2026年最初のグランツールとなる第109回ジロ・デ・イタリアが5月8日から31日まで開催される。史上初のブルガリア開幕となる今回は、海岸沿いのリゾート地ネセバルから3週間に渡り激しいレースを提供する。
レースはブルガリアで3ステージを消化したあとイタリアを南から北へ向けて移動し、第16ステージでスイスに一瞬入ったあとイタリアを再び走り、セレモニアル / クリテリウムスタイルのローマでゴールを迎える。
ジロ・デ・イタリア2026はブルガリアからスタート
© Giro d'Italia 2026
世界最強のロードレーサーたちは黒海でのスタートからイタリアの首都でのフィナーレまでの全長3,468kmに挑む。また、アペニン山脈、バレ・ダオスタ、イタリアアルプス、ドロミーティなどのアイコニックな山岳地帯を含むこのグランツールの獲得標高は48,764mに達する。
今回はジロ・デ・イタリア2026のコース、見どころ、優勝候補などを含む基本情報をまとめて紹介しよう。
近年はグランツールの国外開幕が珍しくなくなっているが、2026年のジロ・デ・イタリアもブルガリアで開催を迎える。ジロの国外開幕は昨年のアルバニアに続き2年連続となる。
ブルガリアで開幕を迎えたあとの今年のコースの序盤の獲得標高は昨年ほどではないが(3,500m弱)、ジロ・デ・イタリアの特徴である難度は保たれている。
特筆すべきは、第7ステージのブロックハウスまでの全長14kmのクライム(1967年のエディ・メルクスの初のジロステージ優勝の舞台)、第10ステージの全長42km個人タイムトライアル、第14ステージのアオスタ山脈での等級クライム5本(全長133km)、そして第19ステージと第20ステージのドロミーティだ。
ジロ・デ・イタリアは高難度のクライムで知られる
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2026年のペロトンは個人タイムトライアル1ステージ、スプリント8ステージ、丘陵7ステージ、山岳5ステージに挑むことになる。
バルカン半島に位置するブルガリアが開幕3ステージの舞台になるが、比較的平坦な地形のため、どのステージもスプリンターや逃げ集団が勝利を手にする可能性が高く、意外なライダーがマリア・ローザを着用するかもしれない。 ジロ・デ・イタリア2025でマリア・ローザを着用するプリモシュ・ログリッチ
© RCS Sports & Events/Red Bull Content Pool
5月11日で最初の休息日を迎えたあと、ペロトンはブルガリアを出てイタリア南岸へ向かう。第4ステージと第6ステージではスプリンターたちによる勝負が繰り広げられるはずだ。
その後、全長244kmの第7ステージ(フォルミア〜ブロックハウス)は優勝候補ライダーたちの最初の試練になるはずで、ブロックハウスの山頂フィニッシュまで続く全長14kmのクライムは、多くのGCライダーたちをふるいにかけることになる。
第7ステージが大きく盛り上がらなかったとしても、第1週の最後となる第9ステージは必ず盛り上がるはずだ。全長184kmのこのステージは、ラスト30kmに獲得標高2,352mのほとんどすべてが詰め込まれており、さらには翌日が休息日のため、ライダーたちは限界突破を試みてくるはずだ。
2回目の休息日のあとに迎える第10ステージは、タイムトライアルのスペシャリストたちのステージになる。ライダーたちはヴィアレッジョからマッサまでのトスカーナ地方に設定された平坦なコースを走行するが、チャレンジも数多く用意されており、42kmという非常に長い距離は優勝候補たちにとって些細なミスひとつが大きなダメージになることを意味する。
翌日の第11ステージはアップダウンが続くが、クラシックを得意とするライダーたちが注目しているのはその次の第12ステージで、ここはモニュメントとして知られるミラノ〜サンレモのほぼ逆走コースとなっている。
観客が沿道で応援する
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アルプスへ向かう第13ステージは、3回目の土曜日に向けたウォームアップで、その土曜日、全長133km・獲得票高4,202mの第14ステージは、サン=バルテルミーへ向かう1級山岳から始まり、その先も過酷なクライムが続く。
最初の下りでひと呼吸入れたあとも3つの等級山岳が待っており、そのさらにあとにもピラの山岳フィニッシュまで続く全長16.5kmのクライムが待っている。平均勾配7%のこのクライムはトップクライマーのためのセクションだ。
第2週はミラノまでのスプリントステージで終わる。このステージを過ぎると、翌週の日曜日までスプリンターが活躍できるチャンスは訪れない。
最後の休息日が終わったあとは、1日限りのスイスライドを迎える。全長113kmのこのステージには、トーレとレオンティカのクライムに挑む周回セクション2周や、イタリア語圏ティチーノのスキーリゾート、カリで山岳フィニッシュを迎える全長11.6km・平均勾配8%のクライムが含まれている。
その後、2ステージを経て、ジロ・デ・イタリア2026のクイーンステージ、第19ステージを迎える。クライム6本、獲得標高約5,000m、超級山岳、今年のチーマコッピ(最高標高地点)となるパッソ・ジャウ(全長9.7km・平均勾配9.4%)が特徴のこのドロミーティのステージでは、総合順位争いがさらに激化するか、あるいはマリア・ローザの行方が確定するはずだ。
もし第19ステージで何も決まらなくても、第20ステージで必ず決まるだろう。このステージの大半はなだらかな丘陵地だが、ピアンカヴァッロでの2連続クライムがレースの行方を決めるはずだ。
3週間のレースのフィナーレとなるローマでのセレモニアルライドでは、すべてのジャージの獲得者が決まるが、ゴール前スプリントが待っているため、最後の最後まで混戦になる可能性も残されている。
ジロ・デ・イタリア2026も例年通りロードレースシーン注目のタレント同士による激しいバトルが展開される予定で、そのスタートリストにはグランツール優勝経験者たちやロードレースの歴史に名を刻もうとするトップライダーたちが数多く含まれている。
その筆頭がツール・ド・フランス優勝2回とラ・フエルタ2025優勝を誇るヨナス・ヴィンゲゴーで、今年のジロで史上8人目のグランツール完全制覇を目指す。タデイ・ポガチャルが出場しないため、デンマーク出身のヴィンゲゴーが最有力とみられている。
ヴィンゲゴー有力説をさらに強固にする要因が、優勝候補に数えられていたジョアン・アルメイダの病気による欠場だ。アルメイダが所属するUAEチーム・エミレーツは、代役としてアダム・イェーツかジェイ・ヴァインを立てるはずだ。しかし、アルメイダが欠場してもヴィンゲゴーの優勝が約束されるわけではない。
今年もマリア・ローザを巡る激しいバトルが展開される
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エガン・ベルナル、リチャル・カラパス、そしてレッドブル=ボーラ=ハングスローエのジャイ・ヒンドレーはそれぞれマリア・ローザ獲得経験があるトップライダーで、ヒンドレーのチームメイト、ジュリオ・ペリッツァーリは、2025年のツール・ド・フランスでプリモシュ・ログリッチの第16ステージでのリタイア後に大活躍を見せ、総合6位でフィニッシュした若きエース候補だ。 ヴィンゲゴーのミスにつけこむチャンスを虎視眈々と狙う他のライダーには、オーストリア出身のフェリックス・ガルやチーム・ジェイコ・アルウラーに所属するベン・オコナーも含まれる。
2026年のジロ・デ・イタリアには2025年に紹介した全23チームが出場する。つまり、184人のライダーがブルガリアのスタートラインに並ぶのだ。
ワールドツアー18チームに加えて、ワイルドカードチームとして、イタリアのバルディアナ・CF7・セイバーとチーム・ポルティ・ヴィジットマルタ、スイスのチューダー・プロサイクリングとピナレロ・Q36.5・プロサイクリング、フランスのウニベット・ローズ・ロケッツが出場する。
ジロ・デ・イタリア2025のレッドブル=ボーラ=ハンスグローエ
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ジロ・デ・イタリア2026に出場するワールドツアー18チームに含まれるレッドブル=ボーラ=ハングスローエはトップレベルのライダーを数多く揃えており、ジュリオ・ペリツァーリとジャイ・ヒンドレーのダブルエース体制を敷いてくるはずだ。
山岳ステージではアレクサンドル・ウラソフとベン・ツヴィーホフが2人をアシストし、平坦・丘陵ではダニー・ファン・ポッペルとジャンニ・モスコンがアシストを担う。
例年通り、ジロ・デ・イタリア2026も以下の4種類のジャージが用意されており、各ステージ終了後に当該ライダーに渡される。 マリア・ローザ(ピンク):ジロ・デ・イタリアを象徴するジャージで、総合首位のライダーが着用する。
マリア・チクラミーノ(パープル):ポイント賞のライダー(通常はスプリンター)が着用する。
マリア・アッズーラ(ブルー):山岳賞のライダー(通常はクライマー)が着用する。
マリア・ビアンカ(ホワイト):25歳以下の総合最上位ライダーが着用する。