Race winner Max Verstappen and second placed Lando Norris of Great Britain and McLaren on the podium during the F1 Grand Prix of Japan at Suzuka Circuit on April 06, 2025 in Suzuka, Japan
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F1

新世代F1マシンの全貌とは? 2026シーズン新レギュレーション解説

2026シーズンのF1で近年最大規模の地殻変動が起きる。同シーズンの新レギュレーションがチームにとって大きなチャレンジとなる理由とファンにとって見応えが増す理由を解説しよう。
Written by Paul Keith
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2026シーズンのマックス・フェルスタッペンは一新されたシャシーとエンジン、そしてF1では10年以上ぶりに大幅な見直しが行われたエアロダイナミクスを備えた新世代マシンでレースを戦うことになる。
2026シーズン以降、低燃費ハイブリッドエンジンを搭載したより軽量かつ俊敏なマシンがF1の主役となる。
01

レギュレーション改訂の理由

ドライバーのスキルとフィジカルがレースの流れを変える可能性があるとはいえ、F1は根本的にテクノロジー主導のスポーツだ。F1はやがて市販車にも応用されることになる新しいテクノロジーの実験場であり、自動車産業との関連性を維持しなければならない。
もうひとつの大きな要因は競技性だ。各チームは現行レギュレーションの範囲内で最大限のパフォーマンスを引き出しており、その結果各マシンのラップタイム差は大いに縮まり、全体の戦力差が接近している。これはエキサイティングなレースを生み出している一方で、このスポーツが停滞状態に達していることも示唆している。戦略を転換させるべき時が来たのだ…。
バーレーンでテスト走行を重ねるアイザック・ハジャー&リアム・ローソン

バーレーンでテスト走行を重ねるアイザック・ハジャー&リアム・ローソン

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02

電気出力が増加し、よりサステナブルで低燃費なエンジンへ

2014シーズン以来F1マシンに搭載されてきた1600cc V6エンジンは、内燃機関出力とバッテリー出力が50%ずつの極めて経済的なハイブリッドパワーユニットに道を譲ることになる。この新世代エンジンでは、100%サステナブル燃料(e-fuel)を使用する。この新世代エンジンから最大限のパフォーマンスを引き出すことが、各チームにとって最初にして最大の試練になる。
コーナーではZモードを使用してダウンフォース増加

コーナーではZモードを使用してダウンフォース増加

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03

DRSが廃止され、新たに “アクティブ・エアロ” と “マニュアルオーバーライド” が登場

新世代マシンのアンダーフロアは簡素化される見込みで、これまでのグラウンドエフェクトに代わり、極めて高度な “アクティブ・エアロ” の活用によってパフォーマンスがブーストされる。
フロントウイング / リアウイングは幅が狭められてシンプルな形状になる一方、マシンパフォーマンスを助けるために可動化される。「Xモード」(ストレートラインモード)がストレート走行時のドラッグを最小化し、「Zモード」(コーナーリングモード)はダウンフォースを増加させてより高速なコーナー旋回を可能にする。
2026シーズンの空力はシンプルな形状になる

2026シーズンの空力はシンプルな形状になる

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この簡素化されたエアロはマシン後方のダーティエア(乱気流)を低減させるため、ドライバーたちはライバルに接近し、ホイールトゥホイールでのバトルが可能になる。
ドライバーが前方マシンから1秒以内を走行している場合、これまでのDRSに代わって “マニュアル・オーバーライド” と呼ばれるシステムを利用してバッテリー出力を一時的にブーストし、オーバーテイクを容易に行うことができる。
04

より軽くスリムで俊敏なマシン

先述の新世代パワーユニットが搭載されるのは、より軽量で小型化されたマシンだ。新世代マシンの最低重量は現行マシンから30kg引き下げられた768kgとなり、これは市販フィアット500より100kgも軽い。
マシン軽量化の要因のひとつは、全幅が2,000mmから1,900mm、全長が3,600mmから3,400mmに縮小されたシャシーだ。軽量化されたマシンはより俊敏で操縦性が向上する予定で、これは接戦の促進を目指す広範囲の変更の一部として扱われている。
2026シーズンはタイヤサイズも変更される

2026シーズンはタイヤサイズも変更される

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05

タイヤは小型化するがグリップは低下せず

F1公式タイヤサプライヤーを務めるピレリは、フロントタイヤ幅を25mm・リアタイヤ幅を30mm狭めることに合意した。また、タイヤ外径もこれまでの720mmから705〜710mmに縮小される。
しかし、マシンが軽量化され、ダウンフォースが削減されてドラッグも少なくなることから、グリップとタイヤ摩耗のレベルは従来と同じ水準に保たれるはずで、レースがさらにしやすくなることが期待されている。
シャシーの前面および側面からの衝撃に対しての弾性強化に加え、ロールフープの耐荷重量増加などの対策が講じられる新世代マシンはこれまで以上に堅牢なものになる。
06

新規参戦チーム&エンジンサプライヤー

新たなF1レギュレーションは、新規参入チームや新規エンジンサプライヤーを惹きつけるものになっている。レッドブル・パワートレインズはF1復帰を果たすフォードと提携して、レッドブル・レーシングレーシング・ブルズに搭載されるエンジンを開発する。
ザウバーを買収したアウディがグリッドに並び、さらにキャデラックが初めてF1に参入する2026シーズンは、10年ぶりに11チームが参戦する。アウディは自社製パワーユニットを手がける一方、キャデラックは自社のエンジンプラントが稼働開始するまではフェラーリ製パワーユニットを使用する。
新レギュレーションはより接近したエキサイティングなレースを約束する

新レギュレーションはより接近したエキサイティングなレースを約束する

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07

F1世界選手権2026シーズン 開催カレンダー

2026シーズンの開幕は3月初旬に前倒しされ、オーストラリアGPで幕を開ける。開幕後の数戦は中国から日本へとアジアを転戦し、次いでバーレーンとサウジアラビアを巡ったあと、北米に向かいマイアミとカナダを戦う。
6月にヨーロッパへ戻り伝統のモナコGPを戦ったあと、マドリードに新設されたマドリングで行われる9月のスペインGPまでヨーロッパに留まる。アゼルバイジャンとシンガポールでの市街地レースを終えたあとは、北米・南米の4レースを経て中東カタールとアブダビでシーズンの大詰めを迎える。
2026シーズンの開催カレンダーは以下の通り:

ラウンド

レース

日程

プレシーズンテスト1

カタルーニャ・サーキット

1月26日-30日

プレシーズンテスト2

バーレーン・インターナショナル・サーキット

2月11日-23日

プレシーズンテスト3

バーレーン・インターナショナル・サーキット

2月18日-20日

開幕戦

オーストラリアGP

3月6日-8日

第2戦

中国GP

3月13日-15日

第3戦

日本GP

3月27日-29日

第4戦

バーレーンGP

4月10日-12日

第5戦

サウジアラビアGP

4月17日-19日

第6戦

マイアミGP

5月1日-3日

第7戦

カナダGP

5月22日-24日

第8戦

モナコGP

6月5日-7日

第9戦

バルセロナ・カタルーニャGP

6月12日-14日

第10戦

オーストリアGP

6月26日-28日

第11戦

イギリスGP

7月3日-5日

第12戦

ベルギーGP

7月17日-19日

第13戦

ハンガリーGP

7月24日-26日

第14戦

オランダGP

8月21日-23日

第15戦

イタリアGP

9月4日-6日

第16戦

スペインGP

9月11日-13日

第17戦

アゼルバイジャンGP

9月24日-26日

第18戦

シンガポールGP

10月9日-11日

第19戦

アメリカGP

10月23日-25日

第20戦

メキシコGP

10月30日-11月1日

第21戦

ブラジルGP

11月6日-8日

第22戦

ラスベガスGP

11月19日-21日

第23戦

カタールGP

11月27日-29日

最終戦

アブダビGP

12月4日-6日

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