Tom Evans seen during his stay at APC in Thalgau, Austria on November 8, 2021.
© Markus Berger/Red Bull Content Pool
フィットネス

ランナー用ストレングストレーニング おすすめ10選

5月5日の【Wings For Life World Run 2024】を前に、ウルトラランナーのトム・エヴァンスがランニングパフォーマンスの向上と怪我の予防に繋がる全身ワークアウトを解説してくれた。
Written by Laura Fountain
読み終わるまで:7分最終更新日:
【Wings For Life World Run 2024】の開催が間近に迫っている。レース当日の目標達成の助けになるのはストレングストレーニングだ!
トップウルトラランナーのトム・エヴァンスは壮大な目標を成就させる方法を熟知している。エヴァンスはランナーがストレングス(筋力)を強化することの重要性を理解しており、脚・腕・体幹の筋力を高める全身ワークアウトを伝授してくれた。
目標とするレース距離が5kmあるいは10kmを問わず、今回紹介するストレングストレーニングに取り組めば、どのレベルのランナーも恩恵を得られるはずだ。
「ストレングストレーニングはランナーに絶大な恩恵をもたらします」とエヴァンスは切り出す。「まず、より強い脚はランニングにさらなるパワーを加えます。また、靭帯などの結合組織も強くするので、怪我をしにくくなります」
自重だけのエクササイズからスタートし、筋力がついてきたと感じたらウエイトを使ってみましょう
トム・エヴァンス
また、上半身のストレングス強化もランニング効率を高める可能性がある。エヴァンスは次のように続ける。
「強い体幹があれば、上半身を安定した状態に保てますし、横方向への動きを最小限にして疲れが出始めるレース終盤でより良好なフォームを維持できます」
「また、腕のストレングスを高めれば、腕の振りが向上してストライドにより多くのパワーを送り込めるようになります」

エクササイズの進め方

以下に紹介するワークアウトは脚・腕・体幹のストレングス強化をターゲットにしており、エヴァンスは次のようにアドバイスしている。
「最初は自重だけのエクササイズをスタートし、次第に筋力がついてきたと感じたらウエイトを使ってみましょう。以下のエクササイズを順番に進めていき、セット間に90秒間エクササイズ間に2分間の休息を挟みましょう」
「今回のルーティンを進めるときは、スピードよりも正しいフォームを意識してください。鏡を見る、あるいは他の人に見てもらいながら、正しいフォームでエクササイズを行えているかチェックしましょう」
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01

プレスアップ

エクササイズ1:プレスアップ

エクササイズ1:プレスアップ

© Ben Foxall

レップ:10
セット:2
効果:胸・肩・腕の筋肉を強化し、ランニング時の姿勢と腕の振りを向上させる
  1. 両胸の端あたりで両手を開いて床につき、顔を床に向ける。つま先は床に押し付ける。
  2. 両腕を使って上半身を沈めたあと、押し上げる。身体はまっすぐ伸ばし、首がそらないようにする。
  3. 腕がほぼ伸び切ったら(肘は固定しない)、床ギリギリまで上半身を沈め、再び押し上げる。
02

ダンベル・ロー

エクササイズ2:ダンベル・ロー

エクササイズ2:ダンベル・ロー

© Ben Foxall

レップ:左右12ずつ
セット:2
効果:上背筋を強化し、胸筋とのバランスを取る
  1. 左膝と左手をベンチの上に載せる。上半身は床に対して水平にする。
  2. 右手にダンベルを持ち、右腕を床に向かって伸ばす。
  3. ダンベルを引き上げ、肘を腰のあたりに近づけてキープ。そこからスタートポジションへ戻す。
03

トライセップ・ディップス

エクササイズ3:トライセップ・ディップス

エクササイズ3:トライセップ・ディップス

© Ben Foxall

レップ:12
セット:2
効果:腕・肩の筋肉を強化し、ランニング時の直立姿勢の維持に役立つ
  1. 手のひらをベンチの端あたりに置き、指はベンチの端にかぶせるようにする。
  2. 腕を使って上半身の自重を抜きながら、肘を曲げて上半身を落としていく。腕を使って上半身を元の位置に戻し(脚の力で上半身を持ち上げるのはNG)、同じ動作を繰り返す。
04

ステップアップ

エクササイズ4:ステップアップ

エクササイズ4:ステップアップ

© Ben Foxall

レップ:左右10ずつ
セット:2
効果:脚の主要筋群を強化し、ランニングのパワーを高める
  1. ベンチ、または箱の前に立つ(箱は自重を支えられる強度のものを選ぶこと)。
  2. 片足をベンチに乗せ、後側の脚をベンチの上へ運ぶ。背筋は伸ばしたままで、引き上げる脚の膝をベンチの脚のくるぶしより上まで持って行く。膝を使って脚を引き上げない。尻を前方・斜め上へ運ぶイメージ。
  3. 引き上げる脚はベンチに触れないまま膝を高く上げたあと、床に戻す。
  4. 難度を上げるなら、両手にダンベルを持つ。
05

スクワット

エクササイズ5:スクワット

エクササイズ5:スクワット

© Ben Foxall

レップ:15
セット:2
効果:ランニングで使う主要筋群を強化し、怪我のリスクを減少させる。柔軟性を高めてより速く効率的なストライドを実現する。
  1. 尻の幅より少し広いスタンスで立ち、つま先は少し外側へ向ける。
  2. 重心を下げていき、椅子に座るイメージで膝と腰を曲げていく。
  3. 膝をくるぶしより前でキープしつつ胸を張る。尻を後方に引くイメージ。
  4. 椅子に座る姿勢まで下がったら、かかとから力を入れて全身を引き上げ、直立姿勢に戻る。
  5. 難度を上げるなら、胸の高さでケトルベルを持つか、上背部にバーベルを載せる。
06

ウォーキング・ランジ

エクササイズ6:ウォーキング・ランジ

エクササイズ6:ウォーキング・ランジ

© Ben Foxall

レップ:左右8ずつ
セット:2
効果:片脚立ちのバランスを高め、ランニング時の安定性と筋肉協調性を向上させる。また、ストライドを伸びすのでスピードアップも期待できる。
  1. 両足を肩幅に合わせて置く。
  2. 片脚を大きく前へ踏み出しつつ、身体を引き上げながら後側の膝を床に近づけていく。膝が床につかないようにする。
  3. 踏み出した側の膝をくるぶしよりも前に出しつつ、上半身は立てておく。
  4. 後側の脚で押しながら前側の脚を元の位置に戻し、両脚のかかとを合わせる。
  5. 脚を入れ替えて同じ動作を繰り返す。
  6. 難度を上げるなら、脇に揃えた両手でダンベルを1個ずつ持つ(無理のない重さを選ぶこと)。体幹への刺激を強くしたいなら、両手で胸の前にメディシンボールを抱え、ランジの姿勢を取りながら、両腕をまっすぐ前に突き出し、ボールを頭上に掲げる。直立姿勢に戻りながらボールを胸の前へ戻す。
07

シングルレッグ・デッドリフト

エクササイズ7:シングルレッグ・デッドリフト

エクササイズ7:シングルレッグ・デッドリフト

© Ben Foxall

レップ:左右10ずつ
セット:2
効果:臀筋とハムストリングスを強化してランニングのパワーを高めつつ、安定性を向上させて怪我のリスクを減らす。
  1. 右手にダンベル(またはケトルベル)を持ち、直立姿勢になる。
  2. 左脚を床から離し、後側に伸ばしていく。尻を軸にして前傾しつつ、背中はまっすぐ伸ばし、ダンベルを持った右手を床に向かって伸ばしていく。
  3. 右膝をわずかに曲げながら、尻の位置をキープする。
  4. ダンベルを床につきそうな位置まで運びつつ、背中は水平を意識する。そこから最初のポジションに戻り、ダンベルを左手に持ち替えて同じ動作を繰り返す。
08

スーパーマン / バックエクステンション

エクササイズ8:スーパーマン / バックエクステンション

エクササイズ8:スーパーマン / バックエクステンション

© Ben Foxall

レップ:10
セット:2
効果:上背筋・脊柱起立筋を鍛え、安定性の高い直立したランニングフォームを作る。ランニング効率の向上にも役立つ。
  1. うつ伏せになり、両手を耳の近くに置き、手のひらは床に向ける。
  2. 胸と肩を床から離して持ち上げて、肩甲骨を寄せていく。顔は床に向けたままで、首をそらさない。
  3. 肩を下げて最初のポジションに戻り、同じ動作を繰り返す。
09

グルートブリッジ

エクササイズ9:グルートブリッジ

エクササイズ9:グルートブリッジ

© Ben Foxall

レップ:15
セット:2
効果:大臀筋を集中的に強化し、ランニングでのエンゲージ率を高める。また、骨盤と脚を水平に維持するので、ランニング時の骨盤と胴体を直線で並ばせるのに役立つ。結果的に安定性が高まり、ランニング効率も向上する。
  1. 床に仰向けになり、両腕は脇を閉じて身体の両サイドに添える。手の平と足の裏を床につける。
  2. 尻を床から浮かして、膝・腰・肩で直線を作る。
  3. 両肩は床につけたままで、首に負荷がかかりすぎないようにする。
  4. 尻を浮かした姿勢を2秒キープしたあと、ゆっくりと背中を床に戻す。同じ動作を繰り返す。
  5. 難度を上げるなら、両腕を天井に向かって伸ばす。
10

レッグレイズ

エクササイズ10:レッグレイズ

エクササイズ10:レッグレイズ

© Ben Foxall

レップ:10
セット:2
効果:ランニング時の膝を持ち上げる股関節屈筋を強化する。下腹部も鍛えるため、胴体の安定感が増す。
  1. 床に仰向けになり、両腕は脇につける。
  2. 両脚を揃えたまま、床に対して垂直(無理のない位置)まで持ち上げる。
  3. 次にゆっくりと両脚を下げていくが、床につかないように注意する(2cmほど床から浮かせた位置まで下げる)。同じ動作を繰り返す。
  4. 難度を上げるなら、片脚ずつ行うシングルレッグレイズに切り替える。
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