ブロック(以下、青学駅伝)がレッドブルのパートナーに。チームを率いる原晋(はら・すすむ)監督がレッドブルとともに切り開く未来とは!?
01
青学駅伝×Red Bullが描く“新しい景色”
地味でツラい駅伝の印象を華やかな世界に変えたい
ーー駅伝は日本発祥のスポーツ。特に箱根駅伝は冬の風物詩と言われるぐらいポピュラーです。
原晋監督(以下、原) 100年以上続く大会ですからね。今では海外からのファンも多く、駅女(駅伝ファンを公言する若い女性)なんてワードも生まれるほど。昔じゃ考えられない人気ぶりです。
ーーたしかに若い応援者の姿が沿道に増えましたよね。最近はランニングブームもあって、実は私もその流れで走り始め、お正月に駅伝を見るようになりました。そういう人もきっと多いと思います。
原 この勢いを加速させたいし、もっと華やかな世界にしていきたいんです。レッドブルはスケートボードやBMX、スキージャンプ、スノーボードなど、さまざまなスポーツをサポートされていますよね。私たちとはまったく異なるジャンルの方たちと新しい取り組みを行うことで、化学反応が生まれて、お互いに成長できるんじゃないかと。すごく楽しみです。
ーーいっしょに駅伝を盛り上げていきましょう! それにしても青学駅伝はなにかと話題になりますよね。
原 いろんなことを仕掛けてますから(笑)。
ーーメディアにどんどん露出するスタンスや、恒例になったユニークな作戦名など、これまでの駅伝のイメージを大きく変えるアクションがいくつもあって。
原 長距離走は地味だしきつい印象がありませんか?「楽しそう」と思ってもらえなければ担い手も世間も離れちゃうので。
ーーまさに革新とエンターテイメント性を駅伝にもたらしたムードメーカー。
原 私たちの精神は「誰もやっていないことをいかにやるか」なので、挑戦心の強いレッドブルとの相性は非常に良さそうですよね。
ーー心強い言葉をありがとうございます!
原 部員たちも今回の取り組みを知ってとても喜んでいましたよ。
ーーそうなんですか!?
原 レッドブルが好きな子多いんですよ。トレーニングや大会が始まる1時間前ぐらいに飲んでいる姿をよく見ます。
ーー常勝軍団の青学駅伝にも飲んでもらえているなんて嬉しいです! 今後レッドブルとチャレンジしてみたいことはありますか?
原 挑戦したいことはたくさんあります。まず直近だと……。いや、まだ詳しくはお話しできないので、タイミングが来たら発表させていただきます!
02
青学駅伝の強さは“自発性”
青学駅伝にイエスマンはいらない! 部員自らが考えて行動できるのが強み
ーーこれからいっしょに歩んでいくにあたり、改めて青学駅伝のことを深く知りたいと思います。まずはどんな強みを持っているのか教えてください!
原 自らで目標を掲げ、その目標に向かって行動できる学生の集まり。自発的であることが強みだと思います。
ーー逆を言えば自発的でなければ活躍できない?
原 「言われたからやりました」では本番でボロが出やすいし難しいでしょうね。自ら考えることに意味があるし、それがモチベーションにもつながる。青学駅伝にイエスマンはいらないんですよ。
ーー部員たちの自信に満ちた表情はそこから生まれているんですね。
原 ここぞという場面はシリアスですけど、普段は私が近くにいようがお構いなしにおちゃらけていますよ(笑)。監督や上級生の前でふざけたり笑ったりするって意外と難しかったりするでしょう?
ーー自分が下級生なら緊張しちゃいそうです。
原 入部したての学生は特に驚きます。その理由は、陸上の伝統校の中には指導者の前で笑ってはいけない風習が残っていたりするから。時代錯誤もいいところですけどね。
ーー学生の中にはそれが常識だと思って育ってきた子がいるわけですか。
原 そう。雨の日の練習中、濡れないようにキャップを被っている学生が私の話を聞くときだけわざわざ取るとか。「今日の常識は明日の非常識」とよく口にするんですけど、形だけのしきたりは早くなくしたほうがいい。
ーー部員たちが寮生活なこともあって厳しい規律があるのかと思っていました。
原 体育会系の部に所属する学生の寮生活は点呼制が主流ですがうちにはないですし、SNSの発信も本人の判断に任せています。
ーー全部が「自ら考えて行動できる」につながりますね。
原 私から学生に伝えるのは「嘘をついたりごまかしたりするな」、「誰かを裏切るようなことはするな」といった、人として当然の内容がほとんど。特別なことは求めていません。
ーー当たり前のことをしっかりやる。これが簡単なようで難しい......。
原 生活面でも競技面でも、当たり前のことができていないときにミスが起こりやすい。だからこそ普段からの心がけが大切なんです。
ーーミスをした学生に対して怒りますか?
原 もちろん。一番頭にくるのは、寮の出入り口にかけてある「外出板」をひっくり返さないこと。何回言っても忘れる学生がいます。
ーー初歩的なことですけど、うっかり忘れてしまう学生は多そうですね。
原 そのくらい簡単なことが守れずに、プラスアルファができるわけないんです。当たり前をコツコツと積み重ねていく。その繰り返しが今の結果につながっています。
03
原晋流! 成長メソッド
チームの成長は理念を共有することから始まる
ーー青学駅伝の強さの源は個々の自発性。とはいえ駅伝は複数のランナーで襷(たすき)をつなげる団体競技。今年で監督就任22年目、名指導者である原監督がチームをどう成長させてきたのか気になります。ぜひ成長のポイントについてもお聞きしたいです。
原 じゃあまず、チームをまとめるために最も必要なことはなんだと思いますか?
ーーリーダーシップとか?
原 それも大切ですけど、最初にやるべきことは「理念の共有」なんですよ。
ーー理念の共有!? なんだか難しそうですが、青学駅伝が共有している理念とは?
原 「駅伝を通じて社会に役立つ人材を育成する」です。シンプルでしょう? これをさらにわかりやすく噛み砕きながら学生たちに伝えていくんです。
ーー走力を高めるためのテクニカルな面は指導しないんですか?
原 もちろん指導しますけど、1から10まで細かく伝えたりはしません。教えるのはコーチや上級生にもできますしね。監督の私がやるべきことは、考えの元となるフレームを作ってあげることです。
ーーフレームがあるとないで、学生はどう変わるんでしょうか?
原 フレームは物事をどう捉え、どう解決に向かうか考えるための土台だと思ってください。これが備わると陸上の分野だけでなく、社会でどんな立場や環境にいても対応できる能力がつきます。
ーーなるほど! だから青学駅伝は「部員自らが考えて行動できる」ようになる。
原 そういうことです。あと成長に欠かせないポイントとなるのは「成長五原則」です。「知る」「理解する」「行動する」「定着する」「伝える」を順に経ることで、人やチームは成長していきます。
ーーこれが噂の原晋流成長のメソッド! ということは青学駅伝って将来有望な人材の宝庫......?
原 そうかもしれません(笑)。メソッドつながりで、スポーツの世界でよく使われる「心・技・体」を知っていますか?
ーーはい。3つをバランスよく揃えることでより成長できる、という意味合いを持つ言葉ですよね。
原 私の場合は「技・心・体」のほうがしっくりくるんです。なぜなら、正しい技つまりメソッドの元で行うからこそ健全な心と力が宿り、自信を持って挑むことができるから。
ーー言われてみればたしかに!
原 学生はもっと強くなりたいから青学駅伝に入ります。それを導いてあげるのが私の役目。だから正しいメソッドが必要なんです。
04
箱根を制す“こだわり”とは
2027年は総力戦。箱根への強いこだわりが勝敗を分ける
ーー多くの人が青学駅伝に期待していることといえば、やっぱり箱根駅伝での4連覇。原監督は箱根の大舞台で勝つチームにどんな共通点があると思いますか?
原 2026年は山での決戦、2027年はおそらく平場の区間が鍵。チーム状況や戦略はその年ごとに異なるので、そういった意味では共通点がありません。あるとすれば、箱根に対してどこまでこだわれるかでしょうね。
ーー過去、原監督は箱根駅伝出場前に散髪禁止令を出したことがありましたけど、あれもこだわりですか?
原 そうです。箱根駅伝を控えるチームとして行ったリスク管理のひとつで、どれだけ高い実力があっても大会直前に風邪なんて引いたら勝負になりませんから。
ーーそういった細かいこだわりがチームに勝利を呼ぶ。
原 どんなに強い選手でも常にベストなコンディションは保てません。体調を崩してしまうこともあれば怪我や故障だってあります。それでも「箱根の時期は絶好調でありたい」とこだわれる人間がスタートに立つんです。
ーーこだわりの強い選手は本番にも強そうな気がします。
原 その傾向はあります。体調管理の面をはじめ、こだわるポイントを根本的に理解できている学生は強いレースをします。
ーーやっぱりそうなんですね。
原 運が良かったなんて言葉がありますけど、たまたま箱根駅伝で活躍できる選手なんていやしません。こだわって努力できた人間だけに運は巡ってくるんだと思います。
ーー箱根の山をハイスピードで駆けていく青学駅伝の姿を楽しみにしています。最後に、原監督が考える駅伝の魅力をお願いします!
原 道具を使わずに肉体だけで早さを求める純粋さと、襷でつながる深い絆。個人力とチーム力の両方を楽しめるのが駅伝の魅力です。そして走ることは多くの人にとって経験があるもの。その喜びや苦しさに共感できるからこそ、感動を生むんだと思います。
ーーありがとうございます。冒頭で原監督が話されていた通り、新しいチャレンジやレッドブルを通じたアクションスポーツとの化学反応によって、これまで以上にファンが増えていくことに期待しています! 駅伝とは縁のなかった層にも広がり、沿道の雰囲気にも新しい風が吹くといいですよね。
原 はい、盛り上げていきましょう!