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ランニング

箱根駅伝の基礎知識|見どころとルールを解説

箱根駅伝とは何か? どんなルールで行われるのか?! 毎年お正月に日本中が熱狂するこの大会について、初めて観る人でも楽しめるよう基礎知識をまとめた。専門用語編と合わせてチェックしてもらいたい。
Written by Keisuke Honda/ Edited by Hisanori Kato
読み終わるまで:8分Published on
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そもそも箱根駅伝って?

1校につき10人の選手が出場

「駅伝」という競技は最初から最後まで1人で走るマラソンと異なり、複数人で襷(たすき)をつなぎながらフィニッシュを目指すチーム競技。箱根駅伝の場合も、出場校は東京から箱根の往復を10人で分担するのがルールになっている。
2026年度の出場校は20校プラス関東学生連合チーム。合計210人のランナーが憧れの舞台に立った。

東京から箱根間を2日に分けて往復

走行コースは、大会初日に行う東京・大手町から箱根・芦ノ湖までの「往路」、2日目に行う箱根・芦ノ湖から東京・大手町までの「復路」の2種類。この往路と復路の合算タイムによって最終的な順位が決定する。
両日ともに、午前8時にスタートして午後2時頃にフィニッシュ。2日間で走る総距離は217.1kmだ。

毎年1月2日と3日に開催

箱根駅伝は1月2日と3日に行われるため、“お正月の風物詩”として広く認知されている。ただ、開催当初からそうだったわけではなく、現在の日程に固定されたのは1956年の第32回大会以降のこと。
その後、1987年にテレビで生中継が始まるとさらに人気に火がつき、瞬く間に高視聴率を叩き出す人気番組へと成長。このときから「箱根駅伝=お正月」のイメージがすっかり浸透した。
ちなみに、お正月に開催するようになったのは交通規制の観点と集客の観点が大きな理由だったと言われている。箱根駅伝のコースは主要幹線道路を使用するため、車両を一時的に通行止めしなければならず、交通量が減るお正月はまさにうってつけだった。
さらに、年明け早々は多くのお店が休業で退屈しやすいタイミング。娯楽を求める人々が沿道に集まることが狙いにあったのだそう。
今年の箱根駅伝の沿道に集まったのは2日間で100万人以上。当時、箱根駅伝を仕掛けた人たちはなかなか鋭い目をしていたのだなと思わず感心してしまう。
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箱根駅伝の見どころ

箱根駅伝の見どころはなんといっても区ごとのデッドヒート。「区」が何を指すのかわからない人のために簡単に説明しておこう。

Day 1 / 1月2日

  • 1区_大手町〜鶴見中継所(21.3km)
  • 2区_鶴見中継所〜戸塚中継所(23.1km)
  • 3区_戸塚中継所〜平塚中継所(21.4km)
  • 4区_平塚中継所〜小田原中継所(20.9km)
  • 5区_小田原中継所〜芦ノ湖(20.8km)

Day 2 / 1月3日

  • 6区_芦ノ湖〜小田原中継所(20.8km)
  • 7区_小田原中継所〜平塚中継所(21.3km)
  • 8区_平塚中継所〜戸塚中継所(21.4km)
  • 9区_戸塚中継所〜鶴見中継所(23.1km)
  • 10区_鶴見中継所〜大手町(23.0km)
上記のように、箱根駅伝は2日間を通して全10区のコースに区切られていて、10人の出場選手が1区ずつ担当することになっている。区間ごとに特徴があって、そこに生まれるドラマもさまざまだが、なかでも盛り上がりがわかりやすいのは往路の2区と5区、復路の6区、9区、10区になる。

箱根駅伝の花形、通称「花の2区」

2区は各校のエースが集結する往路最長区間。また、傾斜のきつい権太坂(ごんたざか)をはじめ、上りと下りを繰り返す難所区間としても有名。歴史に残る「ゴボウ抜き」など、これまでに数々の名シーンが生まれてきた。

「山の神」が降臨する5区

標高差800m以上の山を駆け上がる箱根駅伝きっての最大難所。駅伝ファンやスポーツ関係者の間では「山を制する者が箱根を制す」と言われてきたほど。そんな5区で著しい活躍を見せたランナーに与えられる称号が「山の神」で、2026年に青山学院大学の黒田朝日が歴代4人目となる「シン・山の神」を襲名した。

「特殊区間」山下りの6区

6区は5区の逆で山を下る区間。平地では考えられないようなスピードで急勾配を疾走していく。下りのスペシャリストと称される選手が一気にタイムを縮めて、レース展開がガラッと変わることもあるので目が離せない。

「繰り上げスタート」が発生しやすい9区

レース終盤になると各校の実力差はタイム差として表れてくる。そこで重要になってくるのが箱根駅伝のルールにある繰り上げスタートで、特に9区は繰り上げスタートが発生しやすい区間と言われている。もし最後まで伝統の襷をつなぐことができなかったら......、涙なしには見られない。

「優勝」と「シード権」が決まる10区

箱根駅伝の最終区間である10区では、フィニッシュ目前に起きるアクシデントや大逆転劇が起こることも少なくない。また、優勝校が決定するだけでなく、翌年の箱根駅伝出場を左右する「シード権」をめぐる攻防が激化する瞬間。
まずはこの5区間を中心に箱根駅伝を楽しんでみてほしい。そして、お気に入りの区ができたら沿道で選手を応援してあげよう。その声援が、冬の寒空のなか激走するランナーの背中を押す力に変わる。

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どの区を誰が走るのか!?

箱根駅伝の面白さのひとつに「区間エントリー」という仕組みがある。区間エントリーとは、どの区を誰が走るのか出場校ごとに登録することなのだが、実はこんな思惑が動いている。
「優勝候補やライバル校をいかに出し抜くか」
各大学の区間エントリーリストは年末に一斉公開。リストには区間出走者である正選手10人と補欠選手最大6人までの名前、それぞれの出身校や10,000m・ハーフマラソンの自己最高記録が記載されていて、チーム構成や走力の度合いが読み解ける。
しかし、ここでポイントになるのが箱根駅伝のルール。箱根駅伝では、当日のレースが開始される1時間10分前までなら事前登録したランナーを変更()することができるのだ。
往路・復路最大6人、1日最大4人まで。正選手と補欠の入れ替えのみに限られていて、正選手同士の区間移動は禁止。
「直前まで手の内を見せないのも戦略のうち」
出場校はこのルールを使い、入れ替えを前提にして補欠選手を区間出走者としてエントリーする。主力選手をどの区で走らせるのか相手に悟られにくくして、他校の状況に応じてエースの投入タイミングをギリギリで見極めるためだ。ただ走るだけではなく、高度な戦略合戦がレース前から繰り広げられていることを知っておくと、観戦が何倍も楽しくなる。
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日本の三大駅伝を知る!

箱根駅伝は日本の三大駅伝のひとつ。せっかくなので他の大会も合わせて覚えておこう。

1. 箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)

2. 出雲駅伝(出雲全日本大学選抜駅伝)

3. 全日本大学駅伝(全日本大学駅伝対校選手権)

箱根駅伝はダントツの知名度を誇る大会だが、参加校は基本的に関東圏の大学限定。それに対して、出雲駅伝と全日本大学駅伝は全国大会で、出場校の数や走行距離も異なる。
この三大駅伝を同年度に制覇する「学生駅伝三冠」こそ、学生陸上長距離界における最高の栄誉と言われている。ちなみに、三冠を成し遂げた大学は過去に5校しかいない。
秋から冬にかけてハイシーズンを迎える長距離走の大会。主要大会は数珠つなぎで開催されていき、お正月の箱根駅伝がフィナーレ。スケジュールは次の通りだ。

日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ):9月上旬

駅伝ではなくトラック種目の大会だが、駅伝ファンはここで活躍した選手に目をつけ、このあとに開かれる駅伝大会での活躍に注目するのだそう。

出雲駅伝:10月上旬(スポーツの日・祝日)

全6区間で45.1km。総距離が短いことから「スピード駅伝」とも呼ばれる大会。出雲駅伝ならではの特徴はアメリカの大学選抜チームが招待される点で、国際色豊かなレースを見ることができる。

箱根駅伝予選会:10月中旬〜下旬

シード権を持つ10校以外が箱根駅伝の本選出場をかけて参加する、タイムトライアル方式の予選会。各校10人〜14人の選手たちが一斉にスタートしてハーフマラソン(約21km)を走り、上位10人の合計タイムで順位を競う。

全日本大学駅伝:11月上旬(第1日曜日)

全8区間で106.8km。全国8地区で行われる地方予選を勝ち抜いた大学とシード校がぶつかり、真の日本一を決める大会。1区から8区に進むにつれて走る距離がどんどん長くなるため、後半区間での大逆転劇が楽しめる。

箱根駅伝:1月2日・3日

全10区間で217.1km。年始早々に行われる駅伝の花形大会で、走行距離の長さは大学駅伝内でトップ。現存する駅伝大会のなかで世界最古の歴史を誇り、これまでに数々のドラマや名シーンを生み出してきた。
2027年の箱根駅伝では青山学院大学の2度目の4連覇がかかっている。達成されれば大会史上初の快挙。その夢が成就するのか、ぜひ自分の目で確かめてほしい。

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