F1 2024シーズンのラスベガスGPで、オラクル・レッドブル・レーシングに所属するマックス・フェルスタッペンが4シーズン連続のワールドチャンピオンに輝いてからまだ数ヶ月しか経っていない。しかし、気が付けば、フェルスタッペンが王座防衛に、オラクル・レッドブル・レーシングがそのアシストとコンストラクターズタイトル奪還に挑む新シーズンの開幕がすぐそこまで迫っている。
全24戦が設定されており、過去最長となるF1 2025シーズンの開幕戦は2024シーズンよりも2週間遅い3月16日に開催予定で、久々にオーストラリアGPがその大役を担う。一方、12月7日のシーズン最終戦は例年通りアブダビGPとなっている。
01
F1 2025シーズン カレンダー
ラウンド
日程
グランプリ名
開催地
開幕戦
3月14日-16日
オーストラリアGP
メルボルン
第2戦
3月21日-23日
中国GP
上海
第3戦
4月4日-6日
日本GP
鈴鹿
第4戦
4月11日-13日
バーレーンGP
サヒール
第5戦
4月18日-20日
サウジアラビアGP
ジェッダ
第6戦
5月2日-4日
マイアミGP
マイアミ
第7戦
5月16日-18日
エミリア・ロマーニャGP
イモラ
第8戦
5月23日-25日
モナコGP
モンテカルロ
第9戦
5月30日-6月1日
スペインGP
バルセロナ
第10戦
6月13日-15日
カナダGP
モントリオール
第11戦
6月27日-29日
オーストリア
シュピールベルク
第12戦
7月4日-6日
イギリスGP
シルバーストン
第13戦
7月25日-27日
ベルギー
スパ・フランコルシャン
第14戦
8月1日-3日
ハンガリーGP
ブダペスト
第15戦
8月29日-31日
オランダGP
ザントフォールト
第16戦
9月5日-7日
イタリアGP
モンツァ
第17戦
9月19日-21日
アゼルバイジャンGP
バクー
第18戦
10月3日-5日
シンガポールGP
シンガポール
第19戦
10月17日-19日
アメリカGP
オースティン
第20戦
10月24日-26日
メキシコGP
メキシコシティ
第21戦
11月7日-9日
ブラジルGP
サンパウロ
第22戦
11月20日-22日
ラスベガスGP
ラスベガス
第23戦
11月28日-30日
カタールGP
ロサイル
最終戦
12月5日-7日
アブダビGP
ヤス・マリーナ
02
オーストラリアGPが開幕戦に復帰
メルボルンが誇るアルバート・パーク・サーキットは1996シーズンからオーストラリアGPをホストしており、長年に渡りF1開幕戦を担ってきたが、近年はその役をバーレーンGPに譲っていた。しかし、2025シーズンは南半球で開幕戦が再び開催される。新たなドライバーたちとマシン群のデビュー戦を楽しみにしているファンたちが大挙するアルバート・パーク・サーキットは素晴らしい盛り上がりを見せるはずだ。
2024シーズンのオーストラリアGPはマックス・フェルスタッペンが唯一のリタイアを喫したレースで、さらにはオラクル・レッドブル・レーシングが表彰台を獲得できなかった5戦のうちのひとつでもあるため、どちらも雪辱を果たすべく高い意識で臨むことが予想される。
03
春の東アジア2連戦
2025シーズンの中国GPと日本GPは昨シーズンよりも前倒しで開催される。歴史とレイアウトが大きく異なるこの2サーキットでの連戦は、全チームにとってユニークなチャレンジになるだろう。
4シーズンのブランクを経て2024シーズンにカレンダーへ復帰した中国GPは、超近代的な上海インターナショナル・サーキットで開催される。同シーズンでは、接近戦には適していないとされるこのサーキットをマックス・フェルスタッペンが見事に攻略し、2位に13秒以上の差をつけて優勝。セルジオ・ペレスも3位に入った。
一方、長年に渡って日本GPを開催してきた鈴鹿サーキットは、フェルスタッペンを含む多くのドライバーに愛されてきた歴史ある名サーキットだ。2024シーズンは、フェルスタッペンが優勝、ファステストラップ、ポールポジションを記録して完勝した。2025シーズンも同レベルの強さを見せようとするはずだ。
04
エンタメ満載のマイアミGP
暖かさ・豪華さ・楽しさの3項目で満点を取れるF1グランプリがあるとすれば、マイアミGPしかないだろう。バーレーンGPとサウジアラビアGPを経て第6戦として開催される2025シーズンのマイアミGPは、同シーズンに3戦組まれている米国開催GPの初戦となる。
2022シーズンにデビューしたマイアミ・インターナショナル・オートドロームは、NFLマイアミ・ドルフィンズの本拠地ハードロック・スタジアムの周辺施設を使用して一時的に設営されるサーキットで、米国流エンターテインメントのノウハウが備わっている。
そのため、マイアミGPはまさに “アメリカン” なF1レースとなっており、VIPエリアにはハリウッドセレブやトップアスリートたちが詰めかける。F1観戦のために休暇を取ることを考えているなら、マイアミGPはリスト最上位に置くべきだろう。
フェルスタッペンは過去3シーズンで優勝・優勝・2位を記録しているため、本人とRB21がトップフォームなら、2025シーズンも19個のコーナーを擁するこのタイトなサーキットで好成績を残すだろう。
05
イモラからヨーロッパラウンドがスタート
F1 2025シーズン第7戦が終了したあとは、いよいよヨーロッパラウンドが始まる。その初戦を2シーズン連続で担うのがイモラ・サーキットで開催されるエミリア・ロマーニャGPだ。
フライアウェイとなるカナダGPを除く、5月18日のエミリア・ロマーニャGPから9月7日のイタリアGPまでの10戦中9戦がヨーロッパで開催される。ヨーロッパラウンドに組み込まれているサーキットはどれもF1の歴史を支えてきたクラシックサーキットとして名高い。
長い歴史を誇るイモラ・サーキットは反時計回りの高速サーキットで、アックエ・ミネラーリやピラテッラのようなアイコニックなコーナー群を擁しており、ドライバーたちの限界が試される。2024シーズンはフェルスタッペンが優勝した。
06
豪華絢爛のモナコGP
長期的視点から見れば、その未来は約束されていないが、カレンダーに含まれている間は、モナコGPがF1史上最も有名で豪華絢爛なグランプリであり続けるだろう。2025シーズンもその評価は変わらない。
オラクル・レッドブル・レーシングは2022シーズンと2023シーズンのモナコGPを制していたが、2024シーズンは非常に苦しい結果となった。そのため、2025シーズンは再び優勝して、毎年港に集結する豪華ヨット群の中で勝利を祝おうとするはずだ。
07
夏のヨーロッパ3連戦
F1の夏の代名詞はイギリスGPだが、2025シーズンはオーストリアGPとベルギーGPが前後で連続開催される。このヨーロッパ3連戦は今シーズン屈指のエンターテインメントを提供するはずだ。
その初戦はレッドブル・リンクで6月29日に開催されるオーストリアGPだ。最も美しい景観が楽しめるサーキットのひとつに数えられるこのサーキットは、オラクル・レッドブル・レーシングのホームサーキットのひとつで、これまでにフェルスタッペンが4勝を挙げている。また、レッドブル・リンクはフェルスタッペンファン(オレンジアーミー)が大挙するサーキットのひとつでもあり、毎年カレンダー屈指の盛り上がりを見せることでも知られている。
第2戦を担うのは、1948年からF1をホストしているレジェンドサーキット、シルバーストンだ。F1の夏の代名詞と言えるサーキットだが天候は不安定で、雨が降るときも少なくない。しかし、晴雨を問わず、毎年必ず大きな盛り上がりを見せているため、今シーズンもハイライトのひとつになるはずだ。
2024シーズンはルイス・ハミルトンがフェルスタッペンを抑えて優勝したため、英国人F1ファンにとっては最高のレースウィークエンドとなったが、2025シーズンはフェルスタッペンが雪辱を果たそうとするだろう。
そして3連戦の最後となるのが、世代を超えるF1ドライバーたちに愛されてきた名サーキット、スパ・フランコルシャンだ。
シルバーストンと同じく数十年に渡ってF1グランプリをホストしてきた、アルデンヌの森に広がるこの起伏の大きいサーキットは、最もタフなサーキットのひとつとして知られており、かの有名なオー・ルージュをはじめとする様々なセクションがドライバーとマシンの限界を試す。また、このサーキットは悪天候も有名で、天候が崩れたときのベルギーGPはサバイバルの様相を呈してくる。2025シーズンの勝者は7月27日に明らかになる。
08
究極のホームレース、オランダGP
8月31日にザントフォールトで開催されるオランダGPは端から端までオレンジ色で染まることになる。オランダ全国民の半数が集まっているようにも見えるその大観衆が応援するのは、もちろん、マックス・フェルスタッペンだ。
フェラーリファンが集結するモンツァも、4シーズン連続ワールドチャンピオンを応援する大観衆が見守るザントフォールトにはまったく及ばない。この起伏の大きい海岸線のサーキットでは実に見事な雰囲気が作り出される。フェルスタッペンが優勝した2021、2022、2023シーズンはひときわ素晴らしかった。
2026シーズン限りでこのサーキットでのF1開催が一旦終了することが決定しているため、2025シーズンは例年以上の大観衆が集まることが予想される。フェルスタッペンも残り少なくなった母国レースでの優勝を間違いなく狙ってくるだろう。
09
アメリカ大陸縦断4GP
9月7日のイタリアGPで最後のヨーロッパラウンドが終わると、F1チームたちは荷物をトランクに詰め込んでシーズン最終8戦へ向かって出発する。
そして、アゼルバイジャンGPとシンガポールGPが終われば、北米・中米・南米を巡る大興奮必至の4戦が待っている。クラシックレース、熱狂的なファン、ナイトレースが含まれるこの4戦にはF1のあらゆる魅力が詰まっている。
初戦は10月19日に米国テキサス州オースティン郊外のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されるアメリカGPだ。
広いコース幅と大きな起伏、そして世界中の名サーキットからインスピレーションを得たコーナー群が特徴のCOTAは近代F1を代表するサーキットのひとつで、レッドブル・レーシングが長年得意にしてきたことでも知られる。レースウィークエンドを通じてピットレーンとスタンドではカウボーイハットが多く見られるはずだ。また、カウボーイハットと並んでオーバーテイクのチャンスも多いため、毎年素晴らしいレースが展開されている。
翌週にCOTAから少し南下して国境を越えれば、F1カレンダー最高高度とシーズン屈指の熱狂的なファンが集結するメキシコGPのサーキットが見えてくる。
メキシコシティのオートドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットは海抜2,240mに位置しており、ドライバーたちには通常より多くの負荷がかかるが、メキシコ人ファンたちの情熱と彼らが生み出す素晴らしい雰囲気には、その負荷に耐えるだけの価値がある。特に、野球場跡地のスタンドに陣取ったファンに囲まれるセクションはF1史に残るユニークなシーンを作り出す。
その次は、2025シーズン唯一の南米開催となるブラジルGPだ。タイトに曲がりくねるインテルラゴス・サーキットは非常に高難度で、精確なドライビングをしなければスピードを得ることができない。
この難度が情熱的なブラジル人ファンたちに魅力的なレースを提供しており、熱帯地方特有の豪雨が降ればその魅力がさらに増す。2024シーズンも豪雨となったが、フェルスタッペンが17番グリッドから猛追して優勝を飾った。2025シーズンも同様の展開が期待される。
そしてアメリカ大陸縦断4GPの最後を飾るのが、11月22日に開催されるラスベガスGPだ。今シーズンで3回目の開催となるこの市街地サーキットは、世界的に有名な目抜き通り、ラスベガス・ストリップに建ち並ぶ高級ホテル群の間を縫うようなレイアウトが用意されている。
もちろん、歴史的観点から見ればクラシックレースとは呼べないが、米国が世界に誇る “歓楽街” が舞台となるこのナイトレースの景観は実に素晴らしく、レースウィークエンドを通じたプロダクションクオリティも非常に高い。2024シーズンはフェルスタッペンが5位でフィニッシュし、ワールドチャンピオンを確定させた。今シーズンも同様の展開になるのだろうか?
10
最終戦はアブダビGP
最近はヤス・マリーナ・ベイ市街地コースで開催されるアブダビGPでシーズンが幕を閉じるのが恒例となっており、2025シーズンも12月7日の同GPで終了する。しかし、当日はどのようなレース展開になるのだろうか?
2021シーズンのアブダビGPはワールドチャンピオンが懸かった最終戦となり、近年のF1史に残るフィナーレを演出した。ファイナルラップでフェルスタッペンがルイス・ハミルトンにオーバーテイクを仕掛け、キャリア初のワールドチャンピオンに輝いたのは誰もが覚えているだろう。
F1ファンはこのようなタイトル決定戦を兼ねたシーズン最終戦になることを毎年期待しているが、そのようなシーズンフィナーレは上記の2021シーズンが最後だ。とはいえ、低速コーナーと幅の広いストレートを擁するこのサーキットは例年好レースを提供しているため、2025シーズンも最後の最後までF1を楽しめるはずだ。
11
スプリントレース
2024年夏、FIAとF1が2025シーズンのスプリントレース開催地を発表した。導入5シーズン目となる今シーズンはフォーマットが多少変更され、オーストラリアGPが外れる一方、2024シーズンに外れていたベルギーGPが復帰する。この結果、インテルラゴスが5シーズン連続でスプリントレースを開催する唯一のサーキットとなる。2025シーズンのスプリントレースは全6戦が予定されている。
日程
グランプリ名
開催地
3月21日-23日
中国GP
上海
5月2日-4日
マイアミGP
マイアミ
7月25日-27日
ベルギーGP
スパ・フランコルシャン
10月17日-19日
アメリカGP
オースティン
11月7日-9日
ブラジルGP
サンパウロ
11月28日-30日
カタールGP
ロサイル
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