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『ストリートファイター6』:コントローラーの種類と選び方
人気対戦格闘ゲームシリーズ最新作『SF6』にはいくつものプレイ方法が存在する。プロプレイヤーたちが使用しているコントローラーをいくつか紹介しよう!
『ストリートファイター6』(以下『スト6』)は2023年にリリースされて以来、世界最高の格闘ゲームの1本という評価を維持している。奥深いゲームプレイ、多様なキャラクター、定期的なアップデート・調整、そして盛り上がっている競技シーンを備えているこのシリーズ最新作をプレイしない手はない。
このタイトルはマルチプラットフォームでリリースされているため、DUALSHOCK4、DualSense、Xboxコントーローラー、PC用ゲームパッドなど自分の好みのコントローラーを使用してプレイできる。重要なのは、自分が好きで自分に合っているプレイ方法を見つけることだ。何しろ、PS1コントローラーでEVOチャンピオンになったプレイヤーもいるのだ!
そこで今回はコントローラー選びで迷っている人のために、トッププレイヤーたちが使用しているコントローラーをいくつか紹介しよう!
01
Big Bird:アーケードコントローラー
Adel “Big Bird” Anoucheについてあらためて紹介する必要はほとんどないだろう。
【Red Bull Kumite 2025】チャンピオンのBig Birdは長年アーケードコントローラー(アケコン / スティック)を使用しているプレイヤーで、『ストリートファイター』シリーズの競技シーンの出自を踏まえると、これは堅実なチョイスと言える。本人はEsports World Cup用のインタビュー内で次のように語っている。
「『ストリートファイター』シリーズをプレイし始めた頃は、地元のアーケードのアーケード筐体でプレイしていました。その頃からずっとアーケードコントローラーを使用しています」
『ストリートファイター』シリーズはアーケードから始まったため、プロプレイヤーの多くも高精度のスティックと6ボタンが配置されている筐体と一緒に成長してきた。
この歴史を受けて『スト6』も6ボタン格闘ゲームになっているため、6ボタンまたは8ボタンのサードパーティ製アーケードコントローラーを使用しているプロプレイヤーは少なくない。また、8ボタンの場合、余ったボタン2個をドライブインパクトや投げなどにアサインすればゲームプレイを向上させることができる。
いずれにせよ、アーケードとの歴史を踏まえれば、アーケードコントローラーでのプレイは “推奨” と言えるだろう。
しかし、一般的なゲームパッドでプレイしてきた人にとってアーケードコントローラーは慣れるまで少し時間がかかる。親指だけではなく手全体を使用するため感覚が異なるからだ。しかし、それぞれの指先で素早くボタンを押せるようになることは多くのプレイヤーにとってアドバンテージになる。
また、移動(方向指定)でもアドバンテージがある。多くのアーケードコントローラーのスティックにはリストリクターゲートが装着されており、スティックの動きを特定の方向に制御できるのだ。
アーケードコントローラーはカスタマイズオプションの多さも魅力だ。多様なボタンやスティック、そして自分の好きなアートワークに交換できるフェイスプレートが備わっているため、自分の好みのカラーリングに交換したり、自分の推しのキャラクターをアピールしたりしているプレイヤーは少なくない。
02
ウメハラ:レバーレスコントローラー
数年前からシェアを伸ばしているのがレバーレスコントローラーで、高速入力が可能なことからアーケードコントローラーからスイッチするプロプレイヤーが増えてきている。
『ストリートファイター』シリーズのレジェンドプレイヤー、ウメハラこと梅原大吾も2019年にアーケードコントローラーからレバーレスコントローラーのHitBoxに切り替えており、その精度と効率の高さを称賛している。ウメハラは、HitBoxはタメ系や空中コンボ系キャラクターに適していると評価している。
レバーレスコントローラーの右側はアーケードコントローラーと同じ6ボタンまたは8ボタンが配置されているが、左側は大きく異なっており、名前の通りレバー(スティック)が存在せず、その代わりにボタン4個が配置されている。スティックを動かすのではなくボタンを押すことで方向入力を行う。
親指での方向キー操作や手首を使ったスティック操作の代わりに指でピアノを弾くようにボタンを押せるレバーレスコントローラーはその分操作スピードが高い。しかし、その速さゆえに、トーナメントではSOCDクリーナーを設定・実装している必要がある。つまり、上下または左右を同時に押したときにどのボタンも優先されないようにする必要があるのだ。
レバーレスコントローラーはその特殊さから批判の対象になったときもあるが、現在はシーンに受け容れられており、メジャートーナメントの上位対戦で確認できる機会も増えている。
03
MenaRD:ゲームパッド
Capcom Cupを2回制しており、EVO 2025の頂点に立ったばかりのSaul Leonardo “MenaRD” Mena IIは、資金がなくても頂点に立てることを証明しているプレイヤーで、コンソールに付属する純正ゲームパッド(PS4時代はDUALSHOCK4 / PS5時代はDualSense)を使用している。
PSシリーズの純正ゲームパッドはほぼ30年近く同じレイアウトが採用されており、ボタン4個・トリガー4個・アナログスティック2本・Dパッドで構成されている。ゲームパッド勢の多くはDパッド(十字キー)を使用しているが、アナログスティックをタメや移動に使用しているプレイヤーもいる。
左手の親指に方向入力を任せつつ、握り方を変えることで様々な攻撃を繰り出せるDualSenseはPS5の付属品だがその有効性は他のコントローラーと変わらない。トリガーを活用して滑らかかつリラックスしたスタイルでこのゲームパッドを操作するMenaRDは、まるで音楽を演奏しているように見える。
先述した通り、『スト6』は6ボタン格闘ゲームだが、DualSenseのボタンは4個なので、ボタン2個がトリガー2個に振り分けられる。『スト6』はこのようなボタンアサインが自由にできるようになっているので、ほぼすべてのゲームパッドで問題なくプレイできる。自分の好みに合わせて設定するだけだ。
04
自分らしさを追求する
『スト6』をどうプレイするかは個人の好みであり、決めるのは自分だ。今回紹介したような様々な選択肢があり、それらの選択肢の中にさらに選択肢が用意されているので、チェック項目が多いのは確かだが、どのコントローラーを選んでも自分に合った設定ができるので、考えすぎる前に試してみるのが良いだろう。
アーケードコントローラーとレバーレスコントローラーはこれまで以上に注目を集めるようになっており、製品数が増えてきているので試しやすい環境になっているが、自分の好みに合わせて選べばOKだ。
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