般若
© Tasuku Amada
ミュージック

般若インタビュー『TOKONA-Xは、真面目な男だったと思う』

レッドブルがキュレートするマイクリレー《Red Bull RASEN》EP30 参加ラッパーたちのプロファイル ①|DJ RYOW‬‭ が手がけた今回のビートは、2002年にリリースされた名曲「D.O.I. feat. TOKONA-X “EQUIS, EX, X”」がサンプ‬リングされている。伝説のラッパー TOKONA-Xへの思いについても話を聞いた。
Written by Keita Takahashi
読み終わるまで:4分Published on
—今回のマイクリレーを振り返ってみていかがでしたか?
今回はそもそものテーマがあったので、リリックを書き終えたうえで最初にやりたいなと思ったので自分からトップバッターを打診しました。でも一昨日くらいに“これ、自分よりあとのひとがミスしたらまた自分からか”って気づいて、みずからしごかれにいってるなって。後悔です。リリックに関してはもうほんと聴いてもらった通りなんで、それ以上の説明ができなくてすいません。
般若

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—TOKONA-X氏への思いや本人とのエピソードなどあれば教えてください。
彼が亡くなって、時間が止まってもう20年経つんで。まだ彼が生きてたころにいっしょに曲をやろうって約束して、それを果たせなかった気持ちというのがあるんだけど、その後、DJ RYOWを中心にTOKONA-Xというラッパーの存在を風化させないっていう動きをしてくれて、いろいろな局面で誘ってもらえるのはありがたいです。
自分から見たTOKONA-Xという男の印象は真面目なひとというイメージ。もちろん破天荒なエピソードはたくさんありますが、根っこの部分はすごく真面目で。彼、ぼくのことを“すごい”って言ってくれたんですよ、2002年のB-BOYパークのMCバトルで準優勝したときに。それに自分は驚いて。“オレにはそんなことできない”って言ってくれて。素直にそういうことが言える人間なんだなって。
般若

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—現在の日本のヒップホップ・シーンについてはどう考えていますか?
ぼくなんかがどうこう言える規模じゃなくなってるんでね。ヒップホップという音楽に携わる人間がすごく多くなってるわけじゃないですか。自分たちが20代のころなんかぜんぜん食えなかったけど、いまは10代のアーティストでも音楽だけでメシが食えるようになってる。夢があるって思うんですよね。だから自分からああしたほうがいい、こうしたほうがいいっていうのはまったくありません。ぼくみたいな立ち位置ってすごく特殊だとも思うし。自分自身に関しては万人受けするようなものを作れないし、作る気もあんまりないというか。だから参考にもならないし、自分がなにかアドバイスできるようなこともないですよ。
般若

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—影響を受けた人物は?
それは自分の場合、素直に長渕剛という人間になりますね。あのひとの歌が自分にとっての教科書に近いものなので。自分はギターを持たず、ヒップホップという音楽をやっているわけですけど、根底には長渕剛がいます。いまではご縁もあって親交がありますが、いまも、もちろんそれ以前もたくさんのことを教えてくださったと思ってます。
—今後の予定と将来の展望について教えてください。
ぼくの活動はどうでもいいんですよ。興味あったら追ってくれ、くらいの感じで。自分が言えるのはみんな4割から7割くらいの力で生きたほうがいいよってことです。毎日100%なんて絶対出せないんだから。将来に関しては、音楽にどう携わってるかはまったくわからないです。ただ釣りだけして生きてたいなと。限りある人生のなかでどう楽しむかってことだと思いますので。
 
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