5月7日にユタ州セントジョージで開催されたアイアンマン世界選手権2021(※)で、クリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー)は最後のランで素晴らしい巻き返しを見せ、世界選手権初挑戦でタイトルを獲得した。女子はダニエラ・リフ(スイス)が力強い勝利を飾り、自身5回目となるタイトルを獲得した。
(※:パンデミックの影響による度重なる開催延期・中止を経て、セントジョージでの世界選手権は「2021」を冠して開催された。世界選手権2022は今年10月にハワイ・コナで開催予定)
歴史に残るパフォーマンスを見せたブルンメンフェルトは、1996年のルック・ヴァン・リルデ(ベルギー)以来となる世界選手権デビュー戦優勝を記録した男子トライアスリートとなっただけでなく、アイアンマン世界選手権とオリンピックの両タイトルを同時に保持する世界初のトライアスリートになった。
世界トライアスロンシリーズ(World Triathlon Championship Series)の現王者でもあるブルンメンフェルトは、風邪で世界選手権への参加が不安視されていた。優勝候補に挙げられていた同じくノルウェー出身のグスタフ・イデンが同様の風邪と呼吸器感染症でスタート24時間前に参加を取りやめる中、ブルンメンフェルトはスタートラインにこぎつけた。
前回の世界選手権優勝者ヤン・フロデノ、アリステア・ブラウンリー、そしてハビエル・ゴメスなども不参加だったが、サム・レイドロー(フランス)、ダニエル・ベケゴー(デンマーク)、フロリアン・アンガート(ドイツ)、そしてスイムを得意とするブラッデン・カリー(ニュージーランド)などの強力なライバルたちが依然としてひしめき合っていた。
スイムを10位で終えたブルンメンフェルトは、112マイル(180.2km)の過酷なバイクで力強いパフォーマンスを見せて8位に浮上。トップ集団まで4分26秒差に迫った。
最後のランではカリーが単独トップに立って優勝を視界に捉えたが、これが後方のブルンメンフェルトにペースを上げさせる結果となり、残りわずか9マイル(約14.4km)でブルンメンフェルトがカリーを抜いてトップに立った。
その後、ブルンメンフェルトは目覚ましいペースで後続を引き離し、初挑戦となった世界選手権のマラソンレグを2時間38分1秒でフィニッシュして合計タイム7時間49分16秒で優勝を飾った。2位にはフィニッシュ直前でカリーをかわしたライオネル・サンダース(カナダ)が続いた。
28歳で歴史的偉業を成し遂げたブルンメンフェルトは、フィニッシュ後に次のように語った。
「これまで私が参加した中で最もクレイジーなレースでした。壮大な個人タイムトライアルでしたね。全員がそれぞれの強みを発揮していました。ブラッデン(カリー)には脱帽です。素晴らしいバトルでした」
「当然の結果とは思いません。私が狙っていたのは、自分のベストパフォーマンスを引き出すことだけでした。私は自分のレースをしただけです」
ベケゴーは最終的に7位でフィニッシュした。パワーを削り取る高温と強風のコンディションの中、獲得標高がバイクで7,000フィート(約2,133m)、ランで1,400フィート(約426m)を超えたため、多くの脱落者が確認された。
女子ではダニエラ・リフ(スイス)がカット・マシューズ(英国)に9分近い大差をつける力強いパフォーマンスで5回目のワールドタイトルを獲得し、1カ月前のアイアンマン70.3 オーシャンサイドで喫した大敗によって生まれていた懐疑論者たちを沈黙させた。
スイムでのリフはトップから4分以上遅れの4位に沈んでいたが、バイクでハードプッシュしてマシューズに7分以上のリードを築いた。最後のランでもリフは着実なペースを見せ、合計タイム8時間34分59秒でフィニッシュした。マシューズはアンネ・ハウグから2位の座を守り切った。
34歳のリフは、レースを終えて次のように語った。
「本当に苦しかった数カ月を経て、今日の優勝に結実させることができてとても興奮しています。すごい1日でしたね!」
「スイムは苦戦しましたし、バイクではカット(マシューズ)も私もプッシュしました。バイクに乗りながら "たとえ勝てなくても、今日は楽しめた" と自分に言い聞かせていましたし、レースを楽しむことが何よりも重要でした」
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