ゲーミング
『VALORANT / ヴァロラント』(以下、『VALORANT』)は本質的にはシューターかもしれないが、戦略と戦術がすべてだ。多くの場合、最高の作戦を用意できたチームが勝利を手にしている。
このゲームは反射神経やエイム力だけでは勝利を手にすることはできない。【Red Bull Campus Clutch】を含む『VALORANT』のトーナメントで勝利を手にするためには、“作戦を立てる” 必要があるのだ。
当然ながら、『VALORANT』にはシンプルな戦術がいくつか存在する。スパイク設置エリアへのラッシュやスポーンエリアでの待ち伏せなどがそうだ。しかし、実際の対戦ではこのような非常に明快な戦術でさえ瞬く間に複雑化してしまう可能性がある。このゲームでは、すべてのラウンドで想定外のプレイをして敵チームを困惑させる必要があるので、事前に戦略と戦術を用意して、チーム全員がそれらに沿ってプレイしなければならない。
そこで今回は、『VALORANT』のグローバルトーナメント【Red Bull Campus Clutch】への参戦を考えている学生をはじめとする、このゲームでの活躍を目指すあらゆるプレイヤーのために、自分のチームをネクストレベルへ進化させる助けになるヒントを、G2 Esportsに所属するAleksander “zeek” ZygmuntとBIGに所属するFatih “gob b” Dayikに求めた。
2人が教えてくれたマップ攻略に必要な作戦と戦略についてのアドバイスとヒントをチェックしていこう。
自分たちのウィークポイントを知る
『VALORANT』は非対称タクティカルシューターで、対戦する2チームの勝利条件が異なっている。Tサイドはスパイク設置エリアにスパイクを設置するか、CTサイドを全滅させることが勝利条件だが、CTサイドは設置されたスパイクを解除するか、Tサイドを全滅させることが勝利条件になる。
つまり、『VALORANT』は『Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)』と多くの共通点を持っているゲームなのだが、見過ごされがちな大きな違いがひとつある。『VALORANT』には、スパイク設置エリアが3つ用意されているマップが存在するのだ。
スパイク設置エリアが3つあるということは、CTサイドがやや不利なことを意味する(すべてのアングルをカバーできないため)。zeekは正しいセットアップを用意することが非常に重要だとしつつ、「どのようなプレイをしてもウィークポイントは必ずあるから、ラウンド中にマップ上のあらゆる情報を集めながら上手くローテーションしていくことが重要になる」と続けている。
『VALORANT』では、たった3秒を無駄にするだけでマップの逆サイドにいるチームメイトを失ってしまう可能性がある。
セットアップ
プロプレイヤーが見事なスモークセットアップを活用してパーフェクトなタイミングでプッシュしていくのを誰もが見たことがあるだろう。しかし、そのようなスモークやフラッシュのセットアップをミスした場合はどうなるのだろうか? 致命的なミスになるのだろうか?
gob bは、そのようなミスは起きるもので、それで敗戦が決まるわけではないとしている。しかし、初心者プレイヤーでもセットアップについて学んでおくことは非常に重要だ。gob bは、スモークのセットアップが上手くできれば「敵チームはこちらの動きが読めなくなる。敵に読まれなくなれば、敵が嫌がるプレイをできるようになる」と説明している。
アンカー
セットアップの次はエクスキュート(実行)に移るわけだが、『VALORANT』のトップレベルではアンカーが用意されるケースが良く見られる。アンカーはスパイク設置エリアをワンウェイスモークや複数のユーティリティでロックダウンするロールで、このロールを回避するのは非常に難しい。
敵チームがアンカーを用意している状況について、gob bはアンカーを意識し過ぎてはいけないとし、「意識し過ぎてプッシュしなければ、そのアンカーがスパイク設置エリアを抑え続けることになる。こうなってしまえば、戦況を変えるのは難しくなる」と続けている。
一方、zeekは、対アンカー対策は複数存在すると考えており、「敵チームがアンカーを用意しているのが分かっているなら、ワンウェイケージかワンウェイスモークを使わせて存在を確認してから、もうひとつのスパイク設置エリアへプッシュすればOKだ」としたあと、代替案として、ワンウェイケージを使わせたあとそのサイトに侵入してアンカーを直接狙う方法を挙げている。
gob b says that changing up your defensive set-up often is the way to go
© Philipp Neubauer/Red Bull Content Pool
ヘイブン
CTサイドは、Tサイドがスパイク設置エリア侵入に使ってくるアングルをすべて抑える必要がある。しかし、zeekはスパイク設置エリアが3つ用意されているマップではそのようなアングルをすべて抑えるのは不可能だとしている。
『VALORANT』は1チーム5人なので、そのようなマップのアングルを抑えるためにはどうしても多少のギャンブルが必要になる。zeekは「【ヘイブン】のほぼすべてのラウンドでリテイクが確認できるのはこれが理由だ」と続けている。
gob bはCTサイドのセットアップに変化を加えることが有効だとし、次のように続けている。「どのサイトが不利なのかを理解しつつ、最初に用意していた戦略が失敗した時のためのリテイク用戦略を用意しておくことが重要になる。リテイクは難しくなる時があるので、特定のシナリオのローテーションについてチームで話し合っておく必要がある」
スプリット
名前が示している通り、【スプリット】は最も意見が “割れる” マップのひとつで、プレイヤーのこのマップへの印象は「好き」か「嫌い」のどちらかだ。以前はCTサイドが有利なマップだったが、最近のアップデートによって今は五分五分のマップになっている。
zeekは、【スプリット】のTサイドがラウンドを取るためには、ミッドコントロールが欠かせないとし、「ミッドをコントロールできればTサイドが使えるスペースが増えるから、CTサイドは4〜5アングルを抑えなければならなくなる」と説明している。
ミッドをコントロールできればTサイドの選択肢が増えるということは、このマップのTサイドはミッドコントロールを常に最優先すべきだということを意味している。gob bも同意見で、Tサイドには2つの基本的な選択肢があるとし、次のように続けている。
「フラッシュと《ジェット》のテイルウインドでスパイク設置エリアへ突入するか、じっくりと攻めてマップをコントロールしていくかのどちらかだね」
『VALORANT』用語集
- 非対称タクティカルシューター:ここでの “非対称” は対戦する2チームに異なる勝利条件が用意されていることを意味する。
- Tサイド:攻撃側(語源は『CS:GO』のテロリスト)のチームを指す。スパイクの設置かCTサイドの全滅が勝利条件。
- CTサイド:防衛側(語源は『CS:GO』のカウンターテロリスト)。スパイクの解除かTサイドの全滅が勝利条件。
- スパイク設置エリア:2021年2月現在、『VALORANT』には4種類のマップ(ヘイブン / バインド / スプリット / アイスボックス)が存在する。【ヘイブン】には3つのスパイク設置エリア、その他の3マップには2つのスパイク設置エリアが用意されている。
- ミッドコントロール:各マップには複数の進行ルートが存在する。ミッドはそのようなルートの中央(中立)部分を指し、ここを抑える(コントロール)することをミッドコントロールと言う。
- アンカー:各ラウンドでプレイヤーが選ぶエージェントにはそれぞれ異なる長所と短所、アビリティが用意されているが、防衛向きのエージェントが任されるロールがアンカーだ。アンカーはスパイク設置エリアに陣取り、Tサイドの侵入を警戒・阻止する。
- ユーティリティ:アビリティと同義。主にスモーク系・爆発・燃焼系 / 視界系 / ウォール系 / フラッシュ系 / スロウ系に分類される。
- スモークセットアップ:一部のエージェントはスモーク系アビリティを備えている。敵プレイヤーの射線・視界を遮ることができるこのアビリティにはいくつものアドバンテージがあり、非常に有用だ。たとえば、スモークを設置できるアビリティ “スカイスモーク” を備える《ブリムストーン》はラウンドの重要な局面で役立っている。スモークを軸にした戦術をスモークセットアップと呼ぶ。
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