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2022年2月、カプコンが『ストリートファイター』シリーズの未来を明らかにした。世界的知名度を誇る格闘ゲームシリーズ最新作『ストリートファイター6』のティザー映像が発表されたのだ。そして2023年6月2日、遂に『ストリートファイター6』がリリースされた。
今回はリリースを記念して『スト6』の基本情報・主な特徴をまとめてみた(2022年6月2日更新)。
『ストリートファイター6』
01
3つのゲームモード
『ストリートファイター6』は3つのゲームモードが柱になっている。まず、《FIGHTING GROUND》はクラシックな対戦モードで、これまでの『ストリートファイター』シリーズを想起させる。
次に、《WORLD TOUR》はシングルプレイヤー用モードで、自分のアバターを作成することができる。そして、3つ目の《BATTLE HUB》はオンラインプラットフォームになることだけが明らかになっている。
02
シングルプレイヤーモード
『ストリートファイター6』にはシングルプレイヤーモード《WORLD TOUR》が収録される。このモードでは、キャラクターを作成し、ゲーム内世界を探索し、シリーズを彩ってきたアイコニックなキャラクターたちと出会ったり、新しい技を覚えたりしながら最強を目指すことになる。
自分が操作するキャラクター(アバター)のルックスはRPG大作と同レベルでカスタマイズできる。舞台となるメトロシティでアクセサリーや服を購入して、好きなようにアバターをカスタマイズしよう。作成したキャラクターは後述する《BATTLE HUB》でも使用できる。
そしてプレイヤーは世界を巡り『ストリートファイター』ユニバースの様々なキャラクターたちと出会うことで、達人である彼らから様々な技(マスターアクション)を学んでいく。
学んだ技はメトロシティでのストリートファイトで使用できるが、ファイト以外でも自由に使用できるようになっており、トレーラーではパイルドライバーでドラム缶を破壊したり、スパイラルアローで建物と建物の間を越えたりしている様子が確認できる。ちなみに、ストリートファイトは1対1とは限らない。複数を相手にするときや特定のキャラクターが助太刀するときもある。
トレーラーではミニゲームの存在も確認できる。これらのミニゲームをプレイすれば、スティックの回転など基本的な入力方法を学べるようになっている。クラシックなボーナスステージも収録されている。
03
ドライブシステム
『ストリートファイター6』の対戦格闘の中心に位置するシステムが【ドライブシステム / DRIVE SYSTEM】だ。“ドライブゲージ / DRIVE GAUGE” を溜めて使用すれば必殺技が出せる。このゲージはこれまでのように攻撃や防御をすることで溜まるのではなく、時間経過とともに溜まる(回復する)。
放っておいてもゲージが溜まるこのシステムは、使わないのはもったいないという意識を生み出すため、プレイヤーがリスクを負ってゲージを使っていくことが予想される。
ドライブゲージでできること:
- DRIVE IMPACT / ドライブインパクト:相手の攻撃を受け止めつつ攻撃できる強力な打撃技。『ストリートファイターIV』の “セービングアタック” と比較することができる。
- DRIVE PARRY / ドライブパリィ:ボタン長押しでゲージを継続消費することになるが、その間は自動で相手の攻撃をガードしてくれる。タイミング良く攻撃を受け止めると “ジャストパリィ” が発生する。『ストリートファイターIII』の “ブロッキング” の派生形と言えるかもしれない。
- OVERDRIVE / オーバードライブ:強化された必殺技が出せるようになる。過去シリーズのEX技と同等。
- DRIVE RUSH / ドライブラッシュ:ドライブパリィか攻撃をキャンセルしてダッシュする。ドライブパリィからのドライブラッシュのゲージ消費は1で、攻撃からのドライブラッシュのゲージ消費は3になる。セービングアタック・ダッシュキャンセル(英語名:FADC)に近い。
- DRIVE REVERSAL / ドライブリバーサル:カウンター。ガード中にボタンを押して発動させれば追い詰められた状況を打破できる。
04
操作タイプ
『ストリートファイター6』は新規プレイヤーたちのために新しい操作タイプを用意している。この操作方法は “モダンタイプ” と呼ばれており、アークシステムワークスが『GUILTY GEAR』や『BLAZBLUE』シリーズで用意している “スタイリッシュ” に近い。
“モダンタイプ” はシンプルな操作方法になっており、必殺技も簡単に出せるようになっている。しかし、カプコンはキャラクターを完全に操作できるのは “クラシックスタイル” であることを強調している。つまり、トップレベルで活躍したいなら、“クラシックスタイル” を習熟する必要があるということだ。
05
キャラクターラインアップ
『ストリートファイター6』には以下のクラシックキャラクター12人と新キャラクター6人の計18人が収録されている。また、シーズン1ではエド、豪鬼、ラシード、A.K.Iの4人が順次追加されることが決定している。
クラシックキャラクター
- リュウ
- 春麗
- ルーク
- ガイル
- ジュリ
- ケン
- ダルシム
- エドモンド本田
- ブランカ
- ザンギエフ
- キャミー
- ディージェイ
新キャラクター
ジェイミーは『ストリートファイター6』初の完全新キャラクターとして紹介された。自称 “中華街のトラブルバスター” はあのユン、ヤンと繋がりを持つ。ブレイキンと酔拳を組み合わせたようなバトルスタイルを備えている。
キンバリーは『ストリートファイターZERO』で登場したガイの弟子を名乗っている。彼女のもうひとつの特徴はグラフィティで、スプレー缶を使用した技を備えている。
マノンは多様な通常技で柔軟な戦い方ができるキャラクターだ。柔道とバレエという異色のコンビネーションが特徴の彼女は近距離タイプで、強力なコマンド投げの距離内に相手を置くことが立ち回りの重要なカギになってくる。
マリーザは純粋なパワーファイターで、コマンド投げやアーマー付きの前進技の他、性質が変化するストレートや有利フレームが得られる必殺技も備えている。
JPは『ストリートファイター6』のヴィラン的な存在だ。技の多くにベガのサイコパワーに似たヴィジュアルエフェクトが加えられている彼は、優秀な通常技と飛び道具、テレポートを備えている。
リリーは木製の武器 “ポカモガン” 2本を備えているため見かけより長いリーチが特徴だ。また、“風を纏う” ことで攻撃性能を高めることができる。『ストリートファイター』シリーズのT・ホークと同じ部族出身のため、彼に似た技を多く備えている。
06
BATTLE HUB
《BATTLE HUB》は無数に置かれているアーケード筐体を選択して他のプレイヤーとオンライン対戦が楽しめるモードで、オンラインロビーとして機能する。
しかし、《BATTLE HUB》はただの “オンライン対戦の待合室” 以上の機能を備えており、プレイヤーは様々なことを楽しめる。たとえば、サントラを聴いたり、写真撮影を楽しんだり、ウェアをデザインしたりできるようになっている。
また、カプコンのクラシックタイトルも収録されており、アーケード筐体に座れば『ファイナルファイト』や『ストリートファイターII』をプレイできる。
07
エクストリームバトル
『ストリートファイター6』はできる限り多くのプレイヤータイプに対応しようとしている作品だ。そのため、通常の対戦以外にも様々な楽しみ方が用意されている。そのひとつ、《エクストリームバトル》は特定の条件を満たしたプレイヤーが勝利する対戦モードだ。
たとえば、[スリップ・マスター]では牛が画面外から突進してきてプレイヤーをダウンさせようとするのをかわしたり、牛を相手に仕掛けたりしながら戦うことになる。また、爆弾が落ちてくる中、ゲージ1本で綱引きのように体力を奪い合う[シーソー・ファイト]もある。
しかし、このようなギミックが用意されていてもプレイヤースキルが重要なことに変わりはなく、スキルが優れているプレイヤーの方が優位に立てるだろう。
08
新しいゲームエンジン
今作でカプコンは独自のゲームエンジン “RE Engine” を使用している。『バイオハザード7 レジデント イービル』のために開発され、『バイオハザード RE:2』、『バイオハザード RE:3』などにも使用されているこのエンジンは、リアリスティックなグラフィックスだけではなく、『モンスターハンターライズ』でも示されているように、他のスタイルのグラフィックスも得意としている。
『モンスターハンターライズ』はRE Engineのスケーリングの優秀さも示している。この作品は、Nintendo Switch最高のグラフィックスを誇るゲームのひとつとして評価されている。
49分
Street Fighting -ストリートファイティング-
世界最強の格闘ゲームプレイヤーたちが集結する、Red Bull Kumite。『ストリートファイターV』のプレイヤー、Xiao Hai、Daigo、Gamerbee、Tokido、Luffyらが決死の覚悟で大会に備える。
09
自動実況
『ストリートファイター6』では任意で対戦に自動実況を加えることができるが、自動実況を担当するのはトーナメントで活躍しているプロの実況者&解説者だ。
彼らの声はプレイヤーたちを盛り上げると同時に、新規プレイヤーの助けにもなってくれる。たとえば、溜まっているゲージの数を教えてくれたり、同じミスを繰り返していることを指摘したりしてくれるのだ。
実況者:
- Viscous
- アール
- Tasty Steve
- 平岩康佑
解説者:
- James Chen
- 高橋ひかる
- Thea
- デーモン閣下
10
ヒップホップ
近年、『ストリートファイター』シリーズは自己喪失をしている印象だった。代表するキャラクターが存在するようで存在せず、『ストリートファイター6』で発表された新ロゴもどこか魂が感じられなかった。
有り難いことに、サウンドトラックは『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』で採用されていたヒップホップに立ち返っている。ヒップホップサウンドとストリートアートを組み合わせたビジュアルイメージは2D格闘ゲームにフィットしており、『ストリートファイター6』を独特の存在にしている。
対戦中のグラフィティスタイルの演出も美しい!
11
Capcom Cup 2023
Capcom Cup IXが終わったあと、カプコンは『ストリートファイター6』をメインタイトルに据えて賞金総額200万ドルを用意したCapcom Cup 2023の開催を発表した。そのうち100万ドルが優勝者に手渡される予定だ!
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